妊娠成立までに体内で起きること4ステップ
2013年12月26日 | よみもの妊娠成立までに体内で起きること4ステップ

【女性からのご相談】
28歳、新婚です。しばらくは仕事を頑張りたいので、まだ妊活は始めていません。でも、将来欲しくなった時にすぐにできるか不安です。今から知っておいた方が良いことがあったら教えて下さい。
妊娠成立までの4つのステップ。
これだけ不妊が増えている現在、いざ欲しくなった時に妊娠できるかどうかという不安は、今や誰もが抱えているものだと思います。
妊娠というのは奇跡の連続です。人の数だけ妊娠があったと思うと、あたかも簡単な現象のように思えますが、実はとても神秘的なことなのです。
今日は、そのことについて簡単にお話しますね。

(1)排卵
女性は、産まれた時から決まった数の卵胞(卵子の元になる細胞)を持っています。この卵胞が、約28日に1回ずつ卵子となって卵巣から飛び出すのです。その飛び出した卵子は、手のひらのような形をした卵管采という器官に吸い込まれ、卵管内に入り、卵管膨大部というところで精子と出会います。
卵子の寿命はたったの24時間です。その間に精子と出会わなければ、妊娠は成立しません。
(2)精子の卵管膨大部への到着
一回の射精に含まれる精子の数は、約三億個と言われています。そんなにたくさんいるのに、卵管膨大部まで到着するのはたったの200個、さらに、受精できるのはたったの一個です。
というのも、射精された精子には、数多くの試練が待ち受けているからです。
まずは膣内です。そこは精子にとって過酷な環境です。通常膣内は、細菌の繁殖を防ぐためにやや酸性になっているからです。そんな環境の中を泳ぎすすみ、子宮口という狭い入り口を通り抜けることができるのは、最初の3000分の1、たった10万個の優秀な精子のみです。
子宮内に入り込んだわずかな精子には、更に過酷な運命が待ち受けています。
子宮の内部は長さ約7センチあります。0.06ミリメートルしかない精子にとっては、途方もない距離です。しかも、そこは暑くてネバネバしていて、とても泳ぎにくいのです。ここでほとんどの精子が力つきます。
最終的に卵子が待っている卵管膨大部までたどり着ける精子は、たった200個と言われています。
(3)受精
こうして卵管膨大部までたどり着いた精子は、受精をめぐって最後の死闘を繰り広げます。
というのも、一番最初の精子が入り込んだとたん、卵子は外側に強固な膜を作り、二番目以降の精子をはじき返してしまうからです。
精子の寿命は最大で7日間と言われていますが、射精から卵管膨大部到着までは、ほんの30分から数時間の間に起きるそうです。すばらしい運動能力ですよね。
(4)着床
そのようにして、数々の困難を乗り越えて受精した受精卵は、子宮に向かって徐々に移動していきます。これには約7日間かかると言われています。
しかし、せっかくの受精卵も、うまく移動できずに途中で止まってしまったり、子宮内部にうまく着床できなかったりすると、妊娠は成立しません。着床のためには、子宮の内部がふかふかと温かく柔らかでなければいけません。
いかがでしたか? 普段はあまり意識しませんが、妊娠というのは、まさに奇跡の連続なのです。だからこそ、これだけ治療がすすんだ現代でも、すべての人が妊娠できるわけではないのです。
今は妊娠を希望していなくても、そのことを念頭において、将来の計画を立てて下さいね。