“ばっかり食べ”が及ぼす子供への悪影響
2013年12月2日 | よみもの“ばっかり食べ”が及ぼす子供への悪影響

【ママからのご相談】
子どもの食事の仕方が気になります。いわゆる、「ばっかり食べ」で食べたいものから一皿ずつ食べていきます。実はその食べ方、ジャンク好きで好き嫌いが多い主人の食べ方と同じなので、心配しています。
「ばっかり食べ」は栄養のバランスが取りにくく味覚の発達も不十分になり、複雑な味や食べたことのない新しい味を嫌うようになります。
こんにちは。食育マイスターのHiroyukiです。
ママからのご相談の通り、お子さんはきっと、大好きなお父さんの食事の仕方を真似するうちに、「ばっかり食べ」になったと思います。

なぜ、「ばっかり食べ」は良くないのでしょうか?
まず、「ばっかり食べ」でおかずから食べた場合、ご飯が最後になるので別のおかずが必要になって、必要以上に脂質・塩分を摂ることになります。また、おかずの途中でおなかがいっぱいになってしまった場合は、手を付けられない食べ残しができて、バランスの悪い食事になります。
では、どの様に食べるのが良いのでしょうか?
日本の食事のし方には、「三角食べ」があります。並んだ料理を、「ご飯→おかず→汁物」といった順に、お箸を三角形に動かしながら少しずつ繰り返し食べていきます。
「三角食べ」が良いとされる理由は、少しずつ順に口の中で混ぜ合わせながら、間にご飯を食べることで、それぞれの味や濃さを調整でき、さらに味の深さや新しい味を感じることで、味覚の発達が促されるからです。
お子さんの味覚の発達に、「ばっかり食べ」が良くないことはお分かりいただけましたか?
ではもう一つ、お子さんの味覚の発達でご注意いただきたいことがあります。
それは、「味覚障害」です。
健康でいるために不可欠な、必須ミネラルの亜鉛が不足すると味覚障害になります。予防するためには亜鉛が多く含まれる魚介、豆、ナッツなどを意識して摂ることが大切です。
あと、ご主人の好きなジャンクにも注意してください。一般に食品添加物は亜鉛の吸収を妨げ、体外に排出するといわれています。食品添加物が含まれている加工食品、ファーストフード、コンビニ弁当など摂り過ぎないようにしてください。
お子さんの味覚、五味(甘味、苦味、酸味、塩味、旨味)は早いうちに学習した方が良いとされています。
素材そのものが持つ味を大切にして、食品添加物を使わずに、少ない調味料で手軽に五味を経験できるのは野菜や果物です。ママには是非、五味をいかした野菜多めの献立を考えていただき、お子さんと一緒に味を想像しながらゆっくりとお食事を楽しんでいただきたいと思います。
最後に、前回の『子供に生野菜を食べさせるべき?』でもお話しましたが、お子さんのより良い食、食事のスタイルや偏食を考えるためには、メンタルな面にも配慮が必要です。
ママも決して急ぎ過ぎないように、一生懸命になりすぎないようにして、一人で難しいと思ったら、食に関する活動をしているところや、お友達に相談することをお勧めします。
●ライター/久松洋行(幼稚園園長)