高校受験なのに勉強をしてくれない我が子への対応策
2013年9月30日 | よみもの高校受験なのに勉強をしてくれない我が子への対応策

【ママからのご相談】
中学3年生の子どもが、受験勉強をちっともしてくれません。高いお金を払って、有名な塾に行かせているのですが、さっぱりです。どうしたら子どもが主体的に受験勉強をするようになるのでしょうか?
受験勉強は「してくれる」ものでは決してない。
こんにちは、ミクノです。
受験勉強の弊害については、ある心理学者が、「受験勉強には終わりがないから良くない」と、なにかのエッセイに書いていました。
つまり、テストで80点をとれば、次は90点を目指しましょう。90点をとれば次は100点を目指しましょう。100点をとれば、ほかの科目も100点をとれるようにがんばりましょうというかんじで、「どこまでやればOKなのか」というのがない。青天井。

オトナだって青天井のことに対してはやる気がでないでしょう。
旦那さんに、「今月は50万円のお給料だったのね。じゃあ来月は60万円を目指してね」というかんじで、10万円単位で、「目標」をずっとずっと上げていくと、旦那さんはいずれ泡を吹いて倒れるか、ウツになると思いませんか?
仮に、中学1年生から受験勉強を始めた場合、高校3年生までずっと受験勉強。6年間あります。6年間ずっと、「次は」と言っていたら誰だってイヤになりますよね。
こういう背景も含め、教育学者は、「なんのために受験勉強をするのか」子どもがしっかりと認識をしないと、主体的に受験勉強はしないと言っています。
「なんのため」が、「世間体のため」とか、「いい大学に入るといい会社に就職できるから」というものでは、ちょっと困るとも学者先生は言います。
たとえば親が医者で、子どもが、「ぼくも親のようになりたい」と心底思えば、子どもは放っておいても医学部受験用の参考書を勉強するでしょう。
ピアノで芸大に合格したいと子どもが心底思えば、子どもは自ら努力するでしょう。
問題は目標のない子です。このケースについては、ぼくが聞き知っている限りにおいて、学者先生のコメントはありませんでした。
中学や高校くらいで、「ぼくは(私は)将来○○になりたいです」と明確な目標を持っている子どもって少ないので、本当はこのケースについて、学者先生などエライ人が、もっと公にいろんなことを語ってほしいですよね。
以前、ほかの方のご質問にお答えしたとき、「知らないことを知る喜びを子どもが知れば、親はなにもギャアギャア勉強しろと言わなくてもいいのだ」という元東大教授の言葉を引用したと記憶していますが、根本的にはこういうことでしょうか。
子どもが青天井を漠然と眺めているのではなく、知らないことを見つめ、その先に行く快感を持てば、子どもは主体的に勉強するかもしれません。「知らないこと」は誰のまわりにもたくさんあるので、誰にでも通用する、「お勉強の極意」と言えるのではないでしょうか。
つまり、受験勉強は、「してくれる」「してあげた」というものでは決してない、ということです。
●ライター/ミクノトモ(作家・コラムニスト)