「貸して」「ありがとう」などの挨拶ができる子になる親子の会話術
2013年9月14日 | よみもの「貸して」「ありがとう」などの挨拶ができる子になる親子の会話術

【ママからのご相談】
うちの子は3歳なのですが、「ありがとう」とか、「貸して」などを恥ずかしがって言えません。そういうことが言えるようになるトレーニング方法はありますか? 基本的な挨拶が出来る子になってほしいです。
最近よく見かける親子の会話、3パターンをご紹介。
こんにちは、Tomokoです。
お子さんには、言わなくてはいけないことが言える子に育ってほしい、というお気持ち、とてもよくわかります。家ではそういったことを言えるのに、どうして外では言えないの……? と心配になることもあるでしょう。
子育てにまつわるさまざまなコラムやエッセイでも、ものを借りるときには「貸して」というようにしつけよう! といった内容が書かれているのをよく読みます。でも同時に、それが簡単にできたら苦労はしないような気もします……。即効性のあるトレーニング方法があればよいのですが、それもなかなか難しいと思います。やっぱり毎日の積み重ねでしょうか。
今日は、私が最近よく見る、「貸して」や「ありがとう」を巡る3つの会話をご紹介します。

ある遊び場で、そこにいる大人に、ものを借りる場面を想定しています。
(1)「子どもにお任せタイプ」
子:(もじもじしている)
大人:どうしたのかな。
親:ほら、言えるでしょう。なんて言うの? わかるでしょう?
子:……。
大人:何か、借りにきたのかな。
子:○■△×……。(ごにょごにょ言っている)
親:ほら、わかんないって言ってるよ。それならもう、借りなくていいね。
子:やだー!!
親:だったら、言えばいいじゃない。あんたが借りたいんでしょう。
大人:もしかして、これを借りに来たのかな。
親:ほら、なんて言うの? ありがとうでしょ。もう、ほんとに、いつもこうなんですよね。言えなかったらもう借りないようにしようかな。
子:……。
(2)「先回りタイプ」
子どもが何か欲しがっているのを察知して、走ってやってくる。
親:すいません! これ、貸してください!
ものを借りて、横からすっと差し出す。
子どもは何が起きたかまったくわかっていない。自然とおもちゃが出てきたくらいに思っている。
(3)「一緒にやろうタイプ」
子どもが何か欲しそうにしている。
親:○○が欲しいの? 一緒に借りに行こう!
大人:どうしたのかな。
子:(もじもじしている)
親:じゃあ、一緒に言おう! ○○貸してください!
大人:どうぞ。
親:貸してもらってうれしいね。ありがとうって言わなきゃ。ありがとうございます。
子:(頭をぺこりと下げる)
親:よく言えたねー!! できたねー!! すごいねー!!
さて、どうでしょうか。どのパターンが、親子がお互いに気持ちよく過ごせると感じましたか? そして子どもが、言葉を発したくなると思いましたか?
親以外の相手に挨拶をするのは、意外と難しいものです。親の支えを受けながら、子どもはいろいろなことができるようになっていきます。
親が喜んでくれたり、ほめてくれたりすることが、子どもにとっては一番の力になります。反対に、親から支えてもらえなかったり、プレッシャーを与えられたりすると、お子さんは言葉を発信することが怖くなってしまうかもしれませんね。
「お子さんが言葉を発信したくなる環境をつくってあげる」のは、ひとつの方法かもしれません。
●ライター/Tomoko(心理カウンセラー)