子どもを「褒めて育てる」よりもっと大事なこと
2013年8月30日 | よみもの子どもを「褒めて育てる」よりもっと大事なこと

【ママからのご相談】
育児の本などに、「子どもは褒めて育てましょう」とよく書いてありますが、難しくないですか? 怒りたくなるときだってあるし、他の子を叩いた我が子に、「言って諭すだけ」というのも、どことなく違うのではないかと思います。
一緒に喜んであげるといいらしいです。
こんにちは、ミクノです。
たしかに、子どもを「褒めるだけ」というのも、どこか違うなと思いますし、そもそも、「褒められたこと」ばかりを子どもがやるわけでもないので、褒めるだけという育児方針には疑問が残りますよね。

なぜ「褒める」ことが「いいこと」なのか?
多くの心理学者が素人向けの本に書いてあることなので、おそらく間違いはないと思うのですが、子どもは親に認められたと感じることで、生きていくうえでの自信を手にするそうです。
子どもは親に褒められたいと思う。だから努力をする。努力の結果を親が褒める。褒められると、「いいことをした」と子どもは感じて、ますます努力をする。
こういうステキなサイクルだけで子が育てば、それに越したことはないのかもしれませんが、現実はこうではないですよね。
「褒める」よりも大事なこと
脳科学的には、子どもは褒めるよりも、「一緒に喜んであげる」といいと言われています。子どもが、自分で遊んだおもちゃを片付けている。これを見た親が、「えらいねえ」と言う。でも、「えらいねえ」と言うよりか、「わ~! お片づけしてるの? ありがとうね」と一緒に喜んであげる。
こうすることで、「褒められるために努力する」という域を超えて、「愛する人に喜んでもらうために努力する」子どもになるそうです。
他人の顔色をうかがう子ども
多くの親御さんがご存知だと思いますが、子どもは他人の顔色をうかがうのが非常に上手です。その理由を、「顔色をうかがっていないと食いっぱぐれるからである」とする心理学者もいます。親に好かれないと、親は育児放棄をする可能性もある。これくらいのことは、子どもは無意識のうちに知っているということでしょう。
顔色をうかがう子どもがそのまま大きくなると、人の顔色をうかがってばかりのつまらない大人になります。
子どものうちから、「褒められるために努力する」ことよりも、「愛する人のために努力をする」ことを覚えさせたほうが、なにかと「いい大人」になるのではないかと思います。
『叱るときは毅然と叱る。褒めるときは、一緒によろこびの感情を子どもと共有する』
これが、いわゆる「褒めて育てる」ことの極意ではないかと思います。
●ライター/ミクノトモ(作家・コラムニスト)