“恐怖の食卓”が子どもに及ぼす悪影響とは?
2013年7月17日 | よみもの“恐怖の食卓”が子どもに及ぼす悪影響とは?

【ママからのご相談】
2歳の子どもが全然食べてくれなくてイライラします。行儀も悪く、言うことを聞かないし。怒って無理やり食べさせようとしても1時間くらいかかります。お菓子ばかり食べるし、本当に困ります。どう躾をすればいいですか?
こんにちは! 小澤あきです!
お子さんの食事関係は、誰もが何かしらの悩みを抱えていそうですよね。「食べない」「じっとしていない」「偏食やお菓子ばかり食べる」などなど……悩みは尽きませんね。
最近では、「食育」なんていう言葉もでてきて、以前にもまして食事に対して真摯に取り組むことが求められているように感じます。それとは反対に、食物アレルギーやジャンクフードは増えていくばかりですから、食事にまつわる躾も難しくなる一方かもしれません。
子育てには正解がないし、「たられば」もありません。食育にも様々な見解があるでしょうから、これが正解というものはないのですが、私の考えている食育について少し書いてみようと思います。

「恐怖の食卓」をご存知ですか?
「手は洗ったの?」「いただきますは言った?」に始まり……
「姿勢が悪い!」
「お箸の持ち方が悪い!」
「肘をつかない!」
「おしゃべりばかりしない!」
「テレビを見ない!」
「三角食べしなさい!」
「口を閉じて食べなさい!」
「好き嫌いしない!」
「残さない!」
などなど、ひたすらマイナスな言葉が飛び交い、子どもは親の顔色ばかり伺わなくてはならず、食事を楽しむことができない。
そんな食卓を、「恐怖の食卓」と呼ぶのだそうです。
最初は離乳食を親に与えてもらえますが、スプーンを覚えお箸を覚え、ストローやコップ飲みを覚え、こぼさず食べることを覚え、好き嫌いせず残さず食べることを覚え……自分で食べられるようになった途端、習得しなければならないことがたくさんありますね。子ども目線で考えれば、とってもたいへんなことです。
そんなタイミングで、矢継ぎ早に親からダメ出しをされ続けるとどうなるでしょう?
恐怖の食卓で育った子どもは、食事中に食事のことなんて考えていませんよね? 考えているのは親の顔色を伺うこと、怒られない振る舞いのことだけです。
おいしいかどうかなんて考える余地がありませんから、食事の時間はいつしかストレスに変わり、いつしか食事そのものに興味を失う。
こうして成長した思春期の子どもたちは、拒食や過食、過食嘔吐などの摂食障害を患うことが多いそうです。摂食障害は主に母親との関係に原因があるとされるのも、このような背景があるからでしょうか。
もちろん、恐怖の食卓が及ぼす影響は食事に限ったことではなく、幸せな食卓を描けないことから、幸せな家庭作りにも影響するのだとか……
私自身、とある本の記述でこのような話を知ったのですが、とても考えさせられました。
そこで、まずは「おいしい!」という気持ちや、感謝の気持ち、共に食卓を囲みそれを分かち合う喜びを知ってもらおう! と、私は思いました。
もちろん、度が過ぎない程度に注意もしますし、お菓子はなるべく家には常備しないようにして「特別なもの」と思わせていますが、細かいことを徹底するのは味覚の発達に合わせつつ、長い目で見てもいいのかな、と。あとは親が模範を示すように努める!
もちろん、お料理そのものを子どもの喜びそうな見た目にしてあげてもいいし、苦手なお野菜は自宅で育てて収穫させてみるのもいいですよね。
大丈夫! なかなかうまくいかない時期もあるけれど、いつか必ず上手に食べられるようになりますし、一生懸命お料理をするその背中を見せているだけでもきっと、立派な食育になっていると思いますよ!
●ライター/小澤あき(読者モデル、ライフオーガナイザー2級)