怒ると「ママが怖い」と言ってパパに抱きつく子どもは、将来どんな大人になる?
2013年6月15日 | よみもの怒ると「ママが怖い」と言ってパパに抱きつく子どもは、将来どんな大人になる?

【ママからのご相談】
うちの子どもに、私が、「はやく宿題を終わらせなさい」とか、「勉強もできないで、どうするの!」と怒鳴ると、子どもはすぐにパパのところに行き、パパに抱きついて、「ママこわい」と言います。夫も夫で、「そうかそうか」と言うだけで何もしてくれません。こういう場合はどうすればいいのでしょうか?
このままでいいのではないか? というのがお答えです。
こんにちは、ミクノです。
絵が浮かぶようなご質問の文章ですね。お子さんは小学校の低学年から中学年くらいのお年頃でしょうか。
何人かの専門家さんのご意見を紹介しつつ、お答えしましょう。

子どもは親以上にオトナである
ある心理学者さんは、「子どもは親以上にオトナである」と言っています。子どもは敏感に、親がじぶんに何を要望しているかを感じ取ります。
たとえば、ご質問の文章から察すると、奥さんは子どもに、「勉強ができる子になりなさい」と言っているわけですから、子どもはすでに100%、勉強ができる子にならないといけないと思っています。
ここから、2パターンの子どもの反応が出てくるようです。
(1)勉強ができないじぶんを責めながら生きる子ども
(2)できないことを認め、「勉強しろ」と言わないオトナ(つまりこの場合だと旦那さんですよね)に甘える
(1)のパターンで年月がすぎれば、子どもはそのうちカンニングをしてでも、親の期待に応えようとします。すごくストレスのかかった思春期を迎えるということが、容易に想像できるでしょう。
(2)のパターンは、そのうち、じぶんに向いていることを探す子のほうが多いようです。これは、「甘える対象がいる」からとのことです。
つまり、「ガス抜きとしての父親」の存在が、すくすくとまっすぐに娘さんを育んでいるということです。
このままでいいのでは?
「ちびまる子ちゃん」を見ていると、まる子が母親に怒られたあと、友蔵のもとに行って、「失礼しちゃうわね」とかなんとか愚痴をこぼしているシーンが出てきますが、あれこそが「ガス抜き」であり、ガス抜きが子どもを健全に育てるということでしょう。
これが、父親がいなくて、あなたが「勉強勉強」と言って、お子さんの逃げ場もなく子どもがしゅんとしていたら、今後が思いやられますよね。親の期待に100%応えるような生き方になってしまった子どもがどうなるのかについて、専門家は
「痴漢、万引き、暴力、引きこもりなどあらゆることが起こり得る」
と、述べています。
オトナだって、人の期待にばかり応え続けていたら、いろいろと精神を病んできますからね。
というわけで、毎日ガミガミ言っている奥さんと、鷹揚な夫という、この構図のままでいいのではないでしょうか? というのが今回のお答えです。
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●ライター/ミクノトモ(作家・コラムニスト)