“PTA会長”という仕事・役職のホントのトコ
2013年5月28日 | よみもの“PTA会長”という仕事・役職のホントのトコ

【パパからのご相談】
小学校3年生の息子を持つ父親です。子育ては嫌いではなくて、もともと学校行事にはよく参加していたのですが、先日、息子の同級生のママさんで、今PTAの役員をしている人から、来年PTA会長をお願いできないか? と打診されました。正直、面倒なイメージがあるしどうなのかな~と思っています。受けた方がいいのでしょうか?
「PTA会長」というもののイメージが悪すぎる
はじめまして! 兼業主夫放送作家の杉山錠士です。そして、今年4月から長女が通っている小学校のPTA会長をしています。
PTA会長を打診されたそうですが……迷いますよね~。その気持ちはわかります。だって、今の親世代が見ていた学園モノのドラマでPTA会長が出てくる時は、大抵「悪者」扱いだったわけで。おかげで僕らにとってPTA会長というもののイメージが悪いったりゃありゃしない(笑)。そうなると、やる内容以前に、「やりたくない」と思ってしまいますよね。

僕も昔はそう思っていましたが、イメージが変わったのでやることにしました。参考になるかはわかりませんが、僕の体験談をお伝えします。
PTA会長は権力者?
勝手なイメージだと、PTA会長というと教育熱心なおばさまで、自分の子どものことがかわいくて仕方ない。だからその子にマイナスなことが起こると、取り巻きを連れて校長室に怒鳴りこむ……みたいに思っている人がいるかもしれませんが、もちろんそんなことしたことありません(笑)。
そもそも、PTA会長ごときに学校の方針などを変える力などありません。だって、PTAはあくまで学校のサポートとして子どもたちのために働くもの。昔はどうか知りませんが、今、僕の周りの会長でそんなことをする人はいません。
極端に言うと、みんな自分の子供よりも学校のことを考えていると思います。そういう人たちに出会ったことで、まず僕のイメージが変わりました。
PTA会長は堅い?
「PTA会長はお堅い」、そんなイメージもあるかもしれません。でも……僕が会長を務めている地域には、会長だけで集まる会長会のようなものがあるのですが、「お堅い」イメージの人はほとんどいません。むしろ、「くだけた」イメージの人の方が多いです。そのせいか、真面目な会議ももちろんしますが、その後の「懇親会」という名の飲み会は出席率も高いし、えらく盛り上がります。
みんなメリハリをつけるのが上手なんだと思います。真面目な会議の時は、本当に真剣な表情で熱くなりますから。ただ、一般的な保護者と会うときは学校の公式行事がほとんどなので、堅くならざるを得なくて、その部分だけをみていると堅いイメージがつくのかなと思います。たまにちょっと羽目を外しすぎかな? という人もいますが(苦笑)。
PTA会長の子どもは嫌な奴?
これは……周りが感じることなので、正直自分では何とも言えないところ(汗)。確かにうちの長女にはわがままな部分もあるし、よくケンカしてくるし。
ただ、僕はPTA会長をやることで娘に伝えたいことがあったのです。「言いたいことがあるなら陰で言ってはいけない。言うならやってみよう」ということです。
よく子どもには、「陰口をたたくな」というくせに、学校行事などの企画に対して、「あれは面白くなかった」とか、「面倒くさい」とか陰でこそこそ言っている人がいます。個人的な意見として、それってとってもかっこ悪いことだと思うんです。
自分の娘にはそうなってもらいたくない、だから僕は言いたいことややりたいことがあるなら、自分で前に出て責任を取ろうと思ったんです。実際にそうすることで、娘がちゃんと陰口をたたかない子になるかはこれからわかっていくことでしょうが、陰口が嫌いな子になっていることは間違いありません。
それに昔のドラマでよく描かれていたのは、PTA会長の子どもが何かされて、「ママにいいつけてやる!」みたいなことだったと思いますが、僕はそう簡単に子どもたちの喧嘩に口を出すような馬鹿なことはしないようにしています。この辺もどうやらイメージと違うと感じるんです。
これを聞いて、相談者さんがPTA会長を引き受けるかどうかは別として、僕らが育った頃と今では当然時代が違います。そして学校の数だけ個性があるように、それぞれの会長にも個性があります。
イメージというのは当然固定されがちなものですが、実際はちょっと違うということを少しでもわかってもらえたらと。やってみたら意外と楽しいかもしれませんよ。
というか、僕はPTA会長というものを楽しんでいます。結局は自分次第かもしれませんね。
●ライター/杉山錠士(兼業主夫放送作家)