母親のことを名前で呼ぶ子どもって、将来どうなる?
2013年4月23日 | よみもの母親のことを名前で呼ぶ子どもって、将来どうなる?

【パパからのご相談】
子ども(6歳)が、妻のことを下の名前で呼びます。妻は真里子といいますが、子どもが妻を「まりちゃん」と呼び、妻もそれをうれしく感じているようで、直そうとしません。こんなことでいいのでしょうか?
子どもが、親を尊重すべきだと気づけばいいでしょう。
こんにちは。ミクノです。
いやあ、賢い子にはならないでしょうね。奥様は、子どもと友だちのような関係でいることが楽しいとか、何歳になっても友だちのような関係でいたいとか、そういうふうに思っておられるのかもしれませんが……。

誰のおかげで飯が食えているのか?
テレビCMで、「誰のおかげでおいしい肉が食えているんだ」と、父親が怒鳴るCMがあります。「西友じゃね?」と娘が言うというのがオチですが、古い古い時代の父親像をCMプランナーが引っ張り出してきているかのように見えて、このCMは普遍的な家族のありかたを如実に示しているとぼくは思います。
親は子どもに飯を食わす。これは当たり前のことです。子どもは経済的に不自由です。社会的にも不自由です。だから親が飯を食わせる。その代わり、時間的な自由は子どもにはない。遅刻、欠席という名のもとで、徹底的に管理される。
よって、本来は親子が「友だち」関係であるはずがないのです。名前で呼ばすべきではない。こういう結論が1つ出てきます。
親と子は「ひとつの人格として」接するべきでしょう
まあ100歩譲って、友だち関係的な親子関係でもいいとしましょうか。他人の家庭のことをあれこれとよそ様が規定するのは、品のないことなので、ちょっと譲ってみましょう。
友だち的な親子関係でもいいとした場合、そこで大事なことは、親は子どもに尊敬されようとしないことでしょう。尊敬は上下関係を生むので、尊敬されようとしないことです。
子どもは親と「ひとつの人格」として接することが大事でしょう。つまり、親子双方に、「ひとつの人格として」尊重しあいながら接する気持ちがあれば、親のことを名前で呼ぶなんて、べつにどうでもいいことに思えます。
が、それでも子どもは成人するまで不自由な生きものですから、誰かが庇護してやらなくてはなりません。そして、そのことを素直に「ありがとう」と思える子どもに育てる必要があります。ですよね? であれば、子どもは親をどう呼ぶべきか? 答えは明々白々だと思います。
100歩譲った回答をするなら、子どもが、「母親のことを“まりちゃん”と呼んでいたら、まずいべ」とみずから思い直す時期がやってくれば、子育て成功と言えるのではないでしょうか?
●ライター/ミクノトモ(作家・コラムニスト)