妊娠中の風邪、薬を飲んでも大丈夫?安全な薬の選び方と初期症状の風邪対策
2019年9月12日 | よみもの妊娠中の風邪、薬を飲んでも大丈夫?安全な薬の選び方と初期症状の風邪対策

激しい寒暖差で体調を崩しやすい今の季節、気を付けているつもりでも体に違和感を覚えることはありますよね。とくに妊婦さんは抵抗力が弱まっているため、風邪をひきやすくなっています。
妊娠前であれば市販の風邪薬で様子をみていた程度の症状でも、薬による赤ちゃんへの影響を考えると心配で飲めず、でも、「病院へ行くほどじゃないし」と我慢してしまう妊婦さんも少なくない様子。しかし、お母さんの体調が良くないとおなかの赤ちゃんへの影響だって心配です。
そこで、妊娠中でも正しい服用ができるよう、薬と赤ちゃんの関係について知っておきましょう。
妊娠中に飲めない薬がある理由と、安全な市販薬の選び方
熱を下げたり痛みを和らげたりとつらい症状を軽くしてくれる薬ですが、薬の成分や副作用によっては、流産や赤ちゃんの奇形などを引き起こすことがあります。
そのため、少しでも風邪の予兆を感じたら、はやめにかかりつけの産婦人科へ行って薬を処方してもらうのがいちばん。とはいえ、どうしても市販の薬で対処したいときには、次の点に注意して薬を選びましょう。
妊娠禁忌薬は避ける
妊娠禁忌薬とは、妊娠中に服用すると何らかの影響がある可能性が高いとして、製薬会社によって妊婦さんの服用が禁止されている薬です。鎮痛剤に含まれるアスピリンや、湿布などに用いられるインドメタシンなども該当します。
ただ、一度でも服用したら必ず影響が出るというわけではなく、また、服用した時期や期間、量などによっても影響度合いは変わってきます。妊娠に気づかず飲んでしまった場合なども慌てずに、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
市販薬は第二種医薬品を選ぶ
薬局などで手に入る薬は病院で処方されるものより効果が弱くなっています。なかでも、薬剤師か登録販売者が常駐している店舗であれば薬剤師が不在でも購入できる「第二種医薬品」は、正しく服用すればほとんど副作用の心配がないとされています。ただし、赤ちゃんの器官や体が形成される妊娠初期の服用はくれぐれも慎重に。
いちばんは店舗の薬剤師さんに妊娠と症状を告げて薬を選んでもらうことですが、それができないときの目安にしてみてください。なお、ハーブや漢方薬であれば安心と感じる方も多いようですが、なかには子宮の収縮を促すものもあるので、専門医に相談するか、効能をよく理解してから使用するようにしましょう。
こんなときはムリをしないで!
万一のことを考えると、やっぱり薬は飲まないほうがいいのかな? と思いがちですが、なかには薬を飲んだほうがいいときもあります。
高熱が続いているとき
お母さんの体温が上がることで羊水の温度も上がり、赤ちゃんの心拍数も上がってしまいます。また、感染症などによる発熱であれば、ウィルスや細菌が赤ちゃんへ移行する心配もあります。
咳が続いているとき
咳をするとおなかに圧力がかかるため、頻繁に咳をしていると張りやすくなって、流産を招くことがあります。喘息がある場合は、発作などで赤ちゃんに十分な酸素が回らなくなるということもあります。
下痢や便秘が続いているとき
腸の働きによって子宮が刺激され、収縮や張りを引き起こすことがあります。また、お母さんの食欲が減退したり、食べ物を口にできなかったりして、赤ちゃんに必要な栄養が十分に摂れないこともあります。
持病がある人
薬の服用を止めたことで持病の症状が悪化してしまった場合、その治療でかえってたくさんの薬が必要になってしまうこともあります。
症状が軽い場合は、薬を飲まず安静にして様子をみても平気なものもありますが、つらさを伴ったり症状が3日以上続いたりする場合はかかりつけ医を受診して、妊娠中でも安心して飲める薬を処方してもらいましょう。
薬に頼らないために。初期症状の風邪対策
妊娠中は抵抗力や免疫力が下がっているため、一度風邪をひいてしまうと長引きやすいもの。そのため、「そのうち治るだろう」と放置せず、初期のうちにしっかり対策をして早めに治すよう心がけましょう。とはいえ、妊娠中だからといって特別な対処法があるわけではなく、一般的な対策と同じで大丈夫。ただ、妊娠中はつわりで思うように食べられないということもあるので、体調に合わせた工夫も必要です。
- ・手洗いうがいを徹底する。外出するときはマスクを忘れずに
- ・ビタミンCを摂取する
- ・体を冷やさない。ショウガなど体を芯から温める食材を用いた食事もおすすめ
- ・栄養と水分をしっかり摂る。食欲がないときは少量ずつ小分けに摂取して
- ・安静にして過ごす
また、規則正しい生活リズムを身に着けてしっかり睡眠をとったり、体力づくりをしたりと、健康なうちから風邪予防をしておくことも大切です。
最後に
妊娠中はちょっとした体の変化も気になるもの。そこへ薬の影響などの心配がつきまとうと、気持ちまで滅入ってしまいます。不安になりながら過ごすことのないよう、初期の症状であっても病院を受診して、風邪も不安も吹き飛ばすのがいちばんかもしれません。