乳首の痛み・かゆみ・皮膚炎はなぜ起こる?皮膚科医に聞いた「乳首の肌トラブル」の原因と対処法
2019年8月13日 | よみもの乳首の痛み・かゆみ・皮膚炎はなぜ起こる?皮膚科医に聞いた「乳首の肌トラブル」の原因と対処法

乳首にカサカサ、じゅくじゅくした赤み、痛み、かゆみ…などのトラブルが発生したら、どう対処したら良いのでしょうか。
乳首に起こるトラブルの原因と対処法を、All About「スキンケア」ガイドで渋谷スキンクリニック院長の吉田貴子先生にうかがいました。
「乳首の皮膚炎」は女性特有!?
吉田先生のクリニックには、“乳首のトラブル”の悩みを抱えて来院する人が多く、そのほとんどが女性。痛みやかゆみを伴う乳首のカサカサやじゅくじゅくは、女性特有の皮膚炎といえそうです。
乳首の皮膚炎の主な原因
- ・アレルギー体質
- ・女性ホルモンの影響
- ・ブラジャーや服と擦れるなど、物理的な摩擦
乳首の皮膚炎の主な原因は「アレルギー」。アレルギー体質の人は、乳首の皮膚にもトラブルを起こしやすいのだそうです。また、悩みを抱えて皮膚科を受診する人のほとんどが女性であることや、生理前にトラブルを起こす人が多いことから、「女性ホルモン」のバランスも1つの要因として考えられます。下着や服との摩擦によって、皮膚に炎症が起き、掻くという刺激が加わり悪化するケースも。
「掻くこと」は絶対ダメ!掻きむしると…
乳首の炎症にかゆみが伴うと、気になって触りたくなってしまいますよね。ですが、そこはぐっと我慢。何度も掻いてしまった結果、掻き壊すと次のようなトラブルを招きやすくなります。
- ・皮膚が剥がれる(カサカサする)
- ・浸出液が出る(じゅくじゅくする)
- ・ごわつき(皮膚炎を繰り返すことで、皮膚が硬くなる)
- ・黒ずみ(皮膚炎を繰り返すことで、皮膚が変色する)
- ・痛みやかゆみが治まらなくなったり、定期的に繰り返す
ヒリヒリやかゆみなど“いつもと異なる感覚”が続く場合や、皮膚が剥がれる、浸出液が出るなどの見た目の変化が起こった場合の応急処置として次のようなケアをしつつ、掻き壊さないようにして専門医に相談しましょう。
乳首が炎症した場合の応急処置
- * できるだけ触らず、何もつけない
- * 乳首と下着との間にサランラップをはさみ、くっつかないようにする
炎症が起こっている場合にティッシュやガーゼ、下着などに触れると、擦れたりくっついたりして悪化する恐れがあります。そのような時には「ワセリン」を塗って、くっつかないようにするのも1つの方法です。
予防には「保湿」を
乳首の皮膚炎は、体質や生理周期によって繰り返すケースも多いため、症状が改善してからも日々のケアが大切です。そして、皮膚炎に大切なのはなにより「保湿」! 皮膚科を受診して保湿剤を処方されている場合は、保湿ケアを怠らないようにしましょう。炎症がない場合は、身体の乾燥対策の一環として、ボディクリームやオイルなどを塗ってもOKです。
最後に
乳首ケアのポイントは、「保湿」と「刺激を与えないこと」。女性ホルモンバランスが変化する生理前などは、特に注意が必要です。デリケートな部分だからこそ、“正しいケア”をおこなって、乳首を健康的で綺麗な状態に整えたいですね。
【取材協力】
All About「スキンケア」ガイド 吉田貴子(よしだたかこ)さん
皮膚科・美容皮膚科医。渋谷スキンクリニック院長。一般皮膚科と美容皮膚科の両方を開設し、男女問わずあらゆる肌の悩みに向き合う。なかでもニキビ治療を得意とし、しつこいニキビや深刻なニキビ痕をケア。保険診療の他、自費治療での美容皮膚科診療、メディカルエステを組み合わせ、ニキビケアに取り組んでいる。近年では、鍼灸治療、加圧トレーニング、美容婦人科、禁煙外来も導入。肌の悩みだけではなく美と健康を多方面からサポートしている。