ピルで妊娠率アップ!?妊娠しやすい身体を作るピルの効果とは
2019年8月9日 | よみものピルで妊娠率アップ!?妊娠しやすい身体を作るピルの効果とは

避妊や生理不順の改善として服用されることが多い経口避妊薬「ピル」。妊娠を希望する女性とは縁遠いイメージですが、実は妊娠に有効な薬として妊活中の女性にも用いられているそうです。
避妊に高い効果を期待できる薬で妊娠を目指す。矛盾したようにも聞こえる「妊活」と「ピル」の関係についてお話しします。
ピルの成分と効果は?
女性の体の中では、妊娠に向けて毎月1回卵巣から卵子が排出されます。また、子宮の内側には子宮内膜といわれる血液のクッションが作られ、着床しないと体の外へ排出されます。これが生理です。
この一連の働きには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが関係していて、それぞれの分泌量によって排卵や月経をコントロールしています。
ピルには女性ホルモンと同じ成分が含まれており、生理周期に合わせて28日周期で毎日服用することでエストロゲンとプロゲステロンの分泌量を一定にし、妊娠しているときと同じホルモンバランスを保つ働きをします。そのため、子宮内は“疑似妊娠”の状態。すると、以下のような効果を得られます。
- ・排卵が休止する
- ・子宮内膜を厚くしない
- ・受精卵が子宮内膜に着床しにくくなる
- ・子宮頸管から分泌される粘液の濃度が変化し、精子が通り抜けにくくなる
ピルで妊娠に備えた身体づくり
子宮内が妊娠中と同じ状態になることで、避妊率が高まったり、子宮内膜が減少して生理痛の緩和や子宮内膜症の予防ができたりと、女性にとって嬉しい効果を得られるピル。でも、妊娠を望む女性にとっては逆効果に見受けられますよね。
確かにピルの服用中は排卵そのものがされないため、妊娠は望めません。しかし、妊娠に備えた身体づくりに役立つ次のような効果があります。
卵巣の働きを休め、老化スピードを和らげる
初潮を迎えると毎月1回卵巣から卵子を排出するようになります。妊娠に至らなければ、閉経までの数十年ものあいだ休みなく排卵を繰り返すことになり、卵巣はおのずと疲弊してしまいます。
ピルで排卵を抑制すると卵巣の働きが休まるので、老化スピードを和らげることができます。
※ 卵巣の老化スピードは遅くなりますが、卵子自体の退化を遅らせるわけではないので注意
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ホルモンバランスが整う
妊娠に密接な関係がある女性ホルモン。ホルモンバランスが乱れると妊娠しづらくなるだけでなく、さまざまな婦人科系の病気を引き起こすこともあります。
ピルを服用してホルモンバランスが整うと子宮環境が良くなり、不妊の原因になる病気の予防ができます。
ピルを止めていよいよ妊活!
ピルで子宮環境を整え、妊娠しやすくなる準備をする。それが、ピルと妊活の本来の関係。
ピルは妊娠を希望するタイミングでいつでもやめることができます。服用をやめると排卵が促されるので、最初の排卵と性交のタイミングが合い、着床しづらいなど不妊につながる原因がなければ、最短で1ヶ月以内に妊娠することも可能です。排卵の様子をみるためにも、基礎体温をつけておくといいでしょう。
ただ、ピルをやめて2ヶ月以上たっても生理が来ないようであれば、婦人科を受診して検査を受けてくださいね。 また、赤ちゃんへの影響を心配する声もよく耳にしますが、体内で分泌される女性ホルモンが原料なので、妊娠や赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともありません。
ピルの正しい知識を身につけ、上手に活用して赤ちゃんを迎え入れる準備をしましょう。