子どものおねしょどうすれば…? 家族ができるケア方法
2018年7月7日 | よみもの子どものおねしょどうすれば…? 家族ができるケア方法

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
乳幼児期の子どもは、おねしょをしてしまいます。赤ちゃんであれば叱ることはないでしょう。しかし、幼児期になってきますと、子どもを叱ってしまうことがあるのではないでしょうか。
おねしょの原因とケア方法を知れば、親子共にラクになり、負担が減らすことができます。

体験談:失敗したおねしょケア
失敗1.夜中に起こす
著者の娘(当時4歳)は、トイレトレーニングを終え、日中はトイレで用を足すことができていました。ただ、夜だけは「おねしょパンツ」が必要でどうしても手放せませんでした。それに、夜中に1度トイレに連れて行くことが日課でした。
失敗2.怒る
その年の夏休み、旅行へ行くことになり、おねしょパンツを携えて出かけました。
いつもの通り、夜中にトイレに起こし連れて行ったのですが、朝起きてみると、おねしょパンツから漏れてしまっていました。水たまりになっていたのです。
旅館のお布団でしたので、クリーニング代を別途支払い、旅館側には平謝りでした。
娘には、「おトイレに行きたくなったら起こしてって言ったでしょ!」と叱るというか、この時ばかりは、怒ってしまったと記憶しています。
おねしょをしたら、叱ってはいけないとわかっていました。ケアの仕方としては最低です。でも、旅館側に迷惑をかけたことと、「トイレに連れて行ったのに!」という気持ちでいっぱいでした。
それから数週間は、夜の失敗が続いてしまいました。
おねしょをしてしまう理由
「おねしょ」と聞くと、「夜尿症のこと?」と考えてしまう方もいるでしょう。
おねしょと夜尿症は、『睡眠中に尿を漏らしてしまう』という共通項があります。ですが、この2つには違いがあります。
・おねしょ
幼児期に、夜寝ている間にもらしてしまう
・夜尿症
5歳を過ぎて週2回以上の頻度で、少なくとも3ヶ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁を認めるもの。(夜尿症に関しては、DSM-Ⅳ(米国精神医学学会)の定義を記載いたしました。)
そして夜、おしっこを漏らしてしまう原因は、2つあります。
・膀胱型
膀胱が小さいため、尿を溜められる量が少ない。
・多尿型
夜間の尿量が多すぎるために出てしまう。
生まれた時からずっとおねしょが続いている場合、一次性夜尿といいます。これはある程度の年齢になると治ります。
いったん、おねしょが治まったのに、再度始まってしまうものを二次性夜尿といいます。夜尿症として心配されるのは、二次性夜尿の方です。
なぜなら、心理的な要因(下の子が生まれて赤ちゃん返りなど)の他に、他の病気が隠れていることがあると言われているからです。
たとえば、糖尿病や脳腫瘍(抗利尿ホルモンの欠乏)などが挙げられます。そのため、一度おねしょが治まったのに、年齢が上がってまた始まったという場合は、受診することをおすすめします。
おねしょをしてしまう子どもへのケア
おねしょをすれば、寝具類が汚れてしまいます。
それに「昼間はトイレに行けるのになぜ?」などの思いもあり、つい叱ってしまうこともあるでしょう。頭ではわかっていても、難しいところもありますよね。
おねしょをしてしまう子にできるケア方法があります。
【おねしょケア】
・睡眠前の水分制限
夜寝る時間前に飲ませすぎないことです。
・起こさない
利尿ホルモンの分泌の妨げになります。
・怒らない
怒られることでストレスを抱え込んでしまい、自分を責めすぎてしまうことがあります。
・気にしない
親が「そのうち治る」と大きな気持ちを持つことです。
子どもは悪いことをしてしまったと十分にわかっています。
ただ、わかっていても親側がストレスと感じてしまうこともあります。そのために、少しでも負担を軽減させる方法を取りましょう。
おねしょ後の負担軽減させる方法
多くの場合、お母さんがおねしょの後始末をされていることでしょう。毎回大変です。尿はニオイがしますから、他の洗濯物と一緒に洗濯ができませんし、布団を干さなければいけないことも重労働です。
こうした負担を少しでも軽減させる為にできることを挙げてみました。
・おねしょマット(防水シート)を使う。
・飲み物だけでなく、水分が多く含まれているもの(果物など)の摂取を控える。
・寝る前に必ずトイレにつれて行く。
・枕元にバスタオルや着替えを出しておく。
・パジャマは色の濃いものを使う。(色が薄いと、視覚的に尿の色が目立ってストレスに感じてしまうため)
・おねしょしたことを子どもから言えたらほめる。(無理にでもほめて心の負担を軽くする)
こうすることで、肉体的・精神的負担を少しでも軽くすることができます。
現在おねしょ真っ只中というお子さんがいる方にとっては、イライラと不安を感じてしまいますよね。
子どものおねしょは、大人になるまでに治るものです。だから、「長い人生の中で今だけのことだ」と考えるようにしてみてはどうでしょうか。
【参考書籍】
子どもの病気がよくわかる本
著:大澤真木子
●ライター/桜井 涼
●モデル/貴子