パパは結局ママの気持ちは分からない!?パパが『あたしおかあさんだから』から感じたこと

こんにちは。

エッセイストの鈴木かつよしです。

人気絵本作家の、のぶみさんが作詞し”うたのおにいさん”の横山だいすけさんが歌って炎上し、結局お蔵入りになりそうな幻の楽曲『あたしおかあさんだから』。

多くのママや女性のみなさんが、「母親に我慢と自己犠牲を強制している」「ワンオペ育児の賛美」「子どものいない女性を差別している」といったネガティブな印象を受け、世に出ることさえ許されませんでした。

ところで、筆者は「このうたの歌詞を、パパ(もしくは”男性”)たちはどう感じたのだろうか」という素朴な関心が湧いたため、身近にいるパパや、男性たちに意見を聞いてみました。

「批判派」「擁護派」「どうでもいい派」に分けて、ご意見の数々を紹介させていただこうと思います。

「批判派」のご意見~妻にこのような犠牲的精神を持ってほしいとは思わない~

「子どもができたからといって、妻にネイルをやめろとか、ライブに行くのを我慢しろとか全然思わないし、見くびらないでほしい」(30代パパ・メーカー勤務)

「”子育ては母親がするもの”といった戦前のような価値観に支配されている感じがして、気分が悪かった」(40代パパ・自営業)

「おかあさんになった経験のない女性に本当の幸せは分からない的な印象を与えるとしたら、よくないのではないか」(40代既婚・通信関係)

「2歳の男の子がいて、妻もこの詞のように大変だが、彼女はそんな現状を”良し”とは考えていないように思う」(20代パパ・システムエンジニア)

このように「批判派」の男性たちのご意見は、主に批判派の女性たちのご意見と趣旨を同じくする内容のものが多かったように思います。

それでは次に、「擁護派」のご意見をみてみましょう。

「擁護派」のご意見 ~喜びの”質”をうたった歌として素直に共感できる~

「このうたの”おかあさん”は禁欲的な生活を肯定しているのではなく、子育てに伴う喜びの”質”の高さを歌っているのだと思う」(30代パパ・医師)

「妻が病気がちだったため、2人の子供の育児に直接かかわってきたが、”大変だが幸せ”という感覚には素直に共感できる」(50代パパ・自由業)

「役割分担として自分は外で働き、家での育児を妻に任せているが、”いつもお疲れ様”的な感謝のうたなんじゃないかな」(40代パパ・商社勤務)

「擁護派」の男性たちのご意見の中に、相当程度の子育て体験を持つ男性のものがあり目を引きました。

擁護派のみなさんは共通して”子育てに伴う喜びの質の高さ”を「わるいものではない」と感じているようにみえます。

ただそれも、批判派のみなさんからすれば「育児ごっこにすぎない」と映ってしまうのかもしれません。

「どうでもいい派」のご意見~子どもがもてるだけで十分幸せじゃないか!~

「こんなうたが炎上しようが、自粛になろうがどうでもいい。非正規雇用の自分には子どもをもつどころか結婚する望みさえ持てない」(30代・百貨店契約社員)

「ネットに批判コメントを書く人って、批判する相手を間違ってる。このうたの制作スタッフを批判するより、お金がないと結婚もできない社会を作った政治家を批判すべき」(20代・サービス業派遣社員)

たしかに、経済的に結婚することも、子どもをもつことも考えにくくなってしまった”働き方の層”にあるみなさんからすると、「子育てという素晴らしいことに携われるだけで十分に幸せなのではありませんか?」と言いたくなるというのも、分かる気がします。

筆者のように還暦目前の年齢の者ですと、自分自身の可能性という面では、一定程度の限界が見えていますので、子育てという仕事には自分のことなど放っておいてでも優先すべき価値を感じます。

でもそれは、もう何年か待てば、年金が貰える世代のお気楽な感覚だということも、分かっているつもりです。

20代・30代・40代のバリバリ世代のみなさんが、置かれた立場によって『あたしおかあさんだから』の歌詞に全く違った感想をお持ちになることは、仕方がないことなのかもしれません。

●参考リンク  『毎日ママは精一杯!ママが感じた「あたしおかあさんだから」が炎上したわけ』前嶋志保(パピマミ)
(https://papimami.jp/117618/)

ライター紹介

鈴木かつよし

鈴木かつよし

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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