【医師監修】子供のでべその治療法

多くの方が、我が子のでべそを心配に思っています。

それなのに、「定期検診などで訪ねにくい」という声が多く聞かれます。

そこで、でべそに関する心配事を抱えている方に正確な情報をお届けできればと考えました。

今回も小児科・内科医の沼田知明先生にお話しを伺ってきました。

沼田先生は、青森県内で唯一、人口が伸びている六戸町で沼田医院の医院長をされています。

また、長年にわたって乳幼児検診に携わっておられます。そして、町の学校保健会長として多くの子ども達のために活動されている先生です。

でべそとは?

でべそとは、へそが出ていることを指します。

でも、ハッキリとした目安を知る人は少ないと思ったので、そのあたりから話していただきました。

「広い意味では、少しでも出ていればでべそとなります。程度は個人差があります。奇形や病気というところでは、『臍帯(さいたい)ヘルニア』がそれにあたります。一般にいうでべそは臍ヘルニアにあたります。」

・臍帯ヘルニア:胎児の時から腸が出てきてしまっている状態。早急に治療が必要。

・臍(へそ)ヘルニア:一部の筋肉がちゃんと閉じていないために出てきてしまう状態。いわゆるでべそ。

5人から10人くらいに1人くらいの割合でいるので、意外と多いです。

でべそになる原因

では、なぜへそが出てきてしまうのでしょうか。

「そもそも、へそは赤ちゃんとお母さんの胎盤とを繋げていたへその緒に血が通わなくなると、不要になったへその緒の接合部が収縮して、へそができ上がります。」

「へそのあたりには腹壁(ふくへき)という筋肉があります。その筋肉の形成が弱いと、生まれた時にへその緒(臍帯)が取れて穴が開いた状態になった部分がうまく閉じることができず、へそが出てきてしまうのです。

「生後2~3ヶ月の発達状況でへその状態は決まってきます。そのため、検診でへそが出ている場合は、小児科医から声をかけることもあるでしょう。私の場合は、2~3センチくらい出ていると親御さんに声をかけるようにしています。明らかに病気が疑われる場合は、その旨を話します。」

でべその7~8割は自然治癒の可能性が高い

沼田先生の話では、定期検診ででべそを発見しても、1歳くらいまでは経過観察で大丈夫とのことでした。

「へそが2~3センチくらい出ている場合、腹筋、筋膜の発達に伴い、1歳くらいまでには7~8割は自然に治る可能性があります。そのため、経過観察でも大丈夫です。」

親としては、「経過観察」という言葉を聞くと不安になることが多いですよね。

早期に治療しなくて大丈夫なのか、大人になっても、見た目が変わらないままになってしまわないかなど。

そのような場合はどうすればよいか聞いてみました。

「定期検診や予防接種などで受診することがあると思いますので、そのたびに医師に聞いてみるといいでしょう。そうすれば、へその状態を医師も診ることができますからね。見栄えや形などが悪い場合は、治療を勧めることもあります。」

生後3ヶ月後くらいまでは、元気になく時にお腹に力が入るため、腹圧により押し出されていく事があるようです。

押し出されていくだけでなく、直径が徐々に大きくなるということもあるようです。

でべそはどのような治療方法になるか

でべそも治療することができるというお話しがありました。どのような科でどんな治療をするのでしょう。

「治療は、小児科(小児外科)で行います。状態にもよりますが多くは『スポンジ圧迫療法』という保存療法を行います。へそのくぼみに合わせたスポンジを入れ、水が入ったりしないテープを貼り、臍部を圧迫するという方法です。スポンジを固定し、徐々に圧力をかけて、治癒する方法ですね、何回かは3~4日に1度の受診をします。1~2ヶ月くらいでだいたい良くなりますよ。まれに、手術が必要な人もいますが、その際は大きな病院で半日か1~2泊の入院で済むのではないでしょうか。」

見栄えや形が理由で治療をする場合、『自由診療』という言葉が浮かびます。

高額な医療費がかかる印象がありますよね。その辺も教えていただきました。

「でべその治療は、保険が適用になります。ですから3割負担です。たとえ手術になった場合でも5~10万円ほどではないでしょうか。でも、保険適用になりますのでね。」

沼田先生からこれだけは気をつけてほしいというお話しがありました。

「最近は減っていますが、コインをへそに入れてテープを貼るという民間療法がありました。スポンジ圧迫療法を聞いて、自宅で似たようなことをしますと、臍部に雑菌などが入って、かぶれなどの炎症を起こしてしまう可能性があります。処置をしたいと思うのであれば、受診をおすすめします。」

乳幼児の場合、痛みやかゆみが出てくれば、違和感から触りますし、ひどくなれば泣きますよね。

そのようなかわいそうな状態は避けるべきです。

子どものでべそは、7~8割は自然に治るということでした。

それに見栄えや形が悪いということでも保険適用の治療が受けられるというお話しもありましたね。

でべぞ問題で悩んでいる方にとっては、心が楽になるようなお話しだったとように思います。

お悩みの方は、お住まいの地域の小児科やかかりつけの小児科医に相談をすることから始めてみるのがいいかと思います。

【監修】
沼田医院:医院長 沼田知明先生(小児科・内科医)
http://www006.upp.so-net.ne.jp/numata-iin/