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どこが違う?「共働き子育てしやすい街」ランキング上位をリサーチして見た

どこが違う?「共働き子育てしやすい街」ランキング上位をリサーチして見た

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こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。

日経DUALと日本経済新聞社の共同で実施した「自治体の子育て支援に関する調査」の結果をもとに作成された「共働き子育てしやすい街ランキング2017」には、筆者にとって思い入れの強い3つの自治体が上位にランクインしました。

総合ランキング第1位の東京都豊島区は筆者が6年間通った小学校が在る街。

第3位の東京都渋谷区は筆者が30代から40代にかけての20数年間を区民として過ごし事業を営み、娘が生まれ育った街。

そして総合ランキング第8位の東京都調布市は野鳥の宝庫である一級河川「野川」を擁し、息子を育ててくれた街です。

「共働き子育てしやすい街ランキング」上位に入るこれらの自治体は他の自治体とどこが違うのでしょうか?考えてみようと思います。

「共働き子育てしやすい街」トップに躍り出た豊島区

民間の有識者でつくる政策発信組織である日本創成会議(増田寛也座長)が2014年5月に公表した「消滅可能性都市」の一つとして、“豊島区”が東京23区で唯一挙げられたことは筆者にとってもショッキングなことでした。

というのも筆者が豊島区立の小学校に通っていた1966年から1972年頃、筆者の母校は60人からなるクラスが1つの学年に6クラス。

全校で児童数が2,000人をゆうに超すという、「少子化」とは真逆の自治体だったからです。

この出来事を機に区をあげて出産可能年齢の女性の誘致と待機児童対策に取り組んだ結果、豊島区は2017年4月に待機児童ゼロを達成

また、認可園に入れなかった家庭への補助も手厚くし学童保育は児童館から全小学校敷地内へと完全移行を果たしました。

「消滅のおそれあり」という負の指摘を受けたことでかえって「女性や子育て世帯が住みやすい街」という明確な区政のコンセプトを確立できたことが、「共働き子育てしやすい街ランキング総合1位」に見事に輝く要因になったと言うことができるでしょう。

筆者が目白通りに面した小学校に通っていた50年前のように子どもたちの笑い声であふれた街になる日も近いかもしれません。

19時30分まで延長対応がある渋谷区の学童保育

2011年3月までの20数年間を過ごした渋谷区が「子育てしやすい街」だと感じたことは、住んでいた当時は正直言ってありませんでした。

おそらくその理由の一つには、地価が高すぎるために土地を所有している層の人とそうでない層の人との経済格差が大きく、「子育て世帯」という一言ではカテゴリーとして成立しないというのがあったかと思います。

そんな中で「ああ、渋谷は共働き子育て世帯にやさしかったんだな」と感じたのは、わが家が渋谷区を去る直前の1年間。

長男が渋谷区立の小学校の1年生だったときでした。

『放課後クラブ』という名称の渋谷区独自の学童保育システムは6年生までの全学年の児童がいるため良い意味での“縦の関係”が児童の間にあり、低学年の子どもたちにたいして高学年のお兄さん・お姉さんたちの目があったため、子どもたちの人間関係が安定していたように思います。

また放課後クラブでは親が共働きの3年生までは19時30分までの特別延長対応保育制度があり、働くママとパパにとってはとても有難かった記憶があります。

今回の日経DUAL・日経新聞のランキングでは保育料の安さが渋谷区への高評価の主たる要因になっているようですが、筆者にとっては一にも二にも放課後クラブの充実が思い出に残っています。

「東京一子育てしやすい街」と評された調布市

「共働き子育てしやすい街ランキング」で2016年度の14位から2017年度は8位にランクアップした東京都調布市は豊島区や渋谷区とはやや趣きが違って、行政主導というよりも市民の肌感覚で“子育てしやすさ”を感じられる街かもしれません。

“住まいと街の解説者”の異名をとる東京情報堂代表の中川寛子さんは東洋経済に寄せたコラムの中で調布市のこの雰囲気のことを「東京一子育てしやすい街」という言葉で表現しています。

中川さんはその根拠として調布市の次のような特長を挙げています。
・人口に占める30代後半のファミリー層が高齢者より多く、子育てを重視する空気がある
・電気通信大学や桐朋学園大学があるため恒常的に若年層が入ってきている
・そのため新旧住民がうまく共存し、新参者にも鷹揚な雰囲気があり新旧住民の交流がある
・人口約22万人という中規模さから行政が近いところにいて、意思疎通が図りやすい
・手頃な飲食店が多く立地も集中しているため人が集まってコミュニケーションを取れる
・場所的に田舎でもあり都会でもあるという“アンビバレンス”さが子育てには適している
・ママやパパが「ここなら何かができる」と思える規模感が子どもにも好影響を与えている

筆者にとってはこの調布市の素晴らしさは、市内を流れる一級河川「野川」の自然に象徴されています。

長男が小2になった春に家族で引っ越してきたこの街のオアシス“野川”には、カワセミやメジロ、コゲラやツグミやシジュウカラ、アオサギ・コサギ・ゴイサギにタシギやキアシシギ、ツグミにキセキレイ、オオバン、オオタカにユリカモメ、メダイチドリといった東京23区内ではなかなか見られない野鳥たちが縦横無尽に飛び交っていました。

息子ともどもこの自然のとりこになってしまった筆者はそれから毎週末には必ず野川のサイクリングロードを自転車で走り、今では少しは鳥たちと会話ができるようになったと自惚れている次第です。

おしまいに、調布市が「共働き子育てしやすい街ランキング」の上位に入るようになってきた要因の一つとして、特定の政党に属さず「市民党」の立場を貫いてこられた今の市長さんの存在も忘れてはならないような気がしています。

●参考リンク:共働き子育てしやすい街2017 上位50自治体は(日経DUAL)
http://dual.nikkei.co.jp/atcl/column/17/112100026/120400006/
独断!東京一「子育てしやすい街」はどこか(東京経済オンライン)
文:中川寛子
http://toyokeizai.net/articles/print/111500

ライター紹介

鈴木かつよし

鈴木かつよし

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

ライター紹介

貴子

貴子

ママになっても自分の時間を大切にし、笑顔でいることで子どもたちも笑顔でいられるよう、楽しくやっています♪

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