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過保護では絶対できない?肝が据わった子の育てるのに必要なこと

過保護では絶対できない?肝が据わった子の育てるのに必要なこと

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こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。

このごろ、“肝の据わった人”に出会う機会が減ったなあと感じることがあります。

筆者がまだ駆け出しの社会人であった昭和後期のわが国には世間の要所要所に「肝が据わった人物」が居て、経験の少ない若い者たちに安心感を与えると同時に組織が進むべき方向を大局的な部分で間違わないように導いてくれていたように思います。

そういう「肝が据わった人物」に共通する特長としては、「動じない」こと、「寛容である」こと、「権力や権威に媚びない」こと、「自分に厳しい」ことなどを挙げることができるかと思いますが、せっかくだったらわが子には“肝の据わった人”に成長していってほしいものですよね。

今回は『わが子を“肝の据わった人”に育てるには……』というテーマでお話しをしたいと思います。

両親に影響を受ける?”肝が据わる子供”とは

周囲の友達が集団で誰かのことを「いじる」ときでも決してその輪に加わらない子がいます。

しかもその「いじり」が度を越えて「いじめ」に近いようなものになってきたときには「おい、笑えないことはやめようぜ」と堂々と言える子がいます。このような子は「肝が据わっている」と言え、そうさせているのはその子が小さいころから両親などに教わってきた「弱い立場の人や少数派の人をいじめるのは卑劣なことなので絶対にしてはいけない」という“信念”です。

このように、どんなことでも何らかの「信念」を持っている子は“動じない”ため、肝が据わっています。

問題は信念を持つに至る機会に恵まれるかどうかなのですが、これにはやはりパパとママの人生観が大きく影響することは間違いないでしょう。

肝が据わった子になるのは人間関係のおかげ?

成長過程で出会ってきた大人や先輩の中に、誰にたいしてもフェアで“おべっか”や“忖度”では動かないような尊敬に値する年長者がいたような子も、肝が据わった人間に成長する傾向があります。

人格的に立派な大人と出会うことができた子は、たとえ自分がお金や環境に恵まれていなくても真面目に生きてさえいれば世の中にはそんな自分に道を開いてくれる人もいるということを知っているので、権力や権威にたいして卑屈にならなくなるためです。

一方、姑息で自分の地位を維持するためには平気で他人を陥れるような大人とばかり出会ってきてしまった子は、気の毒なことにいつも人の顔色をうかがっておどおどしている。

肝が据わった人とは対照的です。このように、肝の据わった人になるには“運”の要素もあることは否定できません。

肝が据る、ために必要なのは経験?

みなさんの職場にも、いったんリタイアしたような年配のかたでとても落ち着いていて、ちょっとイレギュラーな事態に遭遇したくらいでは動揺しない“肝が据わった”人が稀にいるかと思います。

そういう人は、これまでの人生経験で困難な状態を何度も乗り越えてきたために、自分自身の中に他人には解らない「対処マニュアル」を持っています。だから自分に自信があり、動じないのです。

子どもの場合でも子どもなりに、苦しい局面を何度か乗り越えてくると自信がついて、肝が据わってきます。

もちろん「貧困」など、子どもたちにさせてはならない“苦労”もありますが、苦労の質や程度によっては子どもを人として成長させてくれる場合があります。

一人になることが重要

おわりに、精神医学の専門家の見解を紹介しておきましょう。

名越康文(なこし やすふみ)さんという思春期精神医学を専門としている医師がいます。名越先生は最近の著書である『SOLO TIME「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』で、今のわが国に生きるわたしたちが「さまざまな人間関係を維持していくことだけに人生のエネルギーと時間の大半を注ぎ込んでいる」と指摘しています。

そこから、「日ごろの人間関係からいったん手を離し、静かで落ち着いた、ひとりぼっちの時間を過ごす」ことで、冷静で明るく、動じない、“勝負どころで大切な判断を誤らない”肝が据わった人になれるとおっしゃっているのです。

子どもたちに「コミュ力」や「協調性」を求めることも一定程度は必要ですが、名越先生が指摘するように一人の時間を過ごすことによって物事を客観視するとともに思索し、一瞬の判断力を高めることも、これからは必要になってくるのかもしれません。

●参考文献  『SOLO TIME「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』
名越康文・著 夜間飛行、2017年

ライター紹介

鈴木かつよし(エッセイスト)

鈴木かつよし(エッセイスト)

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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