夫婦円満の秘訣

「あなたが言える立場じゃない」パートナーに不満がある人に読んでほしい!

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こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。

最近、特に政治の話題を取り上げたようなときなどに、“ダブルスタンダード”という言葉をよく耳にします。

「大国の核の傘に守られながら反核を主張するのはダブルスタンダードではないのか」といった具合です。

簡単に言うなら、自分も相手と同じようなことをしているのに相手には文句を言って自分のことは棚に上げるような態度のこと。

日本語で「二重規範」と訳されるこの概念、政治のことはともかくとして私たちの日常生活においてもそれに該当する例は数多く見られます。

そして夫婦間や親子の間に限ってみてみると、ダブルスタンダードは必ずしも悪いことばかりでもないように筆者にはみえるのです。

実例を挙げながら考えてまいりましょう。

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一人暮らしを経験しなければ子どもの自立心は育たない、が

60代以上の男性に多いような気がしますが、『子どもはある程度の年齢になったら親元を離れて一人暮らしを経験してみなければいけない。そうでないと自立心も身につかないし、親の有難みも分からない』と言う人がいます。

筆者もそれはその通りだとは思います。

しかし現実を見てみますと、「わが国の都市部で暮らす年収200万円以下の若者の約8割は親の実家に住んでいる」という動かしがたい実態があります(認定NPO法人ビッグイシュー基金『若者の住宅問題』より)。

一人暮らしをしたくても、住居費負担が高すぎるので親元を出ることができないのです。

親元を出られるのは社宅や独身寮が完備された企業の正社員として就職することができた子どもたちに限られます。ですからこのような精神論を説く人も、実際には「そうはいってもここを出たら暮らしていけないよな。

まあ、どこか他の会社に正社員として転職できるまでは居たらいいさ、となるわけです。

これはまぎれもなく“ダブルスタンダード”ではありますが、言いようによっては“暖かい親の愛情”でもあるわけです。

このダブルスタンダートを「悪」と言い切ることが、みなさんは人としてできますでしょうか?

ママからパパへの小言はオーケーでもパパがママを“口撃”するのはNG

次に、夫婦の間のダブルスタンダードについて、例を挙げてみてみましょう。

世の旦那さまがたなら、ほとんどのかたが“ママからの小言”に辟易された経験がおありかと思います。

「あなたのイビキ、うるさすぎる。もう耐えられないわ。あっちの部屋で寝て!」

「お腹出すぎ。キモチわるい。どうにかして」

筆者などは妻からこのような小言を何度となく浴びせられてきました。

その都度暗い気持ちにはなるのですが、だからといって反撃したりはしません。

「ママだって、けっこうイビキうるさいよ」

「ママこそ、結婚した頃と比べたらずいぶん成長しちゃったよね」

こんなことを言ったとしてどうなるというのでしょうか。

男女平等の原則からすれば、ママがパパに小言を言うならパパがママに同じような文句を言ってもいいのではないかという気もします。

でも、実際の夫婦生活においてはほとんどの場合においてそれはNGです。

これも、典型的なダブルスタンダードの例になるかと思いますが、これが”悪いこと”だとみなさんは思われますか?

小言を言われても反撃しない旦那さまは素敵ですし、旦那さまが反撃しないのに小言を言いつづける奥さまも可愛らしいと筆者は思います。

夫婦の間にも、ダブルスタンダードだからこそ上手くいくことがあるのです。

そもそもこの世はダブルスタンダードで溢れている

いかがですか?

こうして考えてみると夫婦や親子の間にあるダブルスタンダードは必ずしも悪いことばかりではないことがお分かりいただけるかと思います。

20世紀ドイツの経済学者であるマックス・ヴェーバーは、そもそも私たちが生きている資本主義の世の中は、禁欲的なキリスト教の新教徒たちが世俗的な日常生活の中で勤勉実直に働くことが神の意思に沿うことだと考えて懸命に働いた結果、利潤が生まれ資本が蓄積していって形成された、神の意思とは異質な「金銭至上主義」の社会であると指摘しています。

筆者の専門分野ではありませんが司法における「情状酌量」の考え方も、「罪は罪だけれども同情できる点があるので刑罰は軽くする」といった、言いようによってはダブルスタンダードと言えなくもない概念ではないかと思います。

つまり、そもそもこの世はダブルスタンダードで溢れているということです。

その方が現実社会の運用がスムースに運ぶため、私たち自らがダブルスタンダードを有効に活用して、社会システムを回しているのです。

世のママのみなさん。

たまに飲んで帰って「二日酔いだろうが何だろうが俺は明日も家族のためにちゃんと働くぞ!」とくだまいている、家族迷惑なダブルスタンダード夫のことをどうぞ許してさしあげてくださいね。

●参考リンク  『若者の住宅問題』認定NPO法人ビッグイシュー基金、2014年12月
(http://www.bigissue.or.jp/pdf/teiannsyo2.pdf)

●参考文献   『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
マックス・ヴェーバー著、岩波文庫

ライター紹介

鈴木かつよし

鈴木かつよし

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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