あらゆる人を受け入れて育つ!国際バカロレア教育とは

みなさま、こんにちは!

海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。

国際バカロレア認定校が、日本で、そして世界中でその存在感を強めてきています。

「我が国では、『日本再興戦略-JAPAN is BACK-』(平成25年6月閣議決定)に基づき、国内における国際バカロレア認定校等(ディプロマプログラム)を2018年までに200校に大幅に増加させることを目標としている」(文部科学省ホームページより抜粋)

『日本再興戦略』の一環として、教育の国際化を目指し、文部科学省がその導入・普及に力を入れる国際バカロレア認定校とはどのような学校なのでしょうか。

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国際バカロレア認定校は、どのような人間を作ろうとしているのでしょうか。

上海にあるインターナショナルスクールで、国際バカロレアプログラムと日々取り組む16歳の娘を持つGolden Beanが、体験を交えつつ「国際バカロレア」プログラムの理念、理想について、詳しく説明をさせていただきます。

国際バカロレアの理念

国際バカロレアの理念は、『IB(International Baccalaureate,国際バカロレア)の使命』及び『IBの学習者像』として示されています。

国際的視野を持ち、より良い、平和な世界を構築することに貢献する人間の育成』が、そのテーマとして貫かれています。

IB(International Baccalaureate,国際バカロレア)の使命(The IB mission)

世界の多様な文化に対して理解と尊敬を持ち、より平和かつ、より良い世界の構築に貢献することのできる、①探求心②知識③思いやりを豊富に持つ、人間の育成を国際バカロレアは目指します。

各国政府や学校、様々な国際機関と力を合わせ、より良い国際的な教育プログラムと公正かつ適切な評価方法の開発に、国際バカロレアは尽力します。

人は皆違うということを理解し、たとえ自分と違う意見、文化を持つ人であっても、それぞれの理由、正しさがあることを受け入れ、他人に共感できる暖かいハートを持って、一生涯を通して積極的に学び続ける人間であることを、国際バカロレアは、世界各国各地で学ぶ学生たちに要求します」

これからの国際化時代に生きる若い人々には、自国だけではなく、世界中を視野に入れて物事に取り組んでほしい。

そして、そのためには、他の人々と同じである必要はなく、むしろ他と違うことは当たり前のことであると理解し、それをお互いに受け入れ合う姿勢を持つことが重要であるという強い願いが、このミッションには込められているのです。

先日、仕事から帰ってきたばかりのことです。

国際バカロレアプログラムで学ぶ娘が、パソコンを使ったテレビ電話で友人と英語で激論を交わしています。

何事かと尋ねてみると、和歌山県太地町のイルカ漁についてパワーポイントで資料を作り、学校で討論することになったと言います。

外国の反捕鯨団体から強い非難を受けている太地町のイルカ漁についての、外国人の友人との議論は、日本人を父に持つ16歳の女の子の立場からすれば、複雑な思いがあったと思います。

私も意見を求められました。

いつもはほとんど冗談しか言わない私ですが、今回は真剣に娘と話し合いました。

このような課題を通して、国際バカロレアプログラムで学ぶ若者たちは、その理念を学び取っていくのだな、と思いました。

IB(International Baccalaureate,国際バカロレア)の10の学習者像(The IB Learner Profile)

「IBの学習者像」では、「IBの使命」を具体的に実現するにはどうすればいいかを、10の学習者像として表しています。

学生たちが国際的に活躍できる人材となるために、どのような姿勢で学ぶべきかをわかりやすく10に分けて表現したものです。

①探求する人であれ!

何事にも好奇心を持ち、探求、調査研究するためのスキルを磨きましょう。

個人としても、また他の人々とも協力しても探求できる人になりましょう。

学ぶことを生涯に渡って積極的に楽しみ続けることができる人になりましょう。

②知識のある人であれ!

地域社会や、世界規模の重大な課題に取り組む人になりましょう。

そのために、幅広い分野でバランスの取れた知識と理解を深めましょう。

③考える人であれ!

複雑な問題に立ち向かい、分析し、責任ある行動ができる人になりましょう。

そのために、批判的かつ創造的思考法を身につけましょう。

その上で、理性的かつ倫理的な決断を下せる人になりましょう。

④コミュニケーションができる人であれ!

複数の言語や、様々なコミュニケーション手段を駆使し、自信を持って自分の考えや情報を創造的に表現できる人になりましょう。

他の人々や集団の意見にも積極的に耳を傾け、協力し合あうことができる人になりましょう。

⑤信念を持つ人であれ!

誠実、正直で、公正な考えと正義感を持つ人になりましょう。

全ての人や社会が持っている尊厳と権利を尊重して行動する人になりましょう。

自分の行動と、それによって生じる結果に責任を持つ人になりましょう。

⑥心を開く人であれ!

自分自身の歴史や文化、個人的な経験の価値を正しく理解、尊重し、なおかつ他の人々や地域社会の持つ価値観や、文化、伝統、考え方にも心を開く人になりましょう。

常に他の人の多様な視点や意見に耳を傾け、価値を認め、その経験から成長できる人になりましょう。

⑦思いやりのある人であれ!

他の人の気持ちを思いやり、共感を持ち、尊重できる人になりましょう。

他の人の生活や取り巻く環境を良くするために役立つため、積極的に行動、奉仕し続けることのできる人になりましょう。

⑧挑戦する人であれ!

今まで経験のなかったことや、答えの見えない不確実な状況に対しても、勇気を持って挑戦する人になりましょう。

今まで誰も思いつかなかった方法や考え方を編み出し、失敗を恐れず、快活に難題に取り組める人になりましょう。

⑨バランスの取れた人であれ!

自分と、周囲の人々が幸せであるためには、知性、体の健康、そして心がいずれも大切であり、それらをバランスよく保ち続けることが重要であることを理解し、実行できる人になりましょう。

自分が、他の人々や世界と相互に依存し合って生きていることを理解できる人になりましょう。

⑩振り返りができる人であれ!

自分自身の学びや、経験を思慮深く見つめ直し、反省できる人になりましょう。

自分の長所や短所をよく理解し、今後の学習や成長に役立てることができる人になりましょう。

成長の過程によって変わるテーマ

国際バカロレアプログラム、10の学習者像は、学校現場で実際にどのように子どもたちに伝えられていくのでしょうか。

国際バカロレアプログラムでは、テーマは子どもたちの年齢や成長過程によって適切にアレンジが行われます。

例として、①の「探求する人であれ!」という学習者像のケースを見てみましょう。

「何事にも好奇心を持ち、探求、調査研究するためのスキルを磨き、学ぶことを生涯に渡って積極的に楽しみ続けることができる人になる」ことが、目標になります。

達成すべきテーマは、子どもたちの年齢や成長過程に合わせ、子どもたちが無理なく成長できるよう、段階的に高度になるように設計されているのです。

まず、3~12歳までを対象としたプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)でその実例を見てみましょう。

4~5歳の幼児のテーマ

この段階での「探求する人であれ!」のテーマは、「いろいろなことに興味を持ちましょう。学ぶことを大好きになりましょう。

新しいことを見つける人になりましょう」という形で表現されます。

7~8歳の小学校低学年でのテーマ

この段階では、テーマは次のように変わります。

「いろいろなことを知りたいと思って生まれてきたと考えましょう。

学ぶことが大好きになりましょう。世界中のことについて、もっともっと知りたいと思いましょう。

自分自身で様々なことについて調べ、新しいことを学ぶのが大好きな人になりましょう」

レベルアップを示すキーワードとして、「世界中」や「調べる」が含まれています。

11~12歳の小学校高学年でのテーマ

テーマは次のようにさらに高度化します。

「学ぶことが大好きになりましょう。学習を楽しんで、私たちが生まれつき持っているもっと知りたいという好奇心をさらに育てましょう。不思議に感じたことを自分自身で探求できる能力を身に付けましょう。一生涯に渡って、学習を続けましょう」

レベルアップキーワードの「もっと知りたいという気持ち」「不思議に思ったことを探求する」に加え、国際バカロレアプログラムの最重要テーマの一つである、「一生涯に渡って学習を続ける」も組み込まれて、より高度の成長が促されていくのです。

振り返り

国際バカロレアプログラムの特徴の一つに「振り返り」があります。

それぞれの段階のテーマに対して、毎日の終業時、プロジェクト完了時、学期末、年度末に必ず「振り返り」が行われるのです。

「学習は楽しめたか?おもしろいと思えたか?新しいことを見つけることができたか?努力できたか?」と自分自身に問いかけるのです。

その問いかけの結果、例えば「おもしろかったけど、新しいことを見つけることはできなかった。自分は本当に努力したのだろうか。もっと頑張れたのではないだろうか」といった感じで、”内省”が生まれるのです。

この「振り返り」では、自分がどれくらいテーマを実現できたかどうかを理解し、次の方向、ステップを自分自身で確認することが重視されます。

10の学習者像の最後に、『振り返りができる人であれ!』が来ているのは、『内省なくして成長なし』という国際バカロレアの教育思想に基づいているのです。

“振り返り””内省”は自分自身の強み、弱みを理解し、成長を続けるために必須のスキルなのです。


いかがでしたでしょうか。

国際バカロレア・プログラムがどのような人間を育てようとしているかについて、その理念と理想の学習者像について、ご理解いただけましたでしょうか。

国際化社会に生きるために必須のスキルがバランスよく組み込まれている素晴らしいプログラムだと思います。

ひとりでも多くのお子様が、国際バカロレア・プログラムで学び、世界中の人々とお互いを理解尊重し合い、戦争のない平和な地球を作り上げてくれることを願って止みません。

参考文献
世界で生きるチカラ 国際バカロレアが子どもたちを強くする
坪谷ニュウエル郁子著
ダイヤモンド社

文部科学省ホームページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/1307999.htm

ライター紹介

Golden Bean(バイリンガル教育パパ)

Golden Bean(バイリンガル教育パパ)

1991年から現在まで25年以上に渡り小売チェーン店マネージャーとして台湾、シンガポール、オーストラリア、中国の4か国で勤務。学生時代、英語は全くダメだったが、英語、中国語を赴任地で独習し、ビジネスを通訳なしで行えるまで上達。妻は台湾人。上海でインターナショナルスクールに通う一人娘は英語、中国語、日本語のトリリンガル。自らの外国語学習体験、娘のバイリンガル教育体験を紹介することで、一人でも多くの方にバイリンガルになっていただければ、と願っている。

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