人間関係が面倒かも!? 学校の“給食調理員”で働くメリット・デメリット
2017年10月9日 | よみもの人間関係が面倒かも!? 学校の“給食調理員”で働くメリット・デメリット

子どもが学校に入り、一段落したママさんたち。
「そろそろパートでも探そうかな」と思っていませんか?
でも……いざ仕事を探してみると、これが結構難しいんですよね。学校は意外と早い時間に終わってしまうし、土日や長期休暇のことを考えると、どんな仕事でもOKというわけにはいきません。
そこで気になるのが、給食調理のパートです。
この仕事、ママ向けの短時間パートとしてしばしば求人を見かけますよね。果たして実態はどうなのでしょうか?
今回は、給食調理の現場を経験してきたママたちから、働いてみて良かった点や悪かった点を伺ってきました。

「長期休暇が取れる」「やりがい満点」……良かった点
『春休み、夏休み、冬休みがキッチリ全部休めます。もちろん土日も絶対に休み。朝は早いですが、残業もなく定時でキッチリ帰れます。子どもを学童に入れずに仕事ができるので、まだ子どもが小さい私みたいなママにとってはありがたいです』(30代女性/勤続2年)
これは言わずもがな、学校給食の仕事の最大のメリットです。
普通のパートだと、子どもが夏休みだからといって自分も全日程べったり休暇をもらうことはできません。
かといって、長期休暇中だけ学童にあずけるのも不安。子どもがなじめるのか、宿題はちゃんとこなせるのか、お弁当はどうするのか……頭がグルグルしてしまいますよね。
学校給食の仕事なら、そんな悩みは全く関係ありません。学校が休みのときは自分の仕事もお休み。わが子との時間も大切にしながら、仕事に励むことができます。
『やりがいは大きかったですよ。食缶がスッカラカンになって返ってきたときや、子どもたちから「給食のセンセー、今日のカレーとってもおいしかったよ〜!」なんて声をかけられたときなんかは、この仕事でよかったなと思いましたね』(50代女性/勤続5年半)
食事は楽しみであり、命の源ともなるもの。
食べることを通して、子どもたちの成長を支えることができる……学校給食の仕事は、そんなやりがいの大きい仕事でもあるんですね。
「人間関係がひどすぎ」「体力が持たない」……悪かった点
『人間関係は最悪でしたね。これまで渡り歩いてきたどの職場よりも悪かったです。派閥、悪口、妬み、仲間はずれと、女性の嫌なところが全部集結していました。すごく忙しく、作業中の騒音が大きいため、会話はまるで怒鳴りあい。「これ洗っておいて」なんていう普通の指示出しさえも、なんだか怒っているように聞こえて怖かったです』(40代女性/勤続4か月)
今回のインタビューで見えてきたのが、学校給食調理員たちを取り巻く人間関係の悪さでした。
女性が多く閉塞的な環境なので、耐えられない人にとってはまさに地獄。試用期間中にリタイヤしてしまう人もかなりいるんだそうです。
ただ、うまくコミュニティに入り込み、先輩から気に入られてしまえば、手厚く親切にしてもらえるという特徴もあるよう。
良くも悪くも、まさに“女の園”という雰囲気なんですね。
『はっきり言って、スピード勝負の力仕事です。10kg、20kgある鍋や材料を何回も持ち上げ、運ばなきゃいけません。私よりずっと年齢のいった先輩がヒョイと持ち上げるので、自分にもできるだろうと思ったのですが甘かった。初日から手首と腰を痛めてしまいました』(40代女性/勤続7か月)
何百人分の給食を一斉に作るのですから、材料の量は半端じゃありません。また、配膳の時間を絶対に守らなければならないため、作業はスピード第一。
その上、給食室には冷暖房がなく、窓は締め切りです。仕事の後はシャワーを頭から浴びた後のような滝汗……。
“料理をつくるのが好きなだけ”では、決して務まらない仕事ですね。
また、こんな声もありました。
『ふだんから料理が得意だったので、きっと向いているだろうと思って応募しました。でも、思っていたのとぜんぜん違う世界。何もかもが細かい取り決めで決められており、管理がメチャクチャに厳しいです。「もっと効率よく作れるのに」「もっと美味しく作れるのに」って、ずっと思いながら働いていましたね』(50代女性/勤続5か月)
学校給食は衛生第一で作られます。ただ、それがあまりにも行き過ぎると、味を置いてけぼりにしまうこともあるそうです。
たとえば生ものの扱い。衛生面を重視するあまり、キャベツなどの生野菜であっても調理前にあらかじめ高温で加熱するケースがあります。
しんなり・クタクタになった状態から調理を始めるので、歯ごたえや風味はイマイチ。料理が得意な人ほど、歯がゆい状況なのではないでしょうか。
学校給食で働くときの、ちょっとしたコツ
これから学校給食の現場で働こうと考えているママたちは、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
インタビューから見えてきたポイントをまとめてみました。
「調理員」か「調理補助」か、求人をチェック!
学校給食の仕事には大きくわけて2種類あります。“調理員”と“調理補助”です。
この2つ、似ているようで現場での扱いがだいぶ違うそうです。
力仕事や実際の調理作業を担うのは“調理員”。一方の“調理補助”は調理器具の洗浄や野菜の下洗い、皮むきなどを主に行います。
地域や学校、給食センターによっても違いがありますが、求人広告を見かけたらそれが「どちらのポジションの募集なのか」をしっかり確認した方がいいですね。
1年間は頑張ってみて
現場によっては、すぐに辞めてしまう人が多い給食調理の仕事。
しかし、ベテラン調理員たちは口を揃えて「慣れてしまえばとてもラク」と言っていました。
実は、給食調理の仕事にはルーチンワークも多いんだそうです。そのため、ルールと動き方が体にしみこめば、とても簡単にこなせるとのこと。
『1年くらい続ければ効率よく動けるようになり、ミスも減ってきます。そうすれば、同僚からの雑音もそれほど気にならなくなりますよ!』(50代女性/勤続8年)
いかがでしたか?
向き・不向きは大きいようですが、向いている人にとってはやりがいが大きい給食調理の仕事。
何よりも、長期休暇が取れることや残業がないことは、子育て中のママにとって嬉しいメリットになるはずです。
久しぶりに社会復帰するときの、始めの一歩として検討してみてはいかがでしょうか。
●文/パピマミ編集部