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苦手を克服! 子どもの読書感想文をサポートするときのコツ

苦手を克服! 子どもの読書感想文をサポートするときのコツ

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こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。

多くの学校では夏休みの宿題に“読書感想文”があると思います。

特に低学年のお子さんの場合は、一人で完成させることは難しく、ママのサポートが必要な場合も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ママが読書感想文をサポートするときのコツについてお伝えします。

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21世紀型教育の中核は読書感想文が土台になる?

夏休みの読書感想文といえば、「めんどうくさい」「嫌い」「やりたくない」という3拍子のコメントを耳にします。

バンダイ(2013)の調査でも、読書感想文に対する苦手意識の高さがうかがえます。

しかし、これから学校受験や就職試験をする子どもたちはそうはいっていられません。

すでに名門大学では論作文に重点をおく試験に移行することを明言していますし、教員採用試験でも論作文や集団討論などの“自分の意見を伝える技術”が合否を左右するようになっています。

検索サイトの進歩によって、多くの知識を覚えるような“記憶偏重型学習”から、情報をうまくまとめながら“自分の考えを作り出して伝える”という能力を求める動きにシフトしています。

読書感想文は、このような“自分の意見を伝える技術”の基本的な練習になりますし、何よりもお子さんの“生き抜く力”を育てるきっかけになります。

作文を書くことによるさまざまな効果

冒頭の書きっぷりから想像もつきませんが……かくいう私も子どものころは読書感想文を嫌々やっていました。

しかし今、子どもの教育に携わってわかることは、作文を書く力は子どもにとって必要な力だということです。

そして、子どもたちにはもっと読書感想文を楽しんでほしいと思っています。

作文を書くことによる効果のひとつは、自分の意見を論理的に説明する力が身につくことです。また、“自分の考え方のクセ”に気づき、自己理解が深まることも期待できます。

さらに、作文を書くうえでは「登場人物は何を思っているのだろう?」と推測したり、登場人物の思いに寄り添ったりするため、共感の心を育てることにつながります。

このことは、人間性の成長にも大きく関わってくると思います。

このように作文が多くの効果をもたらす背景には、書くことが“メタ認知(自分の認知機能を理解したり、モニタリングしたり、コントロールしたりする一連の過程)”を鍛える作業に関連しているためだと心理学的にはいうことができます。

作文をサポートするときのママの姿勢

私のように子ども時代は読書感想文が嫌いだったママも、お子さんのサポートをするときには、「めんどうくさい」という気持ちは一旦捨て、「楽しいと思わせてやるぞ!」といった気持ちで向き合っていきましょう。

特に低学年のお子さんの場合は、ママが「嫌い」と言っているものは、お子さんも「嫌い」と感じやすくなるので気をつけたいですね。サポートの基本姿勢は“明るく楽しく”です。

音読段階のサポート

低学年のお子さんにとっては、文章を読みながら頭の中だけで物語を整理したり、考えをまとめたりすることは難しい作業です。

このように同時にいろんな考えを処理できるようになるのは、10歳前後に発達する脳機能ですから、これらの作業は分割して取り組むとよいでしょう。

たとえば、低学年のお子さんの場合は、最初はママが何度か音読してあげるとよいかもしれません。

そのときには、「楽しい!」と子どもが思えるように、声の抑揚などを工夫することがポイントになります。

そして、お子さんが物語の内容を理解できるようになってきたら、今度はお子さんが音読をしていきます。

情報整理段階のサポート

すぐに理解ができる子はいいのですが、多くの低学年の子は話の印象的なところと終盤のみを記憶しています(ピーク・エンド効果といいます)。

私が感想文をサポートする場合には、“ワークシート”を活用し、子どもたちと話し合いながら全体像についてまとめる作業をしています。

ワークシートには、まず相関図を作って、登場人物の特徴とセリフを記録していきます。

不思議と、ワークシートを使うと子どもたちは自由な発想で面白いことを次々と発言していきます(例:桃太郎の仲間の動物は疲れないのか? 鬼は桃太郎が来ると思っていたのか?)。

そのワークシートをもとに、物語に対してお子さんが感じたことや考えたことを記録していくとよいでしょう。

このようにワークシートに書き出すことで、情報が整理され、物語を客観的に理解することができます

また、自分の考えを深く理解することにもつながっていくでしょう。これらはまさに、メタ認知を鍛える作業です。

書く段階のサポート

読書感想文をサポートしていると、「真面目に書かなきゃ」といったプレッシャーを感じ、たくさんの口出しをしてしまうママもいるかもしれません。

でも、個人的には、子どもの自由な発想を大切にしてあげてほしいと思います。

たとえば、主人公ではなく“脇役の目線”が気になったり、大人が気づかない部分に着目したりするお子さんもいます。

あるお子さんは、「桃太郎の仲間の動物たちは鬼ケ島に行くまで喧嘩はしなかったのか?」ということが気になっていました(よく考えれば犬猿の仲という言葉もありますよね)。

そんなときには、大人の価値基準で書き直させるよりも、「よく気づいたね。面白い視点だね!」などとお子さんの目線を大事にして自由な発想をどんどん育ててあげてほしいと思います。

本来、自分の思いを書くことは楽しいものです。

それを苦痛に感じてしまう子が多いのは、他者の視点(評価)ばかりが気になり、自分の意見に自信がもてないことも関係しているのではないでしょうか。

また、ママから「字をきれいに書きなさい」と叱られることによって、読書感想文に苦手意識をもってしまうお子さんもいます。

もちろん字はきれいに越したことはありませんが、字の練習は別の時間に行いましょう。

内容以外の部分で叱られることによって、せっかくのやる気の芽が奪われてしまうのはもったいないことです。

本を選ぶときのポイント

最後に、本を選ぶときのポイントです。お子さんから「この本がいい」といったリクエストがあるなら、それに挑戦してみてもよいと思います。

ただ、もしお子さんからのリクエストがない場合は、お子さんの発達に合わせた本をママが一緒に選びましょう。

たとえば、低学年の子の場合は、文章だけで理解するのはまだまだ難しい時期ですので、“挿絵”がある方がイメージを膨らませやすいと思います(低学年のお子さんだけでなく、読書が苦手なお子さんも挿絵がある方が取り組みやすいと思います)。

また、作文を書く前には、何度も読んでストーリーを理解することも必要になりますので、お子さんが繰り返し読んでも苦痛がない長さの本を選ぶとよいでしょう。

本を読んでいる途中に「まだ続くの?」という態度が頻繁にみられるようなら、別の本を考えてみてもよいかもしれません。

お子さんが、楽しく取り組める一冊を選んでいきましょう!


いかがでしたか? 今回は、ママが読書感想文をサポートするときのコツについてお伝えしました。

読書感想文に笑顔で向き合うお子さんとママが増えたらうれしいです!

【参考リンク】
バンダイこどもアンケートレポートVol.21「夏休みの宿題に関する意識調査」結果 | 株式会社バンダイ(PDF)

ライター紹介

今井千鶴子

今井千鶴子

短大卒業後、一般企業に就職。退職後、オーストラリアの小学校にてボランティアの日本語教師アシスタントを経験。オーストラリア滞在中に臨床心理学に興味を抱き、帰国後大学進学を決意。一念発起で受験勉強をし、25歳で早稲田大学人間科学部に入学。その後2007年に臨床心理士、2009年に博士学位を取得する。専門は認知行動療法。現在は「楽しく子育て」をモットーにいくじ(育児・育自)に関するサポートを行っている。また、勉強への興味が乏しかった幼少期の経験をもとに、子どもたちが「楽しみながら学ぶ」ための活動も展開中。2児の母。

ライター紹介

赤松侑里(さゆりちゃん)

赤松侑里(さゆりちゃん)

1児の女の子のママです。育児も自分磨きも楽しく頑張ってママライフを過ごしています。

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