子供の感受性を育てる

能力が高すぎてもダメ!? 子どもの共感性を育てるためにママができること

能力が高すぎてもダメ!? 子どもの共感性を育てるためにママができること

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こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。

子育て相談の中でたびたび話題となるトピックがあります。それは、“共感する心はどうやったら育つか?”というものです。

そこで今回は、“共感性の育て方”について考えてみます。

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共感とは何か

はじめに少し専門的な話になりますが、実は、共感はさまざまな心理的な要素が集まっている心の働きだといわれています。

それらの要素は、大きく分けると「認知的側面」と「感情的側面」です。

ここでいう認知的側面とは、相手の立場に立ってモノを見たらどのように見えるかを分析・理解することを指します。

そして感情的側面とは、他者が感じていることを自分自身の感覚のように感じることを指します。

少し日常場面に置き換えて考えてみると、“注射を嫌がり泣き叫ぶ子ども”がいた場合、それを見て「怖い気持ちでいるんだろうな」というのが認知的側面であり、「自分自身も自然とつらい気持ちになる」というのが感情的側面だといえます。

共感の必要性

これまでの研究から、共感の高い子どもほど他児への“援助行動”を行いやすいことがわかっています。

また共感は、“道徳性”を高めたり、“攻撃性”をコントロールしたりすることも知られています。

これらの知見が得られた理由としては、物事を相手の視点から捉えたり、他者の思いを自分のことのように感じたりする共感力があれば、相手を助けたいという気持ちになったり、自分がされて嫌なことを他者にしようとは思わなかったりするからだと考えられます。

こうした背景からも、子どもの共感を育てることはとても重要視されています。

ただし、共感の能力が強すぎると、人の感情や思いに振り回されてしまい、自分らしく行動できないことも指摘されています。

共感力を育てるためにママができること

共感に関する心の働きを可能にする土台には、“相手が見ているモノを相手の視点で見る”という物理的な視点から、“相手の気持ちに立って考える”という心理的な視点を自分に取り入れる“視点取得(してんしゅとく)”が重要になります。

なぜなら、視点取得がうまく働かないと、自分の視点だけで考えてしまい、人が感じていることをうまく感じとれず、自己中心的な状態になってしまう恐れがあるからです。

ですから、はじめはお子さんに「ママの目から見ると何が見えるかな?」という物理的な視点の移動(取得)を促し、その後は「ママは今、どんなことを考えているかわかるかな?」といった心理的な視点を取り入れていきましょう。

特に、相手の立場からモノを見ることが少し苦手なお子さんには、相手の気持ちに立って考えることを促すことが大切です。

たとえば、もし、お友達のおもちゃを奪い取ってしまったときには、まずは「ママが○○ちゃん(自分の子どもの名前)のおもちゃを急に取っちゃったら、どんな気持ちがする?」とその子の気持ちを確かめます。

もし「嫌な気持ち」と返ってきたら、「お友達も同じ気持ちだったんじゃないかな?」とお友達の気持ちに気づける具体的な関わりをします。

相手の立場からモノを見ることが苦手なお子さんにとっては、視点取得はたやすいことではありませんが、ひとつひとつの状況において丁寧かつ具体的にサポートしていくことで、“相手の立場に立って考える”という視点が少しずつ促されていくと思います。

また、普段の遊びでも視点取得は鍛えられていきます。その代表的な遊びが“ごっこ遊び”です。

ごっこ遊びでは、「ママはこう言うだろうな」「お姉ちゃんはこうするだろうな」など相手の視点に立つことが求められるからです。

一方、ブルース・D・ペリーの『子どもの共感力を育てる』では、共感を育てる方法として“本の読み聞かせ”も有効だと言われています。

ペリー(2012)は読み聞かせについて、『読者は登場人物の立場に身を置き、登場人物がうまくやればわがことのように喜び、その苦しみをわがことのように感じる』と述べています。

これらのことは、私自身の子育て経験や子育て支援の現場からも感じます。

多くの子どもは、楽しい物語のときは楽しそうに、悲しい物語のときには悲しそうに、登場人物の経験を自分と重ねあわせているように見えます。

ペリー(2012)が言うように、“読書はまさに共感の練習”です。

ただ一つママに知っておいてほしいことは、共感力が強いお子さんほど、登場人物の感情に巻き込まれてしまう傾向があるということです。

ですから、悲しい物語などを題材に使うときは、お子さんの様子に十分配慮しながら本を選んでいくことが大切です。

また、就寝前は明るい気持ちでお子さんが眠れるように本を選んでいけたらいいですね。

さらに、物語の主人公と現実世界の自分とは“別の人間”だということもしっかりと理解させるとよいでしょう。


いかがでしたか? 今回は“共感性の育て方”について考えてみました。お子さんの健やかな成長を心より応援しています!

【参考文献】
・『子どもの共感力を育てる』ブルース・D・ペリー、マイア・サラヴィッツ(著)

ライター紹介

今井千鶴子

今井千鶴子

短大卒業後、一般企業に就職。退職後、オーストラリアの小学校にてボランティアの日本語教師アシスタントを経験。オーストラリア滞在中に臨床心理学に興味を抱き、帰国後大学進学を決意。一念発起で受験勉強をし、25歳で早稲田大学人間科学部に入学。その後2007年に臨床心理士、2009年に博士学位を取得する。専門は認知行動療法。現在は「楽しく子育て」をモットーにいくじ(育児・育自)に関するサポートを行っている。また、勉強への興味が乏しかった幼少期の経験をもとに、子どもたちが「楽しみながら学ぶ」ための活動も展開中。2児の母。

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椎葉咲子(苺乃ちゃん、胡桃ちゃん)

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