勝手に利息が減る? “預金連動型住宅ローン”のメリット&デメリット
2017年6月8日 | よみもの勝手に利息が減る? “預金連動型住宅ローン”のメリット&デメリット

こんにちは。FPでライターのyossyです。
家を購入するときには、一般的に住宅ローンを利用する人が多いものです。
金利のタイプは、変動型か、全期間固定型か、はたまた固定期間選択型か。頭金はどれくらい入れるべきか。どの金融機関を選ぶべきか……などなど、悩みはつきません。
さまざまな住宅ローンの商品がありますが、皆さんは『預金連動型住宅ローン』というのを聞いたことがあるでしょうか?
今回は、預金連動型住宅ローンのメリット・デメリットをご紹介しましょう。

預金額に応じて利息がかかる額が変わる
預金連動型住宅ローンというのは、簡単に言えば、“借入額から預金額を差し引いた額で利息額が計算される”という商品です。
※具体的な商品内容は金融機関によって異なります。
※差し引ける上限割合が決められている場合もあります。
住宅ローンを利用する場合、“利息の額”はとても重要です。
借入額が3,000万円だったとして、仮に1%の金利がずっと続いたとしましょう。35年間借りるとすると、実際に支払う総額は約3,557万円。利息分が500万円以上になるわけです。
・借入額(元本)が多い
・返済期間が長い
・金利が高い
という条件によって、利息額は膨らんでいきます。
繰り上げ返済をすればその分借入額が減るので、総返済額が減り、返済期間も短くなります(期間短縮型の場合)。だから頑張って繰り上げ返済する人が多いのですね。
【メリット】繰り上げ返済と似た効果&住宅ローン残高は減らない
預金連動型住宅ローンの場合、預金額は減らないままで、繰り上げ返済に似た利息軽減効果があります。
※実際の繰り上げ返済のように、返済期間が短くなったり、(金利変動以外の理由で)毎月返済額が減ったりすることはありません。
繰り上げ返済をすると、利息軽減効果がある一方、
・手元の現金が減ってしまう(いざというときに困る危険性がある)
・住宅ローンの借入額が減り、住宅ローン控除のメリットが減る(なくなる)こともある
というリスクがあります。
でも、預金連動型住宅ローンの場合は、そういったデメリットは発生しません。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、入居年や条件によって大きく内容が変わってきます。
たとえば一般住宅で平成26年4月1日以降に入居した場合、年間で最大40万円、上限額までいかない場合、“年末残高×1%”が控除されます。納めた税金が返ってくるんですね。
ただし、「返済期間が10年以上あること」などといった条件がありますし、借入額が4,000万円を切れば控除額は減っていきますので、繰り上げ返済をすることで逆に損をしてしまうこともある、というわけです。
【デメリット】まとまった預金額がなければ、損をすることも
では、デメリットについてもふれておきましょう。上記のメリットは、まとまった額の預金額があるからこそ得られるものです。
預金連動型住宅ローンの場合、利息がかかる額は減りますが、金利そのものは通常の住宅ローンよりも一般的に高いです。
預金額が少ない場合は逆に利息額が膨らんで、返済額が増えるということになってしまうのですね。
いかがでしょうか。自分の返済プランや収支状況をふまえて、しっかりとシミュレーションしたいですね。
実際の内容は商品ごとに異なりますので、詳しくは金融機関に問い合わせてみてください。
【参考リンク】
・住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除) | 国税庁