夫婦円満の秘訣

何をしておけばイイ? 子どもがいない夫婦の現実的な老後対策4つ

何をしておけばイイ? 子どもがいない夫婦の現実的な老後対策4つ

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こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。

筆者の友人の中にも40代でお子さんがいない既婚者の女性が何人かいらっしゃいますが、彼女たちは折に触れて異口同音に“老後の不安”を訴えています。

夫婦ともに健康でさえあれば経済的にそれほど困ることはないかもしれないけれど、万が一夫が病床に伏したり要介護の状態になったりしたら、子どもがいなくて金銭的・精神的・物理的に果たしてやって行けるのか? 心配事が絶えないようです。

子どもがいない夫婦は老後に備えて何をしておけばいいのか。この問題を普通の庶民目線で、なおかつ主に一人残される確率が高い妻(女性)の側の視点に立って、一緒に考えてみましょう。

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公的年金の保険料を滞納なく支払い、いくらでもいいので貯蓄を作る

同じようなテーマを扱ったネット上のサイトを見てみますと、多くの場合はファイナンシャルプランナーのような“お金の専門家”の方が、「老後に備えて貯蓄は最低でも数千万円。子どもがいない夫婦の場合プラスアルファであと数千万円はほしいところ」などといったような記事を書かれています。

間違いだとは申しませんが、働く人の4割が非正規雇用となった今のわが国では、そういった見解は一部の恵まれたご夫婦へのアドバイスにしかなりえないように思えます。

むしろ筆者は経済的なことに関してであれば、

(1)国民年金の人は大変でも年金保険料を滞納なく支払いつづけること。

(2)非正規でも社会保険に加入させてもらえる人は厚生年金に加入しておくこと(さきごろの法改正で月に一定時間以上勤務する人はパートやアルバイトでも社会保険に加入できるようになりました)。

(3)金額にかかわらず可能な限りの貯蓄をしておくこと。

以上の3点を、子どもがいないご夫婦には心がけていただきたいと思うのです。

なぜならば、子どものいないご夫婦の場合は子どもがいる人たちのほとんどが直面する“公立でも最低1千万円”という「教育にかかる出費」がないため、この3点のようなことであればけっしてできないことではないからです。

老後資金としての安定感では何だかんだ言っても公的年金にかなうものはありません。

趣味でもパート勤務でもいいので若い人たちとの接点を維持することを心がける

経済的な問題以外で子どもがいないご夫婦に心がけておいていただきたいことの第一は、“若い人たちとの接点を維持すること”です。

人はみんな日常の暮らしの中の多くの場面で自分では気づかないくらい若い人たちや子どもたちに助けられながら生きています。

ここでいう「助けられながら」というのには二重の意味があり、一つは「実際の生活の面で助けられて」ということ。もう一つは「励みとか心の支えという面で助けられて」ということです。

50代後半の筆者であれば、パソコンやスマホを使いこなす上で職場の若い人たちや自分の子どもたちに随分教えてもらいましたし、また自分の子どもの存在というものは他に代わりうるものがないくらい、心の支えとなります。

そしてまた、若い人たちとの接点がある人はたとえ自分に子どもがいなくてもあまり老け込んでいない印象があります。

ただ、自分の子どもがいないご夫婦の場合、若い人たちとのコミュニケーションを持つといっても自分の子どもに対するのと同じようなわけにはいきません。

彼らの手を物理的に煩わせるのではなく、瑞々しい感性と最新の情報を分けてもらえればありがたいといった程度の心づもりで付き合った方がいいでしょう。

また、若い人たちとの接点を維持するためには、もちろん趣味のサークルや地域のボランティア活動などを通してでもいいのですが、パートやアルバイトの仕事を通してだと収入にもつながり一石二鳥の面があります。

同じように子どものいない友人を積極的につくるようにし、役立つ情報を共有する

夫婦二人で楽しく穏やかに生きてこられたとしても、いずれはパートナーに先立たれる日は来ます。

男性と女性の平均寿命から考えれば、夫の方が先に旅立つケースの方が多数派でしょう。それまでは嬉しいことも腹が立つことも夫と二人で分かち合って生きてきたのが、分かち合う相手がいなくなります。

この状態はある意味、ずっと「お一人」で生きてこられた独身女性と同様の状態です。

評論家としても活躍している精神科医の香山リカさんは、著書の『老後がこわい』の中で、わが国のシニアシングル女性につきまとう永遠の悩みとして“住まい”と“医療”の問題をあげていますが、これはそっくりそのままパートナーに先立たれたあとの子どもがいない女性の問題でもあります。

『持家のないシニアシングル女性の住まいに関して、「これだ」という回答はない』
『医療や介護を本当に必要としている人くらい、あまり無理のない自己負担でそれを受けられるようにはできないものなのか』(香山リカ・著『老後がこわい』より引用)

香山さんもおっしゃっていますが、子どもがいないシニアシングル女性にとってこれらの悩みは、『今からあれこれ心配したって、なるようにしかならない』(同著より)というのが本当のところなのだと思います。

それでも、常に心がけておくとよいことはあります。それは、同じように子どものいない友人を積極的につくるようにし、役立つ情報を共有するということです。

自分一人きりで暮らし続けることに不安やリスクを感じるのであれば、同じような境遇の友達と一緒にNPOなどに相談して高齢者向けシェアハウスのようなところに入居するという道もあります。

わが国では西欧や北欧の先進諸国と違って、高齢者福祉にまつわる諸問題の解決法を主に“家族の自助”に求める政策が採られてきたことは、香山リカさんも著書『老後がこわい』の中で指摘している通りです。

そのような社会の中で子どものいないご夫婦が平穏な日常を過ごすために大切なものは、何よりも同様の立場の人たちとのネットワークではないでしょうか。

ママ友の人たちがママ友どうしで情報共有をしているように、お子さんがいない人どうしでもそうするのがいいと思います。

パートナーに遺産の全額を引き継いでほしいなら遺言書を書いておくこと

数年前のCNNの記事で、英国オープン大学が実施した夫婦関係の満足度に関する調査結果について書かれたものがありました。

それによると、『子どものいない夫婦の方が、子どものいる夫婦に比べて、夫婦関係に対する満足度が高く、関係を保つことに努めている』という結果が出たそうです。

筆者の親類にも、お互い70代後半になっても仲睦まじく頻繁に旅行を楽しんでいる夫婦がおりますが、見ていてもうらやましい気持ちになります。

また仕事上の友人でもある冒頭でご紹介した40代の既婚女性たちも、旦那さまとのことになると本当にいつまでも恋人同士のような感じでお話しをされるのでとても微笑ましく、ついついこちらまで心が温まってしまうようです。

最後に、子どものいないご夫婦のどちらかが高齢となり一生を共にしてくれたパートナーに(多少にかかわらず)資産の全額を引き継いでもらいたいと願う場合は、しかるべき遺言書を書いておくことを忘れないでください。

ご自身に存命中の兄弟姉妹がいらっしゃる場合には、その兄弟姉妹の方も法定相続人となりますので、遺言書がないと遺産分割協議が必要となります。注意しましょう。

【参考文献】
・『老後がこわい』香山リカ・著

●モデル/藤沢リキヤ福永桃子

ライター紹介

鈴木かつよし

鈴木かつよし

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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