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貧乏でも大丈夫!? やりがいのある仕事に就いた先輩たちの就職体験談3つ

貧乏でも大丈夫!? やりがいのある仕事に就いた先輩たちの就職体験談3つ

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こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。

東京都が2016年に墨田区・豊島区・調布市・日野市に住む小学5年生・中学2年生・高校2年生の子どもがいる家庭およそ2万世帯を対象に行った調査によると、全体の約20%に上る“生活困難層”のうち特に困難度合いの高い“困窮層”では13.1%もの子どもが「自分が価値のある人間とは思えない」と答えていることがわかりました。

「同級生たちは医者や弁護士になるのが夢だと言ってるけど、うちに勉強部屋すらない自分に夢なんか持てない」。そんなお子さんを見て不憫に思っていらっしゃるパパとママへ、筆者の3人の若い友たちの話をさせていただきたいと思います。

3人とも学歴や家庭環境への不安を理由に思春期には自己肯定感を持てなかったものの、「夢中になれること」「天職と思える仕事」に出合えたために人生が変わった経験を持つ人たちです。

学歴や家庭環境への不安などが理由で将来を悲観しているお子さんのために、参考にしていただければ幸いです。

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皆が目指す“一流大学から大企業正社員”の道でなくギター作り職人になったMさん

Mさん(26歳/女性)は困窮家庭というよりもむしろ、どちらかというと経済的には恵まれた家庭で育ちました。

お父様は鉄道会社系の大企業に勤務、お母様は先生で、大手の食品会社で正社員として勤務するお姉様と同じように、当時高校生だったMさんも「一流大学から大企業正社員」のコースを当然行くものだろうと周囲は思っていたそうです。

ところがMさん本人はけっして成績が悪いわけではないものの勉強に「夢中にはなれない」。

夢中になれるのは高校の友達と組んでいたロックバンドでベースを弾くこと。でも、それを職業にして食べて行けるほど甘くないことはわかっていました。

お姉様のようには褒められたり称賛されたりすることのないMさんは、『自分なんかお姉ちゃんと違って、あえて生まれてなんか来なくていい子だったんだ』と思い悩んだそうです。

そんな彼女が高校3年になったころ、ふとしたことでハンドメイドのエレキギター制作技術を学べる専門学校があることを知りました。

Mさんは『自分がやりたかったことは、これだ』と思い、大学には進学せずにエレキギターを作る職人を目指すことにします。

今、26歳になったMさんは、彼女を指名してギターの制作を注文してくるプロのロックギタリストのお客さんを何人か持つまでに至りました。

お師匠さんのようにそれだけで食べていけるところまではいきませんが、お姉様が勤務する食品会社で契約社員として働いてもいますので、生活は問題ありません。同い年の彼と入籍する日も近いようです。

母子家庭のため塾にも通えなかったSくんは天性の数学センスを自覚してから変身

Sくん(25歳/男性)の場合、中1のときにお父様が急病でなくなってからお母様がたった一人で家計を支えたため、生活は大変だったそうです。

他の友達と同じように塾に行きたいなどと言い出せるような状況ではなかったといいます。

しかも成績全般はけっしていい方ではなかったSくんは、塾にも行けない自分が将来ろくな仕事になど就けるわけがないと、中2の終わり頃までは自暴自棄に陥っていたとのことです。

ところが中3のとき、Sくんは友達がみんな「難しい」と言う数学の問題を自分だけは誰に解き方を教わったわけでもないのに難なく解けてしまうことに気づきます。Sくんには天性の数学的センスがあったのです。

そのことを自覚してからというものSくんは変わったと言っています。県立高校に進んでからは数学に関しては教科書に載っている問題では飽き足らないため、バイトで稼いだお金でより専門的な数学書を購入し独学で勉強したとのこと。

Sくんは数学のアドバンテージで他の科目の点数をカバーするという方法で東京にある国立の工科系大学に合格し、4年後には世界的な通信機器メーカーに技術者として就職したのです。

『あのとき自分には特別な数学の才能があるということに気づいていなかったら、今ごろ僕は愚痴ばかり言いながら生きるためだけの仕事に追われて暮らしていたと思います』

そう言うSくんも来年に予定されている海外赴任の前には、バイト先で知り合い一緒に暮らしている彼女と正式に結婚するつもりだとのことです。

親の経営する会社が倒産して高校も中退の危機。母方の祖母の激励で立ち上がったWさん

Wさん(28歳/女性)は高校1年生のときにお父様が経営していた会社が倒産し、貧困生活に陥りました。

お母様の派遣社員としての収入だけでは家族が生きていくだけでやっと。中学校から私立の中高一貫女子校に通っていたWさんは退学して働くことを考えます。

『指定校推薦で大学に行き、キャリアウーマンを目指す』というWさんの夢ははかなく散り、『もうどうでもいいわ』という気持ちになったそうです。

そんなとき、ご自身だってけっして生活が楽ではない母方のおばあ様が大切な貯金からWさんの当面の学費を出してくださったとのこと。

おばあ様いわく『あなたは女の子だけど大学まで行ってしっかり学問さえすれば、きっと大きな組織の管理職も務まるような人になる。それだけの器があるよ。だから高校を中退してはだめよ

投げやりになりかけていたWさんは気持ちを立て直し、当初の目標通り指定校推薦を貰って女子大学で4年間学び、就職超氷河期であったにもかかわらず国内最大手の医療機器メーカーに採用され、今では昇格試験にも合格し幹部候補生として生き生きとした毎日を過ごしています。2歳の男の子のママでもあります。


いかがでしたでしょうか。

もちろん、困窮家庭で自己肯定感を持てずにいるお子さんがみんな今回ご紹介した3人のようにプラス思考に転じることができるかといえば、そういうわけではありません。

むしろ、「こんなのはすごく恵まれている例にすぎない」とおっしゃる方も多いでしょう。

しかし、“絶望感”に近いものから“軽い憂鬱”的なものまで程度の差こそあれ、3人が思春期の一時期に「自分なんかもう大した人生を送れっこない」と感じていたところから「自分にとって大切なもの」を見つけたことによって立ち直り、そこから先は本人たちの意思と努力で幸せをつかんでいったということは紛れもない事実です。

学歴や家庭環境への不安が理由で将来を悲観しているお子さんにはパパとママから(この3人の例をストレートに話すのではなく)そんな人も実際にいたらしいよといった程度の励ましのために、参考にしていただけたらと思います。

ライター紹介

鈴木かつよし

鈴木かつよし

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

ライター紹介

前田彩(桃花ちゃん)

前田彩(桃花ちゃん)

明るく楽しい人生を送ることが将来の目標です。

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