TOEFLだけじゃない!? 世界で通用する大学入学のための資格試験4選
2017年4月5日 | よみものTOEFLだけじゃない!? 世界で通用する大学入学のための資格試験4選

こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。
日本の大学入試は、原則として“高校卒業と成績とテスト”がセットで必要です。
ところが、海外で学ぼうとすると、行きたい国・行きたい大学によって、求められる「資格」や「テスト」が変わってきます。
今、世界で主に通用している大学入学のための資格試験についてまとめてみました。

(1)TOEFL(Test of English as a Foreign Language)
日本の高校または大学から、海外の大学や大学院に入学・編入学を希望するとき、英語力を証明するためにTOEFLの点数を提出するよう求められることが多いでしょう。
TOEFL試験を運営する『ETS』によると、『オーストラリアやカナダ、英国、米国を含め130か国9,000以上の大学や機関に認められて』います。
世界中、誰でも何度でも受験できるテストで、一定期間内に取得した一番良い成績を使うことが許されます。
またTOEFLは、最近増えている日本人帰国子女の英語力を証明する手段としても利用されています。
TOEFLの点数が日本の高校や大学の帰国枠入試で考査材料になることも増えています。
(2)IB(International Baccalaureate)
国際的に通用する大学入学資格制度であり、認定校で2年間のディプロマコースを学んだ後に試験を受け、必要とされる得点を取ればIBディプロマという資格を得ることができます。
IDディプロマは大学入学資格であり、高ディプロマはハイレベル大学の入学資格となり、2年生に飛び級できたり、単位の一部免除を受けられたり、奨学金を得られたりといったメリットもあります。
『IBO』によると、『急速にグローバル化が進む世界で生き・学び・働くうえで必要とされる、知性、個性、感性、社会性を育てる』『3~19歳の学生のためのプログラム』とのこと。
IBプログラムはTOEFLとは違い、一般的な高校で学ぶだろう教科すべてにおいて、解析・証明・論説といった学習と試験を受ける必要があり、独学での対応は原則不可能です。
また、IBは2年のIBコースを履修して試験を受ける原則1回のみのチャンスとなります。
(3)SAT(Scholastic Assessment Test)
アメリカの大学進学で利用されることの多い学力試験です。
語学と数学分野のSATⅠとそれ以外の教科のSATⅡがあり、大学側がSATⅠのみ、またはSATⅡの一部を受験資格として指定します。
SATを運営するCollege Boardによると、『多くの大学がCollege Boardから直接スコアレポートを送るように受験者に要求している』とのこと。
College Boardは試験結果を登録した大学へと直接送ってくれるため、受験者は無駄なく入学や奨学制度にアプライすることが可能です。
試験そのものは何度も受験可能ですが、成績は過去複数回分のスコアがまとめてレポートとして出ます。
そのため、一番高得点の分だけを提出するということは原則できません。
日本からアメリカの大学へと進学を希望する学生が多いこともあり、国内にSAT対策予備校などもあります。
ただし、アメリカ以外の国の大学への進学を希望する場合には、SATが資格認定として認められていないこともあるので要注意です。
(4)GCE(General Certificate of Education)、GCSE、IGCSE、GCE-A、GCE-AS
SATやIBが主にアメリカで通用するのに対し、GCE群はイギリス系の国で広く用いられています。
GCEは総称にあたり、GCSEがもっとも基本的な中等教育最終段階に受けるイギリスの統一試験です。いわば、高校卒業試験のようなもの。
その科目はオフィシャルサイトであるGOV.UKサイトに掲載されていますが、国語や数学、語学といった主要教科以外に、デザイン、コンピューター、ダンス、ドラマ、宗教など幅広く専門性の高いものも含まれています。
GCSEで一定の成績を収めると、大学進学のためのコースであるGCE-Aレベル、またはGCE-ASレベルへと進みます。
A(Advance)は上級、ASは準上級を意味し、ある程度専攻分野を決めて集中的な学習を行います。
日本の大学の教養課程、またはカレッジレベルともいわれます。
IGCSEはGCSEのInternational版で、世界各地にある英国系インターナショナル校で使われています。
大学進学を目指す場合は、IGCSEの後にAレベルを受験します。GCEも原則学校教育を受けた後に受験し、受験回数は1度です。
まとめとして
それぞれのテストに、通用しやすい得意な国があったり、受けるための条件もあったりするため、どれでも好きなものを選べるというわけではありません。
IBやGCEを選ぶ場合には、遅くともIBやGCEの試験用カリキュラムがスタートする中学生のころには必要な環境を準備する必要がでてきます。
TOEFLやSATは、日本の普通の高校や大学に在学していても本人の努力しだいで受験が可能であり、その結果次第で海外の大学への進学・留学がスムーズに、または国内の希望校入学も可能になります。
それぞれの試験の特徴をよく理解し、さらに変化著しい受験情報をしっかりとチェックすることで、今後の教育の選択肢を広げていきたいですね。
【参考リンク】
・TOEFL
・SAT Suite of Assessments | The College Board
・International education | International Baccalaureate®
・GCSE subject content | GOV.UK