敷金トラブルを防ぐ! 転居時に“敷金診断士”を頼るメリットと報酬額

こんにちは! ライターの月極姫です。

暖かくなる時期に合わせて引っ越しを予定しているご家庭も多いかと思いますが、賃貸物件から退去する場合、どれくらいお金が返ってくるのか気になるのが“敷金”ですよね。

よく聞くけど敷金って何?

そもそも敷金というのは、居住期間に劣化した物件を修理して元の状態に戻す(原状回復工事)ために、

物件を借りる人が貸主に納めるお金です。

物件により、また地方により、契約時に何か月分の敷金を預けているのかは違ってきます。

東日本でいう「敷金」が、西日本では「保証金」と呼ばれることもありますが、そこから原状回復費用が差し引かれる点は同じです。

できるだけ損をせず、妥当な金額が戻ってくることによって、借主は転居にかかるお金を節約することができます。

しかし、多くの借主はしょせん不動産のド素人。知識不足で多く取られるトラブルや金額感がわからないことも多々あります。

「えっ、これしか戻ってこないの?」といった転居時のトラブルを防ぐために、力になってくれるかもしれない専門家もいるのです。

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「敷金診断士」は敷金の専門知識を持つ民間資格者

あまり耳慣れない資格名かもしれませんが、「敷金診断士」とは『日本住宅性能検査協会』(特定非営利活動法人)の認定を受けた敷金問題の専門家です。

貸主が提示した原状回復工事の費用が適切かどうか、現場を検証して診断するのが主な業務です。

診断の結果は敷金診断書として書類にしてくれますが、この診断書を貸主側に見せることによって返ってくる金額が増額したり、場合によっては「検査協会に依頼した」と言うだけで貸主の態度が軟化するケースもあるようです。

退去当日、貸主と借主の立ち合いに敷金診断士も同席してくれるので、1人での交渉に不安がある方には心強い存在かもしれませんね。

現在国内に7つの支部組織があり、各地の敷金相談についてネット検索すると「○○敷金診断センター」などの名称で出てきます。

敷金診断士を依頼する場合のメリット

敷金交渉に不安がある場合は、敷金診断士への依頼をお勧めするとお伝えしましが、

依頼をすることでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットをご紹介します。

  • 適正な原状回復費用が査定され、適正な敷金返還が受けられる
  • 貸主とのトラブルが少なくなる
  • 退去時の立ち会いに同席してもらえるため心強い
  • 自ら原状回復費用の負担割合等について知識を得る必要がない

敷金診断士を依頼する最大のメリットは、「適正な敷金が返還される」ということです。

借主の知識不足から、貸主主導の交渉となり、適正額より多額の原状回復費を請求されるといったことを避けられます。

第三者の専門家が間に入ることで、後々のトラブルも大幅に減ります。敷金診断士を依頼している場合は、自ら、敷金返還についての知識を勉強する必要もなくなります。最近では「敷金診断士に依頼している」と伝えるだけで、不動産屋さんの態度が軟化するといったこともあるようです。退去時の立ち会いに同席してもらえるといった点も、心強いので、不安があり場合は是非とも依頼を検討して下さい。

敷金診断士への依頼の流れ

  1. 相談・ヒアリング
    メールや電話などで、敷金診断士に連絡する。現在の入居状況や契約内容などを詳しく伝える。
  2. 診断士より連絡が入る
    数日後、敷金診断士が査定したおよその返還金額が伝えられる。実際に診断書を作成してもらいたい場合は、退居の日程を伝え、当日の立ち会いにおけるスケジュールのすり合わせをおこなう。
  3. 退居前の準備
    退居前は、少しでも入居前の状態に近づけるため、なるべくきれいに掃除をしておく。また、照明など、入居してから自分で取り付けたものは全て撤去する。
  4. 退居当日
    貸主との立ち会いに、敷金診断士が同席。敷金診断士は、室内の状況確認や写真撮影をしながら査定をおこなう。
  5. 診断書作成
    敷金診断士が、事前のヒアリング結果・当日に確認した住居の状態をもとに、診断書を作成。その診断書をもとに交渉をおこなう。
    ※支部や診断士によっては、診断書は退居当日ではなく、後日に送付される場合があります。
  6. 敷金返還
    貸主と借主の互いが合意した金額の敷金が返還される。

敷金診断士への報酬と返ってくるお金のバランスを考えて

敷金のトラブルで困った場合、よくわからないまま損をしてしまうよりも、こうした専門家に相談してみる価値はあると思います。

ただし、診断士への報酬を差し引いても自分にとってプラスがあるかどうかは、自分の責任で判断しなければなりません。

気になる報酬ですが、間取りや面積によって異なってきます。1人~2人暮らし仕様のアパートやマンションで、2万円~2万5千円、戸建てで3万円~程度が多いようです。

依頼する前に見積もりをしてくれるところも多いですが、納めてある敷金の総額、貸主に提示された原状回復工事費用等を敷金診断士に伝え、プラスの見込みがあるかどうかよく検討してから依頼を決めるようにしましょう。

また、退去前に依頼するか、退去後に納得がいかず依頼するかにもよって、料金が変わってきます。

滞りなく査定を行ってもらうためにも、早いタイミングでの報酬確認と相談がベストです。

 

敷金診断士に頼るのが有効なケースとは

誰にも頼らず円満に退去できるのが一番ですが、以下のような場合で不安があるなら、相談してみる価値はあります。

・内緒でペットを飼う、タバコを吸うなどして予想外に物件を汚してしまった
・女性や法律知識に乏しい人の一人暮らし
・夫が忙しく、転居に関する手続き一切を女性が受け持つ場合
・退去の意思を貸主に伝えた段階で「敷金はほとんど修理に充てられると思う」などのざっくりとした言い方で、具体的な説明がなく納得いかない
・貸主から書面で敷金の使い道について連絡が来たが、高額過ぎるなど内容に納得がいかず、不自然な点がみられる
・敷金が高額な場合

そもそも入居してすぐ退去するような場合は、敷金が戻ってこないケースも考えられるので、まずは契約書をよく読み直してから敷金の返還について考えましょう。

女性が1人で手続きする場合、よほど民法に強い女性や専門家でもない限り、貸主による偏見で見くびられてしまったり、強く言われて納得のいかないまま承諾してしまったりするリスクも考えられます。

そのため、可能であれば旦那様など男性に窓口になってもらうか、独身の女性なら敷金診断士に依頼することで安心できるかもしれませんね。

最後に気を付けなければならない点としては、敷金診断士はあくまで民間資格の保持者であり、法律の専門家としての力には限界があるというところです。

金額が大きく、こじれて裁判になる場合は、敷金診断士の出番はそこで終了です。

作ってもらった診断書等の資料を揃えて、速やかに弁護士か司法書士に相談するようにしてください。法テラスの無料相談を利用して、敷金問題に強い弁護士に依頼するといいでしょう。

【参考リンク】
敷金診断士 | 日本住宅性能検査協会