晴れの日の5倍キケン!? 子どもに徹底させたい雨の日の交通事故対策
2017年3月10日 | よみもの晴れの日の5倍キケン!? 子どもに徹底させたい雨の日の交通事故対策

みなさん、こんにちは。元教習指導員の奈都木あやです。
雨の日、傘をさして学校に向かうわが子の姿に、なんとなく不安な気持ちになる方も多いのではないでしょうか?
「雨に濡れて風邪ひかないかしら? 歩道橋で滑ってケガするんじゃないかしら? それから、それから……交通事故に遭わないかしら?」という具合に。
そうです。雨の日の道路は、晴れの日以上に危険がいっぱいです。
『首都高速道路株式会社』の調査によると、交通事故件数は『雨の日は晴れの日の5倍』です(平成27年度)。
今回は、雨の日の不安が少しでも減るように、注意点とお子さんへの伝え方をご紹介します。

傘の扱い方
視界を遮らないようにさす
歩行者にとって、雨の日の代表的なリスクと言えば、これです。傘で視界が遮られる!
まずは大人が安全を確かめながら、子どもに体験させることです。
実際に、道路で傘を前に倒して歩かせてみましょう。次に、視界を確保できるように傘を上げさせてみてください。こんなにも違うものなんだ、と子ども自身が実感するはずです。
「傘は顔を隠さないようにさそうね」と教えましょう。
横に並んで歩かない
特に、女子は並んでおしゃべりしながら歩きたがるものです。しかし、傘をさしているときの危険は倍増です。
またまた、体験してみましょう。狭い道路を選び、周りの交通にはくれぐれも注意してください。
まずは、傘を開かずに横に並んで歩いてみましょう。次に、傘を開いてみましょう。右側の人は、簡単に車道へはみ出してしまうはずです。
雨の日は、一列になって歩くことを言い聞かせておきましょう。
傘で遊ばない
特に、男子は注意が必要ですね。傘をくるくる回してみたり、閉じた傘でチャンバラごっこをしてみたり……。楽しすぎて、車への警戒心がなくなってしまうのは容易に想像がつきます。
「傘はおもちゃではない」「道路は遊び場ではない」ということを、繰り返し伝えておきましょう。
水たまり
水たまりで遊ばない
基本的に、子どもは水たまりが大好きですよね。レインブーツをはいているのをいいことに、水たまりに入ってみたり、傘の先で水をかき混ぜてみたり……。
もう、自動車に対する恐怖心はゼロと言っても過言ではありません。しかも、雨音で自動車の接近に気づきにくい状態です。
だから、登下校中の水たまり遊びは厳禁! 固くお約束しておきましょう。
水たまりをよけるときは周りの車に気をつける
濡れたくない一心で、水たまりをよけることに集中しすぎることも懸念されます。よけるときにも安全確認が必要であることを教えましょう。
前方への注意はもちろんのこと、必ず後ろを振り返り、車が近づいてきていないことを確認してからよけさせましょう。
視認性を高める

雨具や洋服は目立つ色のものを
雨の日はドライバーの視界も悪く、歩行者に気づきにくくなります。少しでも子どもの存在を目立たせる工夫が必要です。
傘、レインコート、レインブーツなどの雨具は、機能性もさることながら明るめの色を選びましょう。
また、レインコートを着ない場合は、洋服の色を目立ちやすいものにしましょう。
突然の雨でも走らない
天気予報がはずれることもあれば、夏場には夕立ちやゲリラ雷雨もあります。雨が降ってきたのに傘を持っていなければ、走りたくなるものです。
しかし、それこそが飛び出し事故を招いてしまいます。
命を落とすよりは、濡れる方がよっぽどいいですね。急な雨でも走らないようにと伝えておきましょう。
ドライバーを過信しない
ドライバー側の事情も知っておく必要があります。その上で、事故に巻き込まないように、警戒心を高めさせましょう。
雨の日にドライバーの視界が悪くなる理由
・昼間でも薄暗い
・窓ガラスやサイドミラーに水滴が付着している
・窓ガラスがくもっている
・窓ガラスに油膜がついていて、ワイパーの効果を発揮できていない
・夕暮れ時や夜間には乱反射する
ドライバーは自分(歩行者)を発見できているとは限りません。「止まってくれるだろう」「よけてくれるだろう」という期待は命取りです。
雨の日の特徴的な事故
雨に濡れた道路は滑りやすく、車がスリップすることもあります。
特に、工事現場の鉄板や路面電車のレール、マンホールの上などを通過中の車には注意が必要です。
雨の日に、不自然に速いスピードで走ってくる車がいたら、かなり要注意であると伝えておきましょう。
大人でも、荷物を持って傘をさして、濡れないように気を配りながら安全に歩くのは難しいことです。
雨の日は、親子ともに少しでも心に余裕を持てるように、早めに送り出しましょう。
【参考文献】
・『安全運転の知識』警視庁交通局運転免許課(監修)社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会(編集・発行)
・『わかる 身につく 交通教本』一般財団法人 全日本交通安全協会(編集・発行)
【参考リンク】
・雨の日に事故が多発しています 首都高を使う | 首都高ドライバーズサイト
・インターネット情報発信「交通安全ライブラリー」 | 一般財団法人 日本交通安全教育普及協会