SOSを見逃さないで! 大切な”胎動”の基礎知識3つ

【女性からの相談】
妊娠8か月の妊婦です。身近な人が死産を経験していて、私もそうなるのではないかと不安で仕方がありません。

無事に産まれるという確証のようなものが欲しいのですが、そんなものはないですよね……。

a 赤ちゃんが動いているのは元気な証拠です!

妊娠8か月とのことですから、お腹の赤ちゃんは毎日元気に動いているのではないでしょうか?

胎動(お腹の中で赤ちゃんが動くこと)を感じるのは、初産で大体妊娠20週、経産で妊娠16週と言われています。

この胎動を感じるようになれば、病院で児心音を確認しなくても赤ちゃんの存在を実感できますから、赤ちゃんをもっと身近に感じるようになります。

今日は、この「胎動」について少しお話しします。

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(1)自分の赤ちゃんの睡眠パターンを知ろう

赤ちゃんによって、昼間たくさん動いて夜は静かになる子もいれば、逆に昼間は静かなのに、夜になると暴れ出してお母さんの睡眠不足の原因になる子もいます

あなたの赤ちゃんはどうですか? 不思議なもので、まだ産まれてもいないのに、生活パターンのようなものができてきているんですよね。

また、一般的にお腹の赤ちゃんは約40分おきに睡眠と覚醒のサイクルを繰り返していると言われています。

そして、眠っているときは動きません。つまり、40分程度なら、全く胎動を感じなくても不思議はないということです。

もしも、いつもは動き回っている時間帯なのにほとんど動きがなかったり、動き方がいつもと違ったりしているようなら要注意です。

さらに、全く動かない時間が1時間以上にもなるようなら、お腹に全神経を集中して、胎動を観察してください

もし眠っているだけなら、氷水を飲むと赤ちゃんがびっくりして目を覚ますことが多いので、ぜひ試してみてください。

それに加えて、お腹を軽くトントンしながら話かけるなどしてみましょう。

それでもまったく動きがないようなら、かかりつけの産科に連絡を入れて状況を説明して下さい。

(2)胎動の減少は最初のSOS

赤ちゃんに何らかの異常が起こると、モニターやエコーなどで何らかのサインを見ることができる場合もあります。ですが、一番最初に見られる徴候は、胎動の減少”です。

これはイギリスで行われた研究で明らかになっており、母親からの「赤ちゃんの動きが悪い」という訴えは、非常に重要視されています。

つまり、モニターやエコーで異常を発見したときにはもう手遅れかもしれない状況でも、胎動が少ないと感じた時点で診察していれば、助かるケースがあるということです。

(3)赤ちゃんは産まれるまで動き続ける

「お産が近くなると胎動がなくなる」などという戯言が、まことしやかにささやかれている時代がありました。

今でもそんなことを言う人がいるのかはわかりませんが、これはとんでもないデマです。

助産師という仕事柄、死産も何件か扱ってきましたが、このデマを信じて、赤ちゃんが動かないことに気づいていたのに病院に連絡せず、手遅れになったケースを数件知っています。

赤ちゃんは産まれるまで動き続けます。これだけは必ず覚えておいて下さい。


逆に怖がらせてしまったかもしれませんが、今日の話の要点は、「お腹のなかで動いている限り赤ちゃんは元気である」ということです。

もちろん分娩にはたくさんの危険が伴いますが、緊急帝王切開が実施できる病院で産む限りは、死産はまず起こりません。

死産の過半数は、病院に着いた時点で赤ちゃんは既にお腹の中で亡くなっており、そして、そのほとんどが原因不明です。

つまり、お母さんが胎動を感じ続けている限り、赤ちゃんは無事に産まれて来るということなのです。

どうか心配し過ぎず、残り少ない妊婦生活を楽しんで下さいね。

●ライター/Hillまゆ子(助産師)

編集部追記

今回のコラムでは、胎児の無事を確信する方法として、「胎動を確認してみましょう」という視点でアドバイスをいただきました。

「胎動」について、他にもまだまだお伝えしたいことがあるので、編集部で追記させていただきます。

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そもそも胎動って?

胎動とは、お腹の中にいる赤ちゃんが動いていることを指します。外からは見えない胎児とコミュニケーションをはかる唯一の手段とも言えます。

赤ちゃんの動きは主に手や足を伸ばしたりするときに感じることが多いようですが、それぞれ動き方や感じ方は異なります。

胎動を感じることができるのは、早い人で5か月目から、平均では6か月目から確認できるようです。

食事制限や体重管理など、さまざまな苦労を乗り越えたママにとって、胎動を感じる瞬間というのはとても感動的な体験だと言われます。

一番胎動を感じやすいのは、横になっているときやお風呂に入っているときなど、リラックスしている状態のときが多いようです。

胎動と前駆陣痛は似てる!?

胎動と前駆陣痛は別の理由で起こりますが、痛みや張りなど似ている部分も多く、違いが分からない人もいるようです。

以下では、胎動と前駆陣痛についてお話しします。

痛み

赤ちゃんの元気を感じることができる胎動ですが、人によっては痛みを伴うことがあるようです。

元気に活動する赤ちゃんはお腹の中でパンチやキックを無差別に繰り出します。

それが便秘のときの腸や膀胱、肋骨などに当たると強い痛みを感じるそうです。

しかし、胎動による痛みのほとんどは正常なこととされているので、むやみに心配しないようにしましょう

一方、前駆陣痛では、本陣痛の予行演習として、不規則に子宮を収縮させますが、それが原因で痛みを感じます。

普段から胎動が激しい人は普段から痛みが強く、前駆陣痛が始まっても気づかないこともあるようです。

胎動も前駆陣痛も不規則で痛みに強弱があることから、見分けをつけることはむずかしいですが、一般的に前駆陣痛は体勢を変えれば痛みが治まると言われています。

また、胎動の場合は子宮の下部分や膀胱を押されているように感じることも多いようです。

お腹の張り

こちらも胎動、前駆陣痛両方に見られる症状です。

臨月に入ると、赤ちゃんは子宮の下のほうに降りてきます。そうすると、お腹が圧迫されて張りができるようになりますが、さらに胎動が加わることで強い張りを感じることがあるようです。

一方、前駆陣痛でもお腹は張ります。人によっては長い時間張った状態が続くそうです。

こちらも胎動や前駆陣痛が原因の張りであれば心配ありませんが、カチコチになるほど張ったり、それが原因でがまんできない痛みが生じるようなら別の病気の可能性があります

お腹の張り方がいつもと違うと感じたら病院で相談すると安心です。

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胎動が激しいときの対処法

胎動を感じるのは赤ちゃんが元気な証拠ですが、あまりにも激しいと痛みでツラい思いをするママも少なくないようです。

そんなときは、痛みを感じる箇所をやさしくゆすってあげましょう。確実な方法ではありませんが、赤ちゃんがキックをする場所が少しずれることがあるそうです。

また、後述するキックゲームで胎動をコントロールする方法もあります。

とくに膀胱などを蹴られたときは悶絶するほどの痛みがあるとのことなので、あまり痛みを感じない場所を叩いて誘導してあげましょう。

赤ちゃんはママの内臓で遊ぶ!?

衝撃的な見出しですが、赤ちゃんはママの内臓で遊んでいるのではないかという説もあります。

便秘のときの腸や、尿がたまってふくらんだ膀胱を感じると、赤ちゃんはパンチやキックで跳ね返そうとするようです。

これが悶絶するほど痛いそうですが、元気な証拠だと割り切って耐えるしかありません……。

また、エコーで胎児がへその緒を掴んでいる様子が見られることもあり、赤ちゃんはへその緒でも遊んでいると言われています。

胎動の場所で逆子が分かる!?

ママのお腹の中で自由に動き回る赤ちゃん。基本的に胎動には固定された場所はありません。

しかし、通常はおへそから上の場所で、胃や肋骨などで感じることが多いようです。

反対に、逆子の場合はおへそから下の場所で感じると言われています。

とくに肛門や膀胱などが刺激され、トイレが近くなったりすることもあるようです。

このようなことから、おへその下あたりを中心に胎動を感じるなら逆子の可能性があると言えますが、基本的に30週までは治りやすいとされているので、むやみに焦らないようにしましょう。

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妊娠期間によって胎動が変わる

赤ちゃんの健康を知ることができる胎動ですが、赤ちゃんの成長とともに感じ方は異なるようです。

妊娠初期

妊娠5か月目まではほとんど胎動を感じることはありません。

しかし、このくらいの時期でも赤ちゃんは活発に動いており、ママにその存在を伝えようとしています。

ちなみに、痩せている人は太っている人よりも胎動に対して敏感だといわれ、4か月目から感じる人もいるようです。

妊娠中期

この時期から、胎動を感じる人が多くなります。

はじめはとても小さな胎動から始まるため、体型などの個人差によっては気づかない人もいるようです。

大体妊娠6か月目くらいになると、赤ちゃんの胎動をしっかりと感じることができるようになり、人によっては激しさのあまり眠れないケースもあるようです。

妊娠後期

妊娠後期にさしかかると、赤ちゃんはすっかり大きくなり、胎動も重たいものになります。

普通にドスンと殴られているように感じるママも少なくないため、一番痛みを感じる時期だと言えるかもしれません。

しかし、臨月になると赤ちゃんの胎動は次第に間隔が開き、落ち着いてくるようです。

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赤ちゃんの成長

胎動は妊娠中期ごろから確認できるようになりますが、赤ちゃんはその前からずっと元気に成長しています。

そこで、以下では赤ちゃんがどのように成長していくのかを見ていきたいと思います。

妊娠初期

妊娠して3か月経つと、体や手足などが成長してきて“胎芽”から“幼児”へと変わります

このころの赤ちゃんは慎重が10〜60mm未満ととても小さいですが、着実に人間らしい姿になっていきます。

主な成長としては、手足に指が生まれて爪が生えたり、まぶたができるなどが挙げられます。この段階ではママは胎動を感じることができません。

妊娠4か月目

このころから、赤ちゃんはへその緒を通してママから栄養をもらうようになります。

羊水を飲むようになったり、生殖器がエコーで確認できるようになったりなどの成長があり、130mmくらいまで大きくなります。

早い人ではこの時期から胎動を感じる人もいます。

妊娠5か月〜7か月(ここで胎動を感じるように)

安定期に入るこの時期には、多くのママが胎動を感じるようになります。

赤ちゃんは骨や筋肉が発達し、首を振ったり足でママのお腹を蹴ったりすることができます。

また、髪の毛が生えたり鼻の穴が開通したり、耳が聞こえるようになるのもこの時期です。

20分間隔で寝起きを繰り返すことからも、ますます人間らしくなっていく様子がわかりますね。

妊娠8か月〜10か月

妊娠8か月になると、体に脂肪がついて、いわゆる”赤ちゃん体型”になってきます。呼吸の練習もするようになります。

9か月目には肺の機能が完成して体重が2,500gほどになり、10か月目にはいつ出産してもいいような状態になります。

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胎動の種類

一口に胎動と言っても、赤ちゃんの動きにはさまざまなものがあります。胎動の特徴から、赤ちゃんがどんな動きをしているのかを知りましょう。

しゃっくり

ピクピクと規則的に胎動を感じる場合は、赤ちゃんがしゃっくりしている可能性が高いです。

しゃっくりと聞けば心配になるママもいると思いますが、胎児のしゃっくりは呼吸の練習の一環とされているので安心してください。

手足の曲げ伸ばし

お腹の中でうねりを伴った動きを感じる場合は、赤ちゃんが手足を曲げたり伸ばしたりしています。

よく「腸が動いている感覚」と言われるようでうす。

おしっこ

お腹がブルブル震えるときは、赤ちゃんがおしっこをしています。

「え、おしっこ?」と思う方もいるかもしれませんが、生まれる前の胎児も立派におしっこをします。

排出されたおしっこは羊水に変わるので、衛生的な問題はありません。

パンチやキック

お腹がボコッと動く場合には、赤ちゃんのパンチやキックが考えられます。

胎児の繰り出すパンチやキックは意外と重く、ときには肋骨に響くほどの威力を発揮するそうです。

ローリング

お腹のなかでゴロンという動きを感じた場合は、赤ちゃんが体を回転させています。

成長して体が大きくなるとあまり回転することがなくなるそうで、最初のうちだけの胎動のようです。

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胎動にまつわる迷信いろいろ

胎動には、昔からさまざまな言い伝えがあります。以下では、その主な迷信をご紹介いたします。

胎動が強いと元気な子に育つ?

動きが活発で胎動が激しい赤ちゃんは、生まれてからも元気な子になると言われています。

逆に胎動が弱い赤ちゃんは控えめで弱気な子に育つとされています。

もちろん、都市伝説のようなものですが、主に体験談から伝承された言い伝えだそうです。

胎動の場所で性別が分かる!?

これも胎動の迷信としては有名なものですよね。

胎動を感じる場所が体の左側に集中している場合、男の子が生まれると言われています。

体の右側に胎動が偏っていたり、弱々しかったりすると女の子が生まれるそうです。


この他にも、早い時期から胎動を感じる場合は男の子、遅い場合は女の子という言い伝えもありません。

ちなみに、上記のどれにも医学的根拠はありませんので、思い当たってがっかりした人も喜んだ人も真に受けないようにしましょう。

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胎動カウントとは

赤ちゃんがきちんと成長していることを実感できる胎動。しかし、人によってはなかなか胎動が感じられないこともあるようです。

そんなときに活用したいのが胎動カウント。胎動を感じる回数を測定することで、赤ちゃんの健康状態を知る方法です。

その他にも、赤ちゃんの動きに集中することで、わが子への愛情がより一層深まるとも言われています。

胎動カウントのやり方

胎動カウントにはいろいろな種類がありますが、ここでは最もポピュラーな“10カウント法”のやり方をご紹介します。

上記でも触れましたが、ママが胎動を最も感じやすいのは、横になってリラックスしている状態のときです。そのため、10カウント法でも横になった状態で行います。

まず最初にストップウォッチや時計で時間を計ります。そして、赤ちゃんの胎動に意識を集中して、10回動いたのを確認するまで待ちます。

胎動を10回感じることができたら、それまでにかかった時間を確認します。

この一連の流れが10カウント法の主な方法となります。10〜20分くらいの間に確認できれば安全とされています。

また、以下のことに気をつけながら行うと正確に測定できます。

・左向きに横になる
・計測するのは胎動を感じた瞬間から
・毎日同じ時間帯に行う
・はっきりとして強い胎動だけカウントする

こんなときは注意が必要

胎動カウントで以下のことに当てはまったら注意が必要です。場合によっては医者にかかったほうが良いケースもあります。

・10カウントするまでに1時間以上かかる
・まったく胎動が感じられない
・胎動を感じるまでに1〜2時間以上かかる

このような場合は赤ちゃんになんらかのトラブルが起きている可能性があります。

しかし、赤ちゃんが眠っているだけだったり、ママの意識が他に向いていたなどの原因も考えられますので、焦らず再度測定するようにしましょう。

それでも異常がある場合は、すぐに病院で見てもらうと安心です。

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赤ちゃんとコミュニケーションを取ろう!

お腹の中の赤ちゃんは、体を動かすことでママとコミュニケーションをはかります。かわいいですね。

ママからも赤ちゃんへメッセージを送って親子愛を深めましょう。

キックゲーム

胎動を使った遊びとして有名ですね。赤ちゃんがお腹を蹴ってきたら、ママも「キック」と言って蹴られたところを叩き返しましょう。すると、赤ちゃんがまた蹴り返してくれます。

次は、蹴られたところと反対側のところを叩いてみましょう。最初は難しいですが、次第に正確に蹴り返してくれるようになります。

さらに高いレベルになると、叩いた回数分だけ蹴り返してくれます。2回叩いたら2回、3回叩いたら3回蹴り返すといった感じです。

キックゲームをする上で大切なのは、“焦らない”こと。最初のうちは何も反応がないことが多いので、気長にチャレンジするようにしましょう。

話しかけ

こちらも胎児とのコミュニケーションに有効とされている方法です。

まだ生まれる前の赤ちゃんも、ある程度の段階から脳は完成しています。そのため、ママの声に反応するという意見もあります。

また、胎児への話しかけにはさまざまなメリットがあるとされ、ママの声を聞くことで脳が発達される、温和な性格になるとも言われています。

ずっと話しかけるのがツラいというママは、絵本などの読み聞かせも良いですよ。

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パパも胎動を感じてみよう!

一般的に、体に子どもを宿さない男性は女性よりも親としての実感を得るには時間がかかると言われています。

しかし、ママのお腹を触って胎動を感じることで、子どもの存在を明確に知ることができます。

とはいえ、胎動はずっと続くわけではないので、工夫が必要です。一番効率がいいのは、エコー検診のときだと言われています。

エコー検診では赤ちゃんがどのような動きをしているかが分かるので、比較的簡単に胎動を感じることができます。

また、ママが横になっているときもチャンスです。ママがリラックスしていると、赤ちゃんも喜んで胎動が活発になることが多いようです。

それでもあまり胎動を感じられないというパパは、普段から積極的に話しかけるなどのコミュニケーションを取るようにしましょう。

声に慣れると、心を開いて動いてくれることもあるようです。


「胎動カウントの方法」や「胎児とのコミュニケーション方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

赤ちゃんを体に宿しているママは、わが子の成長を実感できるという喜びがある反面、出産まで無事に育てられるかという不安もありますよね。

胎動はママと赤ちゃんがコミュニケーションを取る上で大切な役割となります。

正しい知識を持って日頃から赤ちゃんの動きを観察し、安心して出産を迎えられるようにしたいですね。

(パピマミ編集部/上地)

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