不妊治療の最先端!? 卵子を凍結保存させる“卵活”の知識とメリット

“卵活”という言葉を耳にしたことはありますか?

妊娠を望む女性たちにとっては“妊活”と並んで身近なワードですが、そうでない人にはなじみのないものでしょう。実はこれ、卵子を凍結保存し、将来の妊娠に備えることを指す言葉なのです。

マイナス196度という超低温で卵子を冷凍し、妊娠したい時期に解凍するというオドロキの最先端技術。今回は卵子凍結保存の費用や、行っている人の実態について解説していきましょう。

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“受精卵”or“未受精卵”……卵子凍結保存の種類

卵子凍結保存には、大きく分けて次の2種類があります。

受精卵の凍結保存

体外受精や顕微授精で受精・発育した卵子を凍結保存するもの。不妊治療の一環として行われています。

採卵後すぐに移植するよりも、別の周期に移植したほうが着床率が高い場合などに用いられる方法です。

未受精卵の凍結保存

排卵した卵子を、未受精のまま凍結保存するものです。妊娠を望む時期に解凍し、体外受精させた後に子宮に戻して着床・発育させていきます。

不妊治療目的だけじゃない! ライフスタイル設計のために行われることも

前述の通り、受精卵の凍結保存は不妊治療の一環として行われるものです。既にパートナーがいて、妊娠を希望しているにも関わらず、なかなか赤ちゃんを授かれない女性を対象にしています。

一方で、未受精卵の凍結保存はがん患者などを対象にしたものでした。がんの治療で卵子に影響が出ることが予測されるときに、治療前に採卵して保存しておくのです。

しかし、今は妊娠を望んでいないけれども、将来に備えて凍結保存しておきたいという女性が最近は増えてきています。これが冒頭に紹介した“卵活”と呼ばれるものです。

たとえ現状パートナーがいなくても、若いうちに卵子を採って保存しておけば、いつか相手ができて妊娠を希望したときに元気な卵子を使って妊娠・出産にのぞむことができるというのです。

保険外のため費用は高額になる

費用は病院によって異なりますが、保険適用外のため高額になります。検査から凍結まではおよそ70万円〜100万円程度となることが多いようです。

まず、実際に採卵するまでの検査費用、排卵誘発のための費用がかかります。

ここをクリアしてやっと採卵となりますが、採る卵子の数によって費用は変動します。妊娠の成功率を上げるには、ひとつでも多く採卵・保存する必要があります。最低でも10〜20個以上は採卵するケースが多いようです。

採卵できたら凍結作業に入ります。このときにも“凍結作業費用”として別途金額を設けられていることがあります。

さらに保管料がかかり、毎年払う必要があります。卵子ひとつに付きいくら、と定められている場合は、凍結した数が多いほど費用がかさみます。

また、凍結した卵子を解凍して体外受精を行なうときにも平均で約30万円~50万円ほどかかります。

年齢制限や成功率……卵子凍結保存の注意点

卵子の凍結保存は、いつでも・誰でもが簡単に行えるものではありません。いくつかの注意点があるので、そちらも確認しておきましょう。

年齢などの制限

日本生殖医学会は『卵子の採取は40歳未満まで、受精卵の移植は45歳未満まで』というガイドラインを設けています。

また、日本産科婦人科学会では『移殖年齢の上限は、生殖年齢を超えないこと』と規定しています。

どちらも法的拘束力はないものの、多くの病院がこのガイドラインに沿った対応をしているのが現状です。

また、未婚女性には未受精卵の凍結保存を行わないと定めている病院もあります。希望する病院が自分に沿った対応をしてくれるのかどうかは、来院前にきちんと調べておいたほうがいいでしょう。

成功率の問題

未受精卵は解凍後、体外受精させた後に子宮に戻します。しかし、その後無事に着床し発育するかは別の問題。100%の確率で妊娠できるというわけではありません

病院によって技術や成功率にバラつきがあるともいわれていますので、可能であれば移植後妊娠率などのデータを開示してもらいましょう。

パートナーの問題

未受精卵を凍結保存しても、その後パートナーが見つからなければ体外受精をさせることができません。場合によっては、高額な費用や手間、時間が無駄になってしまうこともあるのです。

その点は凍結保存に踏み切る前に冷静に考え、よく理解しておくべきでしょう。


多くの課題はあるものの、メリットも多い卵子凍結保存。

卵子は年齢とともに老化することは科学的にも明らかになっています。そのため、特に未受精卵の冷凍保存は、現代女性にとっては重要かつ大きな選択肢となりうるのではないでしょうか。

【参考リンク】
医学的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン | 一般社団法人日本生殖医学会(PDF)
医学的適応による未受精卵子および卵巣組織の採取・凍結・保存に関する見解 | 公益社団法人日本産婦人科学会

●文/パピマミ編集部

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