ついカッとして叩く!? 子どもに手をあげそうになった時の応急処置3つ

【ママからのご相談】
深刻な状態になる前に投稿してみました。4人の子どもの母で、夫は出張が多く不在がち。近くに助けてくれる親類もいません。

日常的に、2番目と3番目の子どもに手をあげてしまいます。2人とも男の子で、性格的にもやや落ち着きのない子たちです。

最初は軽くぱちんとやる程度だったのですが、自分でも少しずつ叩き方が強くなってきているような気がします。

子どもが言うことを聞かず騒ぐとき、癇癪を起こしたときなどに怒りを込めて叩いてしまいます。

自分が子どものときはこれくらいされていた気がするのですが、今は人前でやると虐待と言われてしまいそうです。

自分は叩きすぎなのかな? と心配になっていますが、たまに会うママ同士だと引かれてしまいそうで打ち明けられません。

休みたいときもありますが、友達には悪くて頼れません。

a 「しつけ」が「虐待」に変わってしまわないように

はじめまして、ライターの月極姫です。

深刻になる前にご自分からアクションしていただきありがとうございます。

少なくとも「このままではいけないかもしれない」と問題意識を持ち、抱え込まずにここで吐露している時点で、今の状況を改善できる方向へ向かっていると思います。

子だくさんで旦那様が不在がち、ご両親、義両親も近くにいない状況で、さぞかし大変な毎日を送られていると思います。

お友達もいるということですが、いくらお付き合いがあるとはいえ、ママ友はママ友で自分の家庭を守るのに一生懸命。

頼り過ぎることで距離を置かれてしまったり、陰口を叩かれてしまったりするようになるのでは……? と心配になってしまいますよね。

そんな中、やんちゃ盛りの子どもが言うことを聞かないと、ついカッとなって手をあげてしまうこともあるでしょう。

しかし、叩くことが日常的になりエスカレートしていくと、徐々に親の方も拳に怒りや苛立ちの感情を込めるようになり、放置するとしつけの域を超えた“虐待”に姿を変えます

法務省による児童虐待に関する研究報告書で、国立成育医療センターの奥山眞紀子さんは『うつ、依存症、食行動異常、解離性障害、境界型人格障害、反社会的人格障害などの問題を持っている人に、過去の被虐待体験が多い』と述べられています。

幼いころに親とのあいだに信頼関係と愛着が十分に築かれないと、生涯にわたってトラウマに苦しむ可能性もあるのです。

わが子の幸せを願うなら叩いてはいけない。

とはいえ、どう対処すれば“今このときの怒り”に関して子どもに手をあげずに済むのでしょうか?

まず、“つい叩きたくなったとき”の対策を挙げますが、これらはあくまで応急処置であり、根本治療ではありません。

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(1)別の部屋へ行き子どもから離れる

カッとしていまにも子どもを殴りそうになったとき、ドア一枚隔ててでも構わないので、とにかく子どもとお互いの姿が見えなくなるところに移動します。

住宅事情にもよると思いますが、トイレや浴室などでももちろんOKです。

もし振り上げた手のおさまりがつかなかったら、けがをしない程度にクッションなどを殴るのもいいでしょう。

物に八つ当たりする姿を子どもに見せるのはNGですが、離れてならスッキリするまでやってください。

発散したら、(2)でも説明しますが深呼吸して心を落ち着けます。

子どもが心配しても、ドアを叩いても、危険がない限りひとりの空間をキープして放っておきます。

「もう叩かなくて済みそう」「今なら落ち着いて話せそう」と思ったら、子どもの元に戻って冷静に叱ります。

この方法は筆者も実行したことがあるのですが、意外なことに大声で叱るよりも子どもが大人しくなりました

“ママが叩かずに向こうへ行ってしまって出てこない”という状況が「自分は大変なことをしてしまったのでは?」という気づきのきっかけになったようです。

ちなみに、家の外に飛び出して子どもだけにするのは危険ですし、「ママに捨てられた」という誤解を与えてしまい逆効果なので避けてください。

(2)深呼吸する

その場でも、子どもから離れても構いません。両手を大きく広げて、落ち着くまで腹式呼吸を繰り返します。

焦らず、自分の気持ちが落ち着くまでゆっくり行いましょう。これは単なる“気の持ちよう”ではなく、医学的根拠があるものです。

腹式呼吸は下腹部を意識して動かす呼吸ですが、正しく行うと横隔膜の動きが活発になり、血流の促進自律神経の正常化につながるのです。

育児中は自分の時間も持てないため、心身のメンテナンスが行き届かずいら立つことが多いものです。

深呼吸は、この不調を手っ取り早く和らげるテクニックです。

これもじつは筆者は実行済みですが、子どもの目の前で行うとなぜか大笑いされてしまい、なぜ怒っていたのかお互いよく分からなくなって複雑な気持ちでした。

親には怒るべき理由があり、子どもにも怒られて仕方がない理由があったならば、途中でゲラゲラ笑いだすのもどうかと思いますよね。

(1)と(2)を組み合わせ、“子どもと離れて深呼吸”がベストと思われます。

(3)電話する

理解ある家族・知人への電話

ご相談者様は身近に頼れる親類がいないとのことですが、たまに会ったり電話したりでもいいので、育児の悩みを話せるご家族はいらっしゃいますか?

ご多忙のようですが旦那様が理解のある方なら、父親である旦那様がベストです。

無理であれば、ご相談者様のご両親やご兄弟などでもかまいません。

とにかく、頭ごなしに「子どもに手をあげるなんて!」と責める人ではなく、一旦あなたの大変さを受容してくれる相手が必要です。

会える距離にいないなら、子どもに手をあげそうになったときに電話できるようにしておいてください。

「今イライラして、子どもを叩きそうになっちゃった」「言ってもわかってくれないから、殴るところだった」。

こんな訴えを、否定せずに「あんたも大変だね」と受け入れてもらえるだけで、親の気持ちは落ち着くものです。

同じ立場のお友達同士でもこの方法は可能です。

しかし、素人同士だとどうしても責める気持ちや厳しい気持ちが生まれがちです。

難しい場合は、次にあげる相談機関に電話してください。

相談機関への電話

各自治体に設置されている虐待相談機関、または民間の相談機関は、虐待を受けている子どものためだけではなく虐待しそうになってしまう親たちの味方でもあります。

電話の向こうにいるのは、虐待問題や育児の悩みに精通した専門家です。

あなたの大変な環境についても話を聞いてくれ、やみくもに「もっと頑張りなさい」と言ったり、「無計画」「最近の親は」といったありがちな批判をしたりすることも決してしません。

状況によっては、来所や訪問によるカウンセリングを受けられるようアドバイスしてくれます。

子育ての悩みは、素人同士だとつい余計な感情が混じり、不本意に厳しいことを言われたり、結局なんの解決にもならなかったりしてがっかりすることが多いものです。

文末にリンクを掲載していますので、ぜひブックマークして活用してください。

“叩いてしまう理由”を乗り越えることが根本治療

ここまであげてきたのは、咄嗟の「叩きたい」を抑える技術です。

しかし、「どうしても叩きたくなる」という衝動を根治しないと、嫌悪感は繰り返しやってきます。

前述した法務省の研究報告書の中には、虐待の連鎖に関する調査結果も掲載されていますが、全員でないにしろ“頻繁に叩かれて育つと暴力的になる”という傾向はあるようです。

逆に、“甘やかされ過ぎて痛みが分からないから強く殴ってしまう”というケースもあり、手をあげてしまう原因はひとつではありません。

どちらにしても、叩いてしまう背景には自分の親の育児法や愛情表現が深く関わっています。

現在の自分があまりに深刻に親の影響を受けていると自覚している場合は、やはり専門家によるカウンセリングが有効だと思います。

その人の資質にもよりますが、中には自力で心理学を学んで乗り越える方もいます。

いずれにしても、自分の親の間違った育児法を客観視し、恨む段階を過ぎたら、「私の親だって完璧じゃなかったのだ」と乗り越えてしまう気概が必要です。

あなたがご自分のお子さんに、「自分よりも幸せに育ってほしい」と願うように、あなた自身も親御さんを超えてもっと幸せになっていいのですから。

【参考リンク】
相談窓口 | オレンジリボン運動
児童虐待に関する研究 | 法務省

【参考文献】
・『子ども虐待 悲劇の連鎖を断つために』いのうえせつこ・著

●ライター/月極姫(フリーライター)
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)

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