分娩の時に“便”も出てしまうって本当?

【女性からのご相談】
現在妊娠8か月です。出産経験がある友人たちから話を聞くと、いきんだ際にお通じが出たという人がとても多くて、嫌で嫌でたまりません。

夫は立ち会いを希望していますが、そんな姿を見られるくらいなら、帝王切開にしてもらいたいくらいです。夫に相談したら、そんなこと気にしなくていいと言うのですが、毎日そのことばかり考えてしまって鬱になりそうです。どうやったらお通じをしないで普通に出産できますか?

a お気持ちは良くわかります。私も今まで何百人も赤ちゃんを取り上げてきましたが、同じような気持ちになる妊産婦さんはとても多いです。

こんにちは、助産師のHillまゆ子です。

私たち助産師からしてみれば、それは本当に自然なことなので、妊産婦さんたちから相談を受けても、「大丈夫よー、みんなするんだから」で済ませてしまうことも多いかもしれません。

でも、ご本人にとっては真剣な悩みなのですよね。

それでは今日は、出産時のお通じについて、いくつか知っておいて欲しいことを挙げてみましょう。

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(1)ほとんどの助産師は、何も言わずにさっと処理してくれる

私の知る限り、ほとんどの助産師は何も言わずにさっと処理します。匂いがたつまえに、できるだけ早く、です。

産婦さん自身は、陣痛がつらくてそれどころではないので、気がつかない場合もあります。

気がついた産婦さんは、大抵謝ったり恥ずかしがったりしますが、助産師にとっては、「お通じが出る=お産がすすんでいる」という証なので、逆に嬉しいくらいなのです。恥ずかしがることは一切ありません。むしろ喜んでください。

赤ちゃんが通って来る産道と、お通じがある直腸は隣り合わせですから、赤ちゃんの頭が下がって来る際、直腸にお通じがあれば、自然と押し出されてきます。それは、とても良いこと、健康なことなのです。

(2)いきみ方は普段のトイレと全く同じ

お産のときのいきみかたは、お通じをするときと同じです。産道と直腸の違いはありますが、周辺の筋肉は両方に作用しますので、ひどい便秘になったと思っていきんでください。

いきめば、お通じが出るのは自然なことです。お産前にすっきり快便があった方なら別ですが、そうでない場合、大抵はお通じが出ます。

それでいいのです。それこそが、あなたが上手にいきんでいる証拠なのです。

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(3)立ち会いの際、ご主人はお通じに気づかない

立ち会い出産の際は、ご主人は産婦さんの頭側に立つことになります。下の方をウロウロされたら邪魔になりますし、産婦さんも嫌がる場合がほとんどです。

そして、ほとんどのご主人は、緊張のあまり何が起きているか全く分かっていません。壮絶な痛みで雄叫びを挙げる妻を目の前にして、ただオロオロするばかりです

仮に、万が一にも、ご主人があなたのお通じに気づいたとしましょう。でもそんなことを気にする間もなく、すぐに元気な赤ちゃんの産声が聞こえるでしょう。

そしてご主人は、あなたのお通じのことなどきれいさっぱり忘れて、感動の涙を流すことでしょう。それは、あなたにとっても同じことなのです。

今はとても気になっていて、それこそ世界の終わりのように感じているかもしれません。

しかし、ひとたび生まれた赤ちゃんを目にしたら、そんなことは取るに足らないささいなことに変わります。

(4)バースプランに加えてみる

ここまで読んでもまだ不安だというあなたは、このことをバースプランに加えて、事前に分娩に当たる助産師に伝えておきましょう。

難しいことを書く必要はありません。ただ思っていることをそのまま、「お通じが出るのが恥ずかしい、夫に知られたくない」と伝えましょう。

担当助産師は、できるだけ早く処理してくれますし、そのことを口にも出しません。ご主人の立ち位置についても配慮してくれるでしょう。


さあ、帝王切開にしたいなんて言わずに、勇気を持って取り組んでください。大丈夫、乗り切れますよ!

●ライター/Hillまゆ子(助産師)

編集部追記

今回のコラムでは、「出産中に便が出てしまうのが嫌」という相談に、「お通じが来るのはお産が進んでいる証拠」という視点でアドバイスをいただきました。

「出産中に便が出てしまうこと」について、一般的にはどう言われているのか、編集部でまとめてみました。

実は出産中に便をもらすママは多い!?

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女性にとって人生の一大イベントでもあり、何か月も大切に育ててきたわが子との輝かしい対面の瞬間でもある出産。

「早産にならないかな……」「もし流産にでもなったら……」など、妊娠中にはさまざまな不安がつきものです。

ただ、意外と「出産中に便が出たらどうしよう」と不安になるママも少なくないようです。

早産や流産などの心配に比べたらノンキな心配に感じられますが、女性にとって便をもらすというのは一生ものの恥だと思う人もいます。

そのため、出産中に便をもらしても誰にも言わないことが多く、もらした人の明確な割合が表に出ることはありません。

しかし、実際に助産師をしている人の中には「便をもらす人は多い」と感じる人もいるようです。

真相は闇の中ですが、ネット上の声などを聞いても出産中に便をもらす人は珍しくないようです。

おならが出るのは出産が近い証拠!?

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プレママが悩むのは出産中の便だけではありません。その前段階(?)ともいえる“おなら”に対しても不安を感じるようです。

たしかに、本来「おぎゃーおぎゃー」が聞こえるはずの分娩室で「ぷーっぷーっ!」とおならが出たら恥ずかしいですよね。

しかし、おならが出るのは、お産が近い証拠だとも言われています。

出産が近づいてくると、赤ちゃんはだんだんと骨盤の中に降りてきます。

その際に、周りの内臓が圧迫されるのですが、腸も一緒に圧迫されて中のガスが出てしまうことがあるそうです。

そのため、おならがよく出るのは赤ちゃんが降りてきている証拠で、お産が近いとされているのです。

出産前に浣腸をするのもアリ

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最近ではあまり行われなくなりましたが、一昔前まではママの子宮口が5cm程度広がってきた段階で浣腸を施す病院が多かったようです。

当時は出産前に排便をすませておくと、腸の中が空になって赤ちゃんが産道を通りやすくなるのではないかと考えられていたためです。

また、浣腸によって腸が蠕動運動を起こすことによって陣痛を促進させるとも言われていました。

しかし、WHO(世界保健機関)の見解としては、浣腸によって陣痛が促進されたり、赤ちゃんを下へと押し出すような腸の蠕動運動はほとんど効果がないとして、出産前の浣腸は必要でないと結論づけています。

さらに、浣腸をすると痛みを感じる人も少なくないため、出産の際に余計に母体に負担がかかるのではないかという懸念もあるようです。

とはいえ、「そういう問題じゃない! 子ども産むと同時にうんちもらしたくないの!」というママもいるはず。

そういう場合は、出産前に医師や助産師に浣腸を強く希望してみましょう。お産の状況や病院ごとに対応は異なるようですが、浣腸を実施してくれることもあるようです。

ちなみに、実際に出産前の浣腸を経験したというネット上の声には、

『どうしても出産のときに脱糞するのがイヤだったので、浣腸しました。その結果無事もらさずに済んだし、気持ちにも余裕ができた』

という肯定的な意見も見られました。

一方では、『浣腸してものすごい便意に襲われたけど、全部出し切らないうちに分娩台へ。お尻から便が勢い良く噴射して恥ずかしかった』と否定的なコメントもありました。

便が噴射は一番恥ずかしいケースかもしれませんね……。

とはいえ、浣腸をしたことで心に余裕をもって出産に臨めたという人もいるので、どういう結果に転ぶかはケースバイケースと言えそうです。

実際にもらしてしまった人たちの体験談

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出産中に便をもらさないための対策としては上述の浣腸がありますが、浣腸しても結局出てしまう人はいるので、完全に出産中の排便を防ぐ方法はありません。

そこで、出産中に排便してしまったという人の声を集めてみました。

陣痛の痛みに隠れて気づかなかった

『あまりにも陣痛が強烈だったので、自分でもらしたことに気づかなかった。助産師さんが拭いている感覚で気づいた』

出産中は激しい痛みに襲われるため、自分が排便していることに気づかない人は多いようです。どうせなら知らないままでいたいですね……。

夫に「はげてんじゃねーよ!」と暴言を吐いた

『いきんでオナラが出たとき、立ち会いの夫が無表情だったのが逆に腹立った。自分でも理由が分からないけど、大声で「はげてんじゃねーよ!」と吐き捨てた。そのときの夫の驚いた表情が忘れられない』

照れ隠しのつもりだったのでしょうか。おそらく一緒にいた旦那さんは気を遣っての無表情だったと思いますが、災難ですね(笑)。

出産のときに人格が豹変してしまう女性は多いようなので、こういうことはよくある出来事なのかもしれません。

娘に大声でバラされた

『夫と娘に立ち会ってもらってた。家族に見守られて心強かったけど、途中から娘が「くさーい! ママうんこもらしたの? ねえ? ねえ?」としきりに大声で聞いてきて恥ずかしかった』

娘さんに悪気はなかったとはいえ、これは恥ずかしいですね。子どもは無邪気なので罪はありませんが、なんとか旦那さんに食い止めてほしかったところです。

インターンの学生達の前で

『お医者さんや助産師さん、夫に見られるのはまだいい。全然関係ない学生たちに見られたのが一番悔しかった』

お医者さんや助産師さんは出産に必要不可欠ですし、家族であればまだ気持ちに折り合いがつけられるもの。

ただ、インターンの人たちに見られるのはいやですね。

「恥ずかしかった」ではなく「悔しかった」というのも分かる気がします。

夫側はそんなに気にしてない

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出産中の排便について、やはり女性は夫に見てほしくないと思うものですが、当の夫側はあまり気にしてないことが多いようです。

そもそも、立ち会いの際には夫は妻の枕元で見守っていることが多いため、下半身の状況を見ることはありません。

もしおならの音が聞こえたり臭いがしても、自分の子が産まれるという壮絶な状況の中でそんなことを気にする人はいません。

情けない姿を見せたくないからと夫を追い出す人もいるようですが、そこは夫を信頼してあげましょう

出産という大イベントを夫婦で一緒に乗り越えるという経験は、一生の宝物になるかもしれません。


「出産前の浣腸」や「出産中に排便してしまったママの声」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

わが子がこの世に誕生するということは、神秘的で希望の象徴とも言えます。

出産中に便が出てしまうことを不安に思う気持ちも分かりますが、周りは気にしていないものです。

どうしても見られるのが嫌という人は、事前に浣腸をしてもらうなどの対策を立てて、自分で納得のいく出産にしたいですね。

(パピマミ編集部/上地)

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