他人の失敗を喜べ!? 怒りや妬みを溜め込まずに健康でいるためのコツ

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

筆者が小さな健康食品販売会社を経営していたころに面識のあった中小企業の社長さんが、「俺の健康の秘訣は、俺を出し抜いてうまくやりやがった同業者が潰れたニュースや傾いた噂を聞くことさ」と言っていました。

ずいぶん下品なお話だとは思いますが、そういう筆者も、当時さんざん買いたたかれてろくに儲けさせてくれなかった大手のチェーンストアを運営する企業に、公取の指導が入って懲らしめられたという記事を新聞で読んだときには、なぜかスカッとした記憶があります。

都内でメンタルクリニックを開業する心療内科医のM先生(50代男性)は、『あまり感心できる方法ではありませんが、恨みや怒りの感情をこういった“代替仕返し”とでも言うべき方法を用いて溜め込まないようにすることは、直接報復のようなとんでもない発想に向かうよりは遥かにマシなことですし、心と体の健康にも良いことです』と言います。

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蓄積した恨み・怒りの感情は、鬱症状ばかりか高血圧のような身体症状を引き起こす怖れも

M先生はこのようにも言っています。

『怒り、恨み、焦り、落ち込みといった精神的ストレスは、鬱を引き起こす原因になると同時に、高血圧に代表されるような身体症状の誘発に影響することが医学的に証明されています。

ストレスを受けると交感神経が活性化するためアドレナリンが分泌されて興奮状態になり、循環する血液の量が増えて血管に負担がかかり、血圧が上昇するようになるのです』

つまり、あまり大きな声では言えないような俗っぽい方法であっても、恨みや怒りなどの強いストレスは、社会に迷惑をかけない何らかの方法で解消しておかないと、心や体の健康に悪い影響を与えかねないということなのです。

圧倒的に力の強い者やアンフェアを繰り返す者の失敗なら喜んでもいい?(『水戸黄門』や『半沢直樹』の効用)

脳科学者で医学博士の中野信子さんは、心理学者の澤田匡人さんとの共著『正しい恨みの晴らし方』の中で、『シャーデンフロイデ』という概念について触れています。

『シャーデンフロイデ』とは、ドイツ語で“他人の不幸(失敗)を喜ぶ気持ち”を意味し、『水戸黄門』や『半沢直樹』のようなシャーデンフロイデを利用したドラマは、視聴者が普段から持っている恨みや妬みの感情をドラマの中の悪人に対して“代替仕返し”させてくれる効用があるためヒットしやすいことを指摘しています。

ただし、代替仕返しをしてスカッとするにしても、そこには最低限のルールはあると思います。

それは、失敗する(不幸になる)者が、普通の庶民よりもずっと強い力や権力を持っている者であること。

あるいは、ずるい方法やアンフェアな手段を用いて自分だけが金儲けや出世を手に入れるといったことを繰り返しているような者であることです。

“仕返し”よりは“見返し”の方が建設的だが、一番いいのは“寛容”であること

『正しい恨みの晴らし方』では、“仕返し”よりは“見返し”の方が建設的であると述べています。

たとえば、サラリーマンとしては要領が悪いために会社を追われるような形で退職し、独立開業するしか食べていく道がなかった人が、自分で起こした会社を抜群のアイデアと行動力で大きくし、世間から「偉大な経営者」と呼ばれて古巣の会社を見返すといったようなケースがこれに当たります。

しかし筆者は、“見返し”よりも良い“恨みつらみを溜め込まずに心身ともに健康でいつづける方法”は、“寛容”になることではないかと思うのです。

自分の年齢になるとだんだん分かってくるのですが、人生に勝ち負けなんてありません。

恨むなら“一所懸命になり切れなかった自分”を恨めばいいのであって、他者にはすべからく寛容であればいいのです。

『鬱も高血圧も呼び込まず心身ともに健康でいつづけるために一番良い心の持ち方は、“許す”ことです』

心と体の問題の専門家であるM先生もこうおっしゃっています。肝に銘じたいものですね。

【参考文献】
・『正しい恨みの晴らし方』中野信子、澤田匡人(共著)

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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