転んだら最後! “転倒しないこと”が高齢者の長生きにつながるワケ

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

超高齢化社会を迎え、全国のママさんパパさんの御両親もおじい様おばあ様も多くはお元気でお過ごしのこととお慶び申し上げます。

筆者も自分の親は二人とも他界したものの、妻の方はおかげさまで父親が90歳、母親が87歳とまだまだ元気に毎日を過ごしています。

ところで、そのように元気な今のわが国の高齢者の人たちですが、実は“これだけは絶対に気をつけなければならない深刻な健康上のリスク”があることをご存じでしょうか。

絶対に回避しなければいけないこと、それは“転ぶこと”なのです。

定期的な一般健診もがん検診も血液検査ももちろん大切ではありますが、それ以上に“転ばないこと”こそが高齢者にとっては極めて大事なことなのです。どうしてでしょうか。

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転んで入院生活に入ることで、医療の手にかかる状態から抜け出せなくなる傾向がある

高齢者の多くは1つや2つの持病は持っています。

それでも“一病息災”“二病息災”といった感じで明るく前向きに過ごすことで、病気に打ち勝ちながら生きているというのが本当のところです。

実際、厚生労働省のホームページによると、日本人の場合男性の2人に1人、女性の3人に1人はがんにかかるそうです。

しかし、積極的に適切な治療を受けることによって多くのがん患者は命までは落とさないですむようになってきました。

また、がんではない病気なら高齢者のほとんどが何かしら持っていますが、“気にし過ぎない”で日常生活を続けることで、“医療過多”にならずに健康な生活を保っているという面もあります。

ところが、ひとたび転んでしまい、特に大腿骨を折ってしまうと人生終盤の様相が全く違うものになってきてしまいます。

手術をしなければ骨はつながりませんから寝たきりになってしまいますし、手術をしたらしたで高齢者にはさまざまなリスクが伴うものであり、入院生活に入ることによって病院側が“細かいことも見逃してくれなくなる”ため、さまざまなリスクが表面化し、“医療の手にかかる状態から抜け出せなくなる”傾向があるのです。

昨日まで何でも自分でやっていた人が、転んでしまうとわずか数か月で帰らぬ人になることも

都内の総合病院の整形外科に勤務するある医師によると、高齢者が大腿骨頸部骨折に代表されるような外科的手術を伴う入院生活に入ることによる主なリスクは次のようなものです。

(a)感染のリスク
(b)麻酔のリスク
(c)再骨折・脱臼のリスク
(d)痛み・しびれ等の残存
(e)歩行・移動能力の低下ないし喪失
(f)内科的疾患の出現
(g)認知症の出現
(h)せん妄の出現

(40代男性/都内総合病院整形外科勤務、整形外科医師)

また、これは正確な統計がとれていることではないため、あくまでも個人的な談話として聞いた話ですが、『大腿骨頸部の骨折で入院・手術をした後期高齢者の人で半年以内で死亡する人の割合は実は一般の人がイメージしている数字よりもっと多い』と仰る整形外科の医師(60代男性/都内整形外科クリニック院長)もいるほどなのです。

現実に筆者の母親はそれまで何でも自分ですることができていたのに、1月下旬に自宅の自分の部屋で転んで大腿骨頸部を骨折し、入院・手術してからというもの、日に日に全身の状態が低下していき、5月下旬には帰らぬ人となりました。

高齢者は“転んだら最後”のつもりで周囲は細心の注意を~意外と見落しがちな注意点~

おじいちゃんおばあちゃんに、いつまでも転ばずに元気で過ごしていただくために、周囲は“転ばせてしまったら最後”くらいのつもりで細心の注意を払う必要があります。

もちろん皆さんそのつもりでやってはいるのですが、より一層ということです。

そこでこのコラムでは、普通の健康な大人だと「そんなものが転倒リスクになるの?」と思うような、意外と見落しがちな転倒リスクについて触れて、しめくくりたいと思います。

(1)薬の服用状況に注意を

高齢者の多くは多種類の薬を服用しており、その中には副作用としてフラつきや眠気、ぼうっとするなどの症状をもたらすものも多く存在します。

それらの副作用が出ているときの歩行は、高齢者にはさせないように気をつけるべきです。

(2)靴下やスリッパは履かない方がいい

靴下やスリッパは、滑り止め付きのものを常に履く習慣ができている場合を除いて、履かない方がいいかもしれません。裸足に慣れましょう。

冬の寒い日に履かないと耐えられないと仰るのであれば、むしろ布団から出ずに休んでいることをおすすめいたします。

(3)日常の細かな整理整頓に無頓着になった方がいい

その人のパーソナリティもあるので一概には言えませんが、日常の細かな整理整頓に伴う動きには多くのリスクが潜んでいます。

ほんの一例ではありますが、几帳面だった筆者の母は滑り止めの付いていない“あったか靴下”を履いた状態でベッドのシーツを直そうとして滑って転び、わずか4か月後に帰らぬ人となりました。

几帳面な高齢者に何か気になることがある様子を感じたら、何が気になるのか聞いて、できることは代わってしてあげるのがベターです。

なお、(2)の裸足に慣れましょうという提案は、神奈川県で内科医院を開院する東邦彦医師もホームページで推奨していらっしゃいます。

【参考リンク】
高齢者の転ばない暮らし方について | 東内科医院

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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