怠けてるワケじゃない? 小中学生に多い“起立性調節障害”の原因と対策

こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。

みなさんは、『起立性調節障害』という病気をご存じでしょうか。

わかりやすく言いますと、朝起きられない・頭痛がする・疲れやすい・午前中は体調が悪いのに夕方から元気になる、といった症状を引き起こす病気です。

これらの症状だけをみると、「怠けているだけではないのか?」「気持ちがたるんでいるからでは?」と考えてしまう人もいるかもしれません。

しかし、これは自律神経の調節に障害が起きる病気なのです。そのことを多くの人に知っていただきたいと思い、書くことにしました。

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起立性調節障害とは

起立性調節障害は、最初に自律神経の調節がうまくいかなくなる病気と説明させていただきました。

具体的には、交感神経(体を活動させる・覚醒させる)と副交感神経(体を落ち着かせる)の分泌がズレてしまう状態です。

交感神経は朝に多く分泌するので活動がしやすくなります。副交感神経は夜に多く分泌するので、体を休め体の運動を抑制しやすくなります。

この2つの分泌が少しずつズレていき、昼夜逆転してしまうような状態になります。それで下記のような症状が起こるようになるのです。

【症状と理由】
・朝起きられない(全身への血流が維持できないため)
・だるくて疲れやすい(血液による酸素や栄養供給が悪いため)
・立ちくらみやふらつき(血圧低下で全身への血行が維持されないため)
・夕方から元気になり夜眠れない(交感神経の活動性が下がってこないため)
・動悸や息切れ(血流が悪く、頻脈になるため)
・思考力低下や集中力低下(脳血流が悪くなるため)

10~16歳の子どもがかかりやすいと言われています。その中を見てみると、小学生約5%
中学生約10%とされています。

【原因】
・精神的なストレス(いじめや親の不仲、集団の中での立ち位置などの対人関係の問題など)
・環境の変化(引っ越しやクラス替えなど)

何らかの原因で長いあいだ心が緊張状態になる(ストレスにさらされる状態)と、自律神経のバランスが崩れて、さまざまな症状が心身共に現れます。

自律神経がうまく働かなくなることで、『起立性調節障害』という病気を引き起こしてしまうのです。

改善を図るために

小児科受診で検査をし、病気が発覚したあとに軽症・中等症・重症の診断が出てくることでしょう。どの度合いでも、生活リズムの改善が必須です。

生活リズムを整えることで一番最初に行うのが、早寝早起きです。最初のうちはすごく大変であることは明らかですが、リズムを正常に戻すためには必要です。

体調不良でも昼間は極力横にならないようにすることが効果的と言われています。これは血流を全身に送るようにするためです。

そして、1日3回の食事をしっかり取ることも大切です。栄養バランスのとれたものだと、循環を促したり体力がついたりして活動しやすくなります。

日中は、散歩程度の運動が有効です。ゆっくり歩くことで血流を促すことにつながります。

ただし、立ちっぱなしは下半身に血液が溜まってしまいますので、注意しましょう。

そして、ストレスの原因となっている事柄をカウンセリングなどで解消していくことも同時に行います。

病気であることを理解してあげることが本人の支えになる

親からすれば、

「朝は起きないし、午後は学校も行かないでゲームばかりしている」
「とても病気に思えない」
「仮病なのではないか」

と思うかもしれません。

しかし、体が病気になっているのだということを親が理解することが本当に大切です。

親が理解を示すことで、治り方が変わり、症状の軽減につながります。

「親に理解してもらえた」という安心感が何よりの薬になると、私は思っています。

中等症や重症になると、学校を遅刻したり欠席したりすることになります。そうなれば、学校から親に出席させるように言われることもあるでしょう。

体がよくなるまでは登校できないことを学校側に知ってもらうことが、親の大切な役目になります。

『起立性調節障害』の診断を受けたら、担当医に診断書をお願いし、学校側に提出しましょう。親だけでなく学校側も理解が必要です。

おわりに

不登校の子どもたちの中にも『起立性調節障害』を起こしているのではないかと思われる人たちがいます。この病気は、頻度の高い疾患だからです。

少しでも思い当たる症状があるならば、小児科を受診することをお勧めします。学校に行けないのは、体が病気になっているせいかもしれないからです。

本人だって、「オレ(私)はなまけ者なのかも……」と思っているでしょう。それを親が「ただの仮病」「怠けているだけ」なんて言ってしまったら、症状は悪化します。

「怠けている」なんて理由で片付けないであげてほしいと思います。一番つらいのは、本人なのですから。

【参考リンク】
起立性調節障害 | 日本小児心身医学会

●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)

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