家宝を売るのはNO! 債務者が“財産”を手放さずに借金を整理する方法

【ママからのご相談】
2年前、夫が経営していたお店がうまくいかなくなり、閉店してしまいました。借金だけが残り、幸いにもすぐに仕事が見つかったのですが、子どももどんどんお金のかかる年になり、正直返していくのがもう限界です。

このままでは自己破産しかないと思っていますが、1つ気がかりがあります。自己破産というのは、高価な財産は処分されてしまうんですよね?

実は、家に祖父母から受け継いだ骨董品があり、鑑定すればそれなりの値段がつくのです。代々大切にしてきたものなので絶対に手放したくないのですが、なんとかならないのでしょうか?

a 骨董品を手放さずに借金を整理する方法はあります。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

「借金が払えない」とはいえ、代々受け継がれた大事な骨董品を手放すのもとてもツラいですよね。結論として、骨董品を手放さずに、借金を整理する方法はあります。

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自己破産をすると財産は処分されるの?

借金が膨大に膨らみとても返せない、という場合、視野に入るのが“自己破産”という選択肢。

自己破産は、基本的に全ての借金がゼロになる手続きです。したがって、経済的にやり直すには自己破産が一番メリットが大きいといえます。

ただ、借金をゼロにする分、やはり高価な財産は手放さねばならないことになります。

たとえば、東京地裁の場合「現金に換算すると価値が20万円を超えるもの」や「現金そのものが99万円」を超えれば、それらの財産は原則として手放さねばなりません。

例外的に、今後の生活に必要と認められる場合に限り、保持しつづけられる場合があります。

今回のように、“相当高額な骨董品”がある場合には、通常これは処分されてしまいます。

なお、「骨董品を売ってお金に換えれば借金を返せる」という場合、当然自己破産はできません。

民事再生って?

民事再生とは、借金を大幅に減額し、その減額した額を原則3年間(難しい場合は5年間)で、法律で定められた“最低弁済額”“清算価値”いずれかの多い方の金額を払って返済する方法です。

たとえば、ご相談の借金が1,000万円で、骨董品の価値が300万円だったとしましょう。

その場合、“最低弁済額”は5分の1の200万円となり、“清算価値”が300万円ですので双方を比べると“清算価値”の方が高額なため、少なくとも300万円は返済せねばならないわけです。

自己破産では、高価な財産が処分されますが、民事再生の場合は、その必要がありません。

その代わり、高額な財産があるような場合は、「その額までは少なくとも返済してね」という決まりがあるのです。

民事再生では、住宅ローンを払い続けたまま、住宅ローン以外の借金を減額し、家を維持することもできます

また、自己破産のように「手続きの間は警備員の仕事ができない」などの職業の制限もありません。

高価な財産・家をお持ちの方や、職業制限がかかってしまう方などには民事再生をお勧めします。

他にも方法はあるの?

自己破産、民事再生以外にも、『任意整理』という手続きがあります。任意整理は、自己破産や民事再生と異なり、「裁判所の手続きを踏まない任意の借金整理」となります。

任意整理をすると、原則として将来の利息がカットしてもらえるほか、これまで利息を払い過ぎていた場合、過払い金が戻ってくるケースもあります。

たかが利息といえども意外に大きく、「毎月の返済の大半が利息で元本が全然減らない」というケースも少なくないので、利息カットのメリットはとても大きいといえます。

まとめ

借金問題で困った場合は、その方にとって最善の方法を見出すことが重要です。

各手続きのメリットデメリットを総合考慮し、借金をゼロにすべきか、減額すべきか、元本だけでも返済していくべきかを検討していくことになります。

任意整理はさほどメリットがないように誤解をしている方が多いようですが、多くの場合、「予想以上に借金や返済額が減額される」ことも多いので、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。

●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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