ルール次第? 子どものやる気を「ご褒美」で引き出すのはアリか

【ママからのご相談】
小学校4年生の息子がいます。家でまったく勉強をしません。ですからつい「ゲームソフトを買ってあげるから」「テーマパークに連れて行ってあげるから」などとご褒美で釣ってやらせてしまいます。すると、主人からそんなやり方では子どもの主体性をダメにしてしまうだろう、と叱られてしまいました。子どものやる気を引き出すためにモノで釣るのはいけないことでしょうか?

a “目の前のニンジン作戦”で効果をあげるお子さんはたくさんいます。

こんにちは。ライターのakiです。

勉強が好きで自分から進んでしてくれる子であればいいのですが、ほとんどのお子さんは親が一生懸命言ってもなかなか勉強してくれない子が多いと思います。

いくら将来のためだと言い聞かせても。あなた自身のためだと熱弁しても子どもにとってはピンとこないのが実情でしょう。

そこで、頑張ったら「○○を買ってあげる」「●●に連れて行ってあげる」などと目の前にオイシイ条件をぶら下げてやる気を出させる方法で子どもを動かしてしまうのです。

そのあとで「こんな方法でしか子どもを説得できないなんて……子どもの自主性や、勉強本来の目的や楽しさを奪ってしまうのではないか?」と自己嫌悪に陥ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。

しかし、ご褒美で子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではありません。『「学力」の経済学』の著者である中室牧子さんによれば、やり方次第では効果があがるのだそうです。

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ご褒美で釣って成功する方法は“あるキーワード”がポイント

ここで、あるおふたりのお母様の体験談をみてみましょう。

【母親Aさん(小学校5年生男の子)】
『算数が苦手なわが子。ですから、学校のテストで85点以上とったら好きなゲームを買ってあげるよ。と約束しました。そのゲームは前から欲しがっていたものです』

【母親Bさん(小学校6年生男の子)】
『算数が苦手なわが子に、算数の問題集を1冊終えたら好きなゲームを買ってあげると約束をしました。ゲームは前から欲しがっていたものです』

どちらも算数が苦手な高学年のお子さんに、それぞれご褒美を差し出しています。この結果、どちらかのお子さんは算数の成績が伸び、どちらかのお子さんは成績にほとんど影響がありませんでした。この場合、AさんとBさんどちらのお子様の成績が伸びたかわかりますか?

具体的な点数を提示して条件を出しているAさんに対し、Bさんは1冊の問題集をやらせるだけで漠然としています。

この場合、一見Aさんのお子さんの方が成績が伸びそうな気がしますが、結果は逆でした。Bさんのお子さんの成績が伸びて、Aさんのお子さんの成績は変わらなかったのです。

なぜでしょうか? それは、ご褒美の条件を出す際の子どもの行為が“アウトプット型”であるか“インプット型”であるかで学力が変わるからです。

“アウトプット型”と“インプット型”、条件の違いで学力が変わる

たとえば、「テストの点数が良かったら」「通知表の成績が良かったら」などという条件は、今までやってきたことを外に出して結果を出す“アウトプット型”の力です。

それに対して、「宿題を終える」「問題集を解く」「本を読む」などの条件は力をつけるために知識を取り入れる“インプット型”の行動です。

ハーバード大学のフライヤー教授の研究によれば、この“インプット型”の条件でご褒美を示した方が子どもの学力をあげる効果が大きかったと述べています。

確かに、“アウトプット型”の「テストの点数が良かったら」「通知表が良かったら」というのは結果を求めるばかりで、良い点数をとるためにどのように勉強をすればいいのか、通知表で良い成績をとるためには何をすべきか、という具体的な手段が抜けています。

一方“インプット型”の行為は、「問題集を解く」「宿題をする」「本を読む」などの学力向上につながる具体的な行動を示しています。

子どももその通りにやるだけなので自然と力がついてきます(もちろん、“アウトプット型”の「良い点数がとれればご褒美を……」という条件を出してもその良い点数がとれるための方法を教え、導いてくれる人がいれば良い結果に結びつくと思われます)。

ということで、ご褒美は具体的な手段や方法を提示する“インプット型”の条件が良いことがわかります。

ちなみに、ご褒美の条件を出す際の日にちは近ければ近い方が具体的でいいそうです。たとえば、「本を毎月1冊ずつ読んだら来年の誕生日におもちゃをあげる」よりも「1時間勉強したら、終わった後でお小遣いをあげる」の方が効果があるそうです。

ご褒美は子どもの勉強への自主性や楽しみを奪わない

では、ご褒美が成績向上に一役かうことはわかりましたが、子どもの勉強へのやる気や楽しさなどの気持ちの影響はどうなるのでしょうか?

前述のフライヤー教授の研究によれば、ご褒美をあげる対象となった子どもたちと、そうでない子どもたちを心理学の手法を用いて統計的にはかったところ、両者に気持ちやモチベーションの差は特になかったそうです。

つまり、ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせる結果にはならないのです。

そう考えると、やり方さえ間違わなければご褒美を前にして子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではないとわかります。


以上の結果からまとめると、

・「本を読む」「宿題をする」などの(知識を取り入れる)インプット条件
・ご褒美は遠い将来ではなく近い将来に

という観点でお子さまにご褒美勉強法を試してみると、学力向上につながるかもしれません。ぜひ、お子さまのやる気を引き出す日々の学習法として役立ててみてください。

【参考文献】
・『「学力」の経済学』中室牧子・著

●ライター/aki(中高英語教員)

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