ミニマリストやめて! 「物を勝手に捨てる夫」と離婚はできるか

【女性からのご相談】
最近、ミニマリストというものに旦那がハマっています。

自分の持ち物の整理をしてくれるのは大変ありがたいのですが、だんだんに家庭の生活用品まで捨て始め、とうとう私の持ち物まで捨てるように言い始めました。

拒否していたのですが、ある日帰ってみると私の持ち物がごっそり無くなっていました。その中には祖父母の形見や仕事で使うものなど、大切なものが含まれています。

もう、人の物を勝手に捨てる旦那とは一緒に居られません。こういった理由で離婚と慰謝料を請求できるのでしょうか?

a 現時点では離婚が認められにくいため、まずは歩み寄りを考えてはいかがでしょうか。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

夫婦といえど、自分の持ち物を勝手に処分されるのは我慢なりませんね。大切なものも含まれていたとのことで、大変ショックを受けられたことでしょう。

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離婚が認められるための5つ理由

離婚は、パートナーと話し合ってお互い納得して離婚届を出すのであれば離婚できます(協議離婚)。

しかし、パートナーが「離婚したくない」と拒否するときは、裁判で離婚を認めてもらう必要があります。裁判では、民法770条1項に定める離婚原因がなければ離婚は認められないんです。

離婚原因は、簡単にいうと

(1)不倫・浮気(不貞行為)
(2)同居・協力・扶助義務を果たさない(悪意の遺棄)
(3)3年以上の生死不明
(4)回復の見込みがない重度の精神病、
(5)その他婚姻を継続しがたい重大な事由

の5つで、今回は(5)に該当すれば離婚が認められます。

この(5)は、(1)から(4)に当てはまらないさまざまな理由のときに使われますが、当事者の主観的にも客観的にも、今後夫婦としての共同生活を営んでいくことが不可能で、夫婦関係が破綻しているといえるかで判断がされます。

配偶者がミニマリストであることを理由に離婚はできるのか!?

判断には、結婚中の夫婦双方の行動や態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無、年齢、性格、婚姻期間や別居期間などさまざまな事情が考慮されます。

1度ご相談いただいたようなことがあったくらいでは、まずは夫婦間で話しあって改善する余地があると判断され、離婚が認められるのは難しいと思われます。

しかし、裁判例では、結婚18年、別居1年の夫婦で、夫が80歳となり生活力が減少したころから妻が先妻の親戚に位牌を送りつけたり、思い出の品を焼却するなどし、修復の話し合いもできなかったケースで離婚が認められたものもあります。(平成21年5月26日 大阪高等裁判所判決)

夫が話し合いに応じようとせず、あなたのつらい気持ちを考えることなく勝手な行動を続け、別居したなど、夫婦関係の改善が困難なとなってくると離婚が認められる可能性はあります。

もし、夫の勝手な行動が理由で離婚が認められるとすれば、離婚の責任は夫にあるといえます。また、あなたの所有する大切な宝物を了承なく勝手に捨てたことは、不法行為にもなりますので、慰謝料等の損害賠償の請求はできると考えられます。

ただ、損害として認められる額が時価相当額となったり、認められる慰謝料額が買戻し額より少ない可能性もあります。

事態が大きくなってしまう前に、夫と十分な話し合いをしたり、夫が聞き入れてくれないのなら、お金には代えられないものですから、夫が処分できない場所に保管するのが先決かもしれません。

お互いの歩み寄りが大事

結婚しても相手は自分の所有物ではなく、勝手な言動は許されません。

裁判でも、相手の気持ちをお互いに尊重し、歩み寄ることが夫婦として最も大切なことの一つとされています。

許しがたい気持ちもとてもよくわかりますが、あなたの大切なものであること、離婚を考えるくらい許しがたいことだとしっかり伝えて、まずは夫と話し合ってみましょう。

離婚が認められるかはケースバイケースですので、お悩みのときは弁護士にご相談くださいね。

●ライター/正木裕美(アディーレ法律事務所:愛知県弁護士会所属)

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