夢はゲーム実況者!? 「キッズユーチューバー」に憧れる子どもへの接し方

【ママからのご相談】
小3息子が「ユーチューバーになりたい」と言い出しました。小さいころからYouTubeなどで動画を見せることが多く、最近では興味のあるゲームの実況動画を見ています。おそらく、それらと同じような実況を撮りたいと思っている様子。

私は反対したのですが、息子は「なんで? いけないことなの?」と……。「たしかに、何がダメなんだろう?」と、私自身言葉に詰まってしまい、「そんなの、大きくなってから後悔するんだから!」としか言えませんでした。

それでも息子は「後悔しないよ? ぼく、カッコよく撮るよ!」と聞いてくれず、そのまなざしは希望でイッパイです。

そんな息子を見ているうちに、(ものづくりへのモチベーション自体は悪くないことなのでは? でも、やっぱりやめておけば良かった! って思いそうだし……)と混乱しています。

a 子どもの将来の夢はユーチューバー!? ママはどう動くべきか考えましょう。

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

今年3月、大阪府の某小学校に通っている児童たち(4年生)を対象に行った「将来の夢」のアンケート結果が、ネット上で話題となりました。その内容は、以下のようなもの。

【将来の夢(小4男子)】
・第1位…サッカー選手
・第2位…医者
・第3位…ユーチューバー
・第4位…公務員

注目を集めたのはもちろん、第3位に輝いた「ユーチューバー」の存在。ユーチューバーとは、『YouTube』(動画共有サイト)に動画を投稿し、動画再生によって得られる広告収入を収入源とする、比較的新しいスタイルの職業です。

どうやら相談者さまと同じようにユーチューバーに憧れるお子様は決して少数ではない様子。今回は、子どもとユーチューバーについて考えてみましょう。

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キッズユーチューバーがはらむリスクを考える

「子どもがユーチューバーだなんて……」と思う人がいる反面で、すでにキッズユーチューバーと呼ばれる子どもたちが数多く誕生しています。

ハラハラしながら動画を見てみると……「え、かわいいし、なんだか楽しそう! ひょっとすると、反対する方が子どものタメにならないのかも!?」とも思わせるほどのクオリティです。

人気「キッズユーチューバー」3選

【Kan & Aki’s CHANNEL】

【がっちゃんねる】

【こうくんちゃんねる】

こんなにもかわいらしくイキイキとしたキッズユーチューバーを目の当たりにした親心は、「子どもたちのやりたいことをこんな風に応援してあげられたら、どんなにステキだろう……」と思う気持ちと、「イヤ、やっぱり何か危なっかしいよ!」と感じる心が五分五分といったところでしょうか。

なんの警戒心もなくネットの海へわが子を放り込む前に、動画投稿にともなうリスクについて考え直してみましょう。

キッズユーチューバーは黒歴史になる?

ネットに自身の声や顔をさらすことで真っ先に思い浮かぶリスクは、「黒歴史にならないの?」というポイントです。

今は「最高に面白い!」と思える動画でも、自身の成長や時代の流れとともに「やめておけばよかった……」という過去になってしまう可能性は拭えません。

デジタルタトゥー”という言葉が示す通り、一度ネットにアップしてしまった情報は未来永劫残り続けてしまうもの。

このリスクから、動画投稿を食い止めたいと願うパパ・ママも少なくはないはずです。

キッズユーチューバーたちが将来抱えるであろう後悔を憂う声も、少なくはありません。

上記で紹介した人気キッズユーチューバーたちの動画が、いわゆる“黒歴史”とは程遠い印象を受けるのは、彼らの親御さんによる、動画を編集する技術力のたまものなのではないかと考えます。

大きくなった本人が見返しても、「このころの自分、かわいいなあ……」と、まるでアルバムをめくるように楽しめるような仕上がりに完成しているからこそ、世の中のパパ・ママたちに「これならOKかも……?」と思わせる魅力を発しているのです。

しかし、それでもこれらの動画がキッズユーチューバーたちの黒歴史になるのか否かは、そのときが来るまでわかりません。

子どもたちの姿をネットにさらす際には、そのリスクを理解することが必須だと言えるでしょう。

防犯面でもキッズユーチューバーはやめておくべき?

ここ十数年の間に目まぐるしく普及していったインターネット。

私たち親世代は、その便利さが広がっていく裏で、ネットに関わるさまざまな事件が発生した瞬間を目の当たりにしてきました。

その中には、将来の光を奪われるような痛ましい出来事も印象深く心に残っているかと思います。

これに対して、過去を知らない子どもたちは、インターネットの恐ろしさにリアリティを感じることができません。

動画を視聴する人は皆、自分たちと同じような羨望(せんぼう)のまなざしでディスプレイを眺めているとも思っているはずです。

しかし、現実には、YouTubeの動画を見ている人の中に、子どもを傷つける可能性を秘めた人物がいてもなんら不思議ではありません。

不特定多数の目にさらされるという現実を受け入れた上で、どのラインまで(顔も出すのか、声だけに止めるのか、など)露出させるのかを判断する必要があるでしょう。

ユーチューバーを目指す子どもは勉強しない?

冒頭で触れた、小学4年生の子どもたちによる「将来の夢」のアンケート。

この調査結果を毎日新聞ニュースサイトで紹介した兵庫県立大学の竹内和雄准教授は、『有名なユーチューバーは1億円以上稼いでいる。もうあくせく勉強する時代じゃない』と、勉強をせず過激な動画撮影に夢中になる子どもたちの現状を伝えています。

「なんて時代だ!」と嘆かわしく思う方も多いのではないでしょうか。しかし、冷静に考えてみてください。

大好きなゲームをしながら、おしゃべりするだけで生活ができるなんて、子どもはもちろん大人でも夢のようなお話! 憧れて当然だといえば当然でしょう。

私たちが子どものころ「ジャニーズに入りたい」「モー娘。に入りたい」「お笑い芸人になりたい」と言っていたことと、あまり変わらないのではないでしょうか。

そんな子どもたちに、大人はなんと言えばいいのでしょう。実際に、自分が子どもだったころ、大人たちはどう諭してくれましたか?

「夢だけで生きて行くことはとても難しい」
「本当に人を引き付けるようなユーモアは、知識を蓄えることで身につく」

これらのアドバイスは、今の子どもたちにもぜひ伝えるべきことだと言えるでしょう。

今はなんの意味も感じられないお勉強かもしれないけれど、あなたを魅力的な大人にするための土台なんだ! と、子どもたちを机に向かわせるのは、ちょっと退屈な、それでいてとても重要な大人の仕事です。

ユーチューバーを目指すのでれば、なおさら勉強しなくてはいけない現実をきちんと教えてあげるべきなのではないでしょうか。

せっかく芽生えた子どものやる気をへし折りたくない

以上の理由から、「YouTubeに動画投稿なんて、とんでもない!」と、子どもの願いを却下してしまう方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。

しかし、本当にそれでいいのでしょうか? 内容はどうあれ、せっかく芽生えた「やってみたい!」という子どものやる気。もしかすると、思わぬ才能が隠れているのかもしれませんよね。

動画の内容を企画し、撮影を行い、編集をする……。この一連の作業の中に、子どもたちが学べることはいくつもあるはずです。

投稿をするか否かは置いておいて、動画を完成させてみるというのも、教育の一環として有効であることは否めません。

本当にユーチューバーになるのかどうかは、それから考えてみても遅くはないはずです。

「動画撮影なんて、アソビみたいなことしてないで!」なんて足蹴にせず、お子さんが興味を持っているジャンルに親子で飛び込んでみるのも手段なのではないでしょうか。

ユーチューバーを目指す気持ちが、将来につながるかもしれません

私事ですが、絵を描くことが大好きな子どもだった私が、はじめて抱いた将来の夢は“画家”でした。

当時は、自分の好きなこととつながる職業について、画家以外の仕事を知らなかったからです。

その後、絵を描く中で“表現すること”そのものの面白さに気づき、文章に興味を持つようになったのは小学校高学年ごろ。

最初の「画家になりたい!」という夢は、紆余屈折あってライターという形で実りました。

「楽しい!」と思えることは、志の始まりだと思います。ユーチューバーと聞けば、親は「そんな不安定そうな職業!」と不安になるでしょうが、お子さんの選択肢にまだユーチューバー以外の職業が登場していないだけなのかもしれません。

ユーチューバーの何に惹かれているのか、親が許容できるラインはどこなのか。もう少しだけ真剣に、お子様の「やってみたい!」と向き合ってみてもいいのではないでしょうか?

●ライター/木村華子(ママライター)

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