学生の貧困が止まらない? 「奨学金問題」のワケ&検討中の新制度

こんにちは。教育ライターのyossyです。

近年、奨学金制度に関する報道を新聞・ニュース等で見かけることが増えました。

学生時代に学費が払えずに貸与型の奨学金を利用したけれど、卒業後も返済ができずに苦しむケースが増えているというのです。

では、どうして困る若者が増えているのでしょうか。その背景や、検討中の新しい奨学金制度に関してご紹介します。

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奨学金問題が起こっている背景に子どもの貧困&雇用の不安定

日本の学費は世界的にみても比較的高い水準にあると言われています。

しかし、平均給与は下がっており、子どもの貧困が問題になっている状態。「大学まで行って学びたい」と思うと、重い負担を強いられることになるのです。

教育費に困ったときに、まず思い浮かべるのが「奨学金制度」ですよね。特に、日本学生支援機構の奨学金が有名です。文部科学省によれば、実に学生等の約4割が利用しているとのこと。

奨学金には一部に給付型(返済の必要がないもの)もありますが、多くの人は貸与型(返済する必要があるもの)を利用しています。

しかし、近年非正規雇用者が増加していることも問題になり、雇用が不安定。誰もが「卒業して働き出せば返せる」という時代ではなくなってしまいました。

日本学生支援機構によれば、平成26年度末時点で、1日以上返済を延滞している人は全体の約9%。

延滞のきっかけが家計の収入低下や支出増加である場合が多く、継続して延滞している理由として“本人の低所得”を挙げる人が半数以上います。

少しでも状況を打開するため、日本学生支援機構は大学別に未返済率を公表することも発表(2017年度より)。奨学金返済に関して物議を醸しているのです。

所得に連動して返済額が変わる? 新たに導入が検討される奨学金制度のポイント

こういった状況をふまえて、国は新たな奨学金制度の創設を検討しています。

マイナンバー制度が導入されたことも手伝って、いわゆる『新所得連動返還型奨学金制度』に関する議論を重ねているのです。

いったんは、平成29年度の無利子奨学金新規貸与者から導入することを目指しています。

しかし、現在でも一定の条件を満たせば、

・家計が厳しい世帯の無利子奨学金を受けている学生が、卒業後に一定収入を得るまでは返済期限を猶予する制度(所得連動返還型無利子奨学金制度)

・返済額を減額して返済期間を延長する制度(減額返還制度)

などの救済措置があります。これでは不十分なのでしょうか?

『所得連動返還型無利子奨学金制度』と『新所得連動返還型奨学金制度』は名前が似ていますね。何が違うのか、ポイントをみていきましょう。

(1)『所得連動返還型無利子奨学金制度』(現行制度)

・年収300万円を超えると、収入に関わらず一定額で返還開始(一部控除あり)
・学生時代の世帯(主に父母)が低所得の場合のみ適用される

(2)『新所得連動返還型奨学金制度』(平成29年度より導入が検討されている制度)

・学生時代の世帯の所得状況は関係しない
・所得が一定額を超えるまでは最低返還月額の2,000円を返還
・一定額を超えると、所得に応じた返還額とする

これまでは、世帯の収入(主に両親の経済状況)によってそもそも適用にならないという人もいました。新制度が開始すれば、本人の経済状況のみで返済額が決定されるようになります。

また、年収300万円というラインを少し超えただけで、「家計が苦しいのに定額返済しなければいけない」という状況が改善されるというわけですね。


新制度はまだ検討中で、解決しなければいけない問題も多くありますが、困っている学生や卒業後の若者たちが、少しでも楽になってほしいものです。

●ライター/yossy(フリーライター)

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