どんなリスクが? 妊婦が用心すべき「胎児機能不全(胎児仮死)」の知識

こんにちは、ライターの齋藤惠です。

想像したくはないことですが、これまでお腹の中ですくすく育ってきた赤ちゃんでも、いざ分娩となるとさまざまなトラブルに見舞われるケースが想定されます。

その事例の一つとして挙げられるのが『胎児仮死』です。

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『胎児仮死』とは?

現代では一般的に“胎児機能不全”と呼ばれています。日本産科婦人科学会の資料によると、

胎児機能不全とは,妊娠中あるいは分娩中に胎児の状態を評価する臨床検査において「正常ではない所見」が存在し,胎児の健康に問題がある,あるいは将来問題が生じるかもしれないと判断された場合をいう

と定義されています。

具体的に「正常ではない所見」とは、赤ちゃんの心拍数などから呼吸や循環機能に問題が生じていると判断された場合を指します。

この状態になると赤ちゃんは低酸素状態となり、どんどん弱ってしまいます。

考えられる原因は?

日本子ども家庭総合研究所の資料では、以下のような原因を挙げています。

1.母体因子
1)妊娠高血圧症候群、糖尿病、腎炎、SLE、抗リン脂質抗体症候群などの合併症
2)母体低酸素症(心疾患、喘息、無呼吸、重症貧血、喫煙)
3)母体低血圧(仰臥位低血圧症候群、大量出血、硬膜外麻酔など)
4)薬物:陣痛促進剤、降圧剤、ステロイドなど
2.胎児因子
子宮内胎児発育遅延、染色体異常、中枢神経系などの胎児奇形、多胎妊娠、双胎間輸血症候群、胎内感染など
3.胎盤因子
絨毛羊膜炎、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、妊娠糖尿病、過期妊娠
4.臍帯因子
臍帯脱出、臍帯巻絡、臍帯過捻転、臍帯真結節、臍帯長の異常、臍帯付着部異常(辺縁付着、卵膜付着など)
5.子宮因子
過強陣痛、子宮破裂

対策

『胎児機能不全(胎児仮死)』と判断されたら、そのときの状態と原因によって医師が対策を行います。

分娩中であれば、胎児に酸素を送り込んで子宮内環境の改善を図ります。

薬物療法に頼らなければいけないと判断された場合には、子宮収縮抑制剤などを投与します。

その他、母体の体位変換、陣痛促進剤中止、人工羊水の注入など、赤ちゃんの命を救うためにさまざまな対策をおこないます。

ママにできること

『胎児機能不全(胎児仮死)』を防ぐためには、やはり普段の妊婦検診によって、原因となるリスクをできるだけ予防・軽減することが重要になってきます。

特に、母体因子の中に記載されている妊娠高血圧症候群や糖尿病の症状がある方は、主治医の指示に従って生活習慣の改善や治療に努めてください。また、言うまでもないことですが、喫煙は厳禁です。

さらに、重度の貧血や低血圧と診断された場合にも、「もとからそういう体質だから」と油断せず、主治医から指示を仰ぐようにしましょう。

『胎児仮死』という言葉は、その字を見るだけで不安をあおるような印象がありますが、分娩による赤ちゃんの安全を守るためにも、ママならぜひ頭に入れておいた方が良いでしょう。

原因や対策をしっかり知識として取り入れて、後は赤ちゃん自身の生命力を信じて、分娩に臨んでください!

【参考リンク】
胎児機能不全:その診断と対策 | 日本子ども家庭総合研究所(PDF)

●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)

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