シカトでOK!? 「子なしの既婚女性」を責める社会との向き合い方

【女性からのご相談】
40代女性。既婚。旦那と二人で暮らす日々がとても楽しく、気がついたら子どもがいないままアラフォーになっていました。

別に“仕事に生きる女”をやってきたわけでも何でもなく、収入は高くなくても今の仕事が自分に向いていたため楽しんで携わること20年。

今さらもうこの暮らしをやめて子育て生活に入ろうとは思いません。

でも最近、「少子高齢化は生理的な問題がないのに子どもを持とうとしないアラフォー既婚女性のせいだ」と言う人が職場にいて、息苦しくなることがあります。

直接的に私が言われているのではありませんが、ひどいときは胸の痛みが現れ気分も重く沈んでしまいます。

同じ部署の同じ立場の友人も全く同じ症状を訴えることがあります。これは“うつ病”の一種なのでしょうか?

a 今の暮らしが楽しければOK。念のため精神科を受診してもいいが多分大丈夫。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

ご相談者様も旦那様も、お二人での結婚生活がとても楽しくて幸せであるならば、それ以上何を望むことがあるでしょうか。何もありません。

心ない人たちの妄言など、気にするだけバカバカしいです。無視して、そういう人たちの悪口を言ってご夫婦で楽しんでしまってください。

念のために胸の痛みや気分の落ち込みについて、精神科や心療内科を受診されるのもいいかとは思いますが、多分そんなに心配なさらなくても大丈夫かと思います。

宮子あずささんという看護学の博士号を持つ現役の看護師で著述家でもある、お子さんのいないアラフィフの既婚女性がいらっしゃいます。

その方が各方面のメディアに書かれた文章をご紹介しながら、ご相談者様のお悩みが“悩むことなどない”問題であることを、お話しさせていただこうと思います。

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だって幸せなんだもん~ある子なしナースのホンネ~

『少子高齢化をめぐる議論が盛んですね。マスコミで関連の話題を目にするたびに、「子なし」の宮子は、「私も一役買っているよなあ」と思います。高校の同級生だった夫と学区内結婚をしたのが26歳のとき。そろって42歳になる宮子夫婦に子どもはなく、猫を愛でながら暮らしております。この先も十中八九、家族構成に変化はないでしょう。こうなった理由は簡単で、看護師として働き、雑文を書き、夫と楽しく遊んで暮らしていたら、子なしのまま来てしまいました。結局子どもの優先度は低かった。それだけのことです』

これは宮子さんが42歳、ちょうど今のご相談者様くらいの年齢のときに発表されたエッセイの抜粋です。

まさに、ご相談者様と同じような“空気”を感じておられたことを伺い知ることができますが、宮子さんの場合は“割り切”っていますよね。

どうしてこのように割り切れたのかといえば、その理由は宮子さん自身の言葉によるところの『だって幸せなんだもん』という日常であったからだと思います。

やさしい旦那様とお互いの仕事、お互いの趣味を認め合い、助け合い、いたわり合って二人で生きている日常。

子どもがいてもいなくても、これほどの幸せな夫婦生活があるでしょうか。

子どもがいない既婚女性を冷視するなど論外。“無視”してしまいましょう。

近年、わが国の厳しい財政事情もあって、子どもを産まない既婚の女性に対して「あなたたちは社会保障費に“ただ乗り”している」といった趣旨の、きわめて筋違いな批判が寄せられている事実を目にすることがあります。

これは、まったくもって見当違いな暴論であり、看過することはできません。

子どもを持つか持たないかの選択は、完全にその夫婦の自由であって、誰にもその選択を批判する資格や権限は無いのです。

現在52歳になられた宮子あずささんは、東京新聞の『本音のコラム』等で、おりにふれて“子なしの幸せ”について書いておられ、子どもを持つ人がその幸せを語るように子どもを持たない人がその幸せを堂々と語れる世の中がいいとおっしゃっています。

子どもがいる幸せ、孫がいる幸せを知る筆者も、全く同感です。

ただ最後に、お子さんがいない既婚女性であるご相談者様が“ハラスメント”と感じる言動を受け、息苦しさ、胸の痛み、気分の沈みといった症状が思いのほか長引いている場合は、やはりお近くのメンタルクリニックを受診なさってください。

精神神経科や心療内科の専門医に、言いたいことを思いっきり吐き出すことによって、症状の改善が期待できるのではないかと拝察いたします。

【参考文献】
・『看護学雑誌(2005年8月号)』医学書院・発行

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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