ステロイドで悪化!? アトピーと間違えやすい「白癬菌症」の知識

【ママからのご相談】
小6の男の子を育てる40代のママです。アトピー性皮膚炎をもつ息子の左脚の膝下あたりの場所に2か月ほど前から湿疹ができ、かゆみはないようですが次第に大きくなってきました。

ステロイド外用薬が有効だと思い塗り続けてきましたが一向によくならず、赤い湿疹はむしろかなり大きくなってしまいました。

もちろん近いうちに皮膚科に行くつもりですが、何か怖い病気なのでしょうか。

a 白癬菌症(はくせんきんしょう:“たむし”のこと)が疑われます。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

貨幣状皮膚炎と症状は似ているけれどステロイド外用薬を塗っても効果が見られず、赤い広がりが大きくなってきたとのこと。

白癬菌症(はくせんきんしょう:「たむし」「ぜにたむし」のこと)が疑われます。

皮膚科で病変部分をメスなどで採取して顕微鏡で観察すれば、皮膚科専門医であればものの数分で診断がつきます。

なるべく早く皮膚科を受診されることをお勧めいたします。

都内の多摩東部で皮膚科クリニックを開業されている皮膚科専門医の先生に詳しくお話を聞いてみましたので、日常で気をつけるべきことなどについて考えてみましょう。

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白癬菌症とは何か。どのような種類があるのか

『白癬菌症は皮膚糸状菌という真菌(カビ)によって起こる感染症です。代表的なのは足にできる足白癬で、俗に「水虫」と呼ばれていますね。足の爪に生じるものは爪白癬で「爪の水虫」、股にできるのは股部白癬で「いんきんたむし」、髪の毛に白癬菌が感染してできる頭部白癬は「しらくも」と呼ばれていますが、これは現在では非常に少なくなりました。

このように一般の人にもよく知られた特徴的な部位以外にできる白癬菌症は体部白癬と呼ばれ、俗に「たむし」「ぜにたむし」などと呼ばれています。ぜにたむしの主症状である丘疹(きゅうしん)は他の皮膚病とも外見上は似ているため、いわゆる“素人判断”は危険です。気になったらまずは皮膚科を受診するようにしてください』(60代女性/都内皮膚科クリニック副院長・皮膚科専門医)

皮膚科の病気の知識が少しある人ほど勘違いしやすい

実を言いますと筆者も以前、ご相談者様と同じようなミスをしたことがあります。

筆者も息子にアトピー性皮膚炎があるため、皮膚科の病気についてほんの少しばかり知識を持っていました。

それゆえ、息子の体部白癬を乾癬(かんせん)という病気だと思い込み、アトピー治療用のステロイド外用薬をしばらく塗り続けてしまったのです。

乾癬だと思い込んでしまった理由は、皮膚表面からはがれ落ちるフケのようなものが目立ったからです。

しかし、この鱗屑(りんせつ)というフケ状のものは、体部白癬でもアトピーでも見られるものであり、これをもって乾癬であるとは言い切れません。

体部白癬は、抗真菌作用のある塗り薬を2週間くらいつけ続ければ治ります。

ただ、私の息子の場合はアトピーや乾癬と勘違いしてステロイドを使ってしまうことにより、体の免疫力が低下して白癬菌の増殖を許してしまったおそれがあるのです。

ご相談者様がこれだろうと思い込まれた貨幣状湿疹は、たしかに外見上は体部白癬とよく似ています。

しかし、ご相談者様の息子さんにかゆみはないということですから、激しいかゆみが伴う貨幣状湿疹ではないかもしれません。

丘疹の色も貨幣状湿疹では茶褐色なので、炎症が激しく赤々とした色の体部白癬とは違うのです。


ご相談者様の息子さんの症状が白癬菌である場合、はがれ落ちた皮膚とともに家庭内のどこにおいても付着・感染するおそれがある反面、感染力としてはそれほど強くはない菌です。

皮膚科専門医を受診して治療すれば、必要以上に心配されることはありませんので安心してください。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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