待機児童多すぎ! 子育てママが「働きたくても働けない理由」3つ

シングルマザーでライターの川中利恵です。

働きたくても子どもの預け先がなくて働けない……。そんな待機児童問題は、もう10年以上も論じられ続けています。

先日、2016年1月13日に衆議院予算委員会で行われた、山尾志桜里議員と安倍総理の質疑は、「政府が子育て世代の現状を把握していない」と、ニュースでも大きな話題となりました。

山尾議員が「待機児童ゼロ政策」を打ち出す安倍晋三総理に、「待機児童数が昨年より増加したその理由はどこにあると認識しているのか」と質問を投げかけたことからはじまりました。

この質問に対し、安倍総理は「女性の就業者増加により、待機児童が増加した」という認識であると答えています。

実際に待機児童は、平成27年の報告で前年比1,796人の増加が指摘されています。

そして女性全体の就業者数は確かに増加していました。どちらも事実ではあります。

しかし、山尾議員が指摘したとおり、25歳から44歳の女性の就業率はほぼ横ばいであり、平成27年11月の前年比だけでみれば、23万人も減っているという事実があるのです。

私が保育園問題に直面した2003年当時も、「在宅で仕事をしている」という理由でなかなか入園先が決まらず、子どもを背負ったまま仕事をしていました。

実のところ、預け先がないゆえに就職できないため、在宅で仕事をすることにしたのですが……。

問題が浮き彫りになってから10年以上も経過しているのに、現在に至るまで、ほとんど改善されていないようです。それはなぜでしょう。

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働きたいママたちが働けない理由3つ

(1)保育園の入園が決まらない

まずは“待機児童”の定義を見てみましょう。

『平成25年4月1日現在の保育関係調査の提出について』の『(定義)保育所入所待機児童とは』によると、「調査日時点において、入所申込が提出されており、入所要件に該当しているが、入所していないものを把握すること」が待機児童の定義であると明言されています。

そのままであれば定義として正しいのかもしれませんが、ここからさらに“入所保留者”“転園希望者”“産休・育休明けの入所希望者”“他に入所可能な保育所がある者”は待機児童数から省かれます。

どうしても預け先がなく、やむを得ず一時保育を利用しているケースや、保育園が決まらなかったため産休・育休を延長しているケースなどは、待機児童に含まれていないのです。

しかし、現実問題として預け先が決定していなければ就職活動もできませんし、就職先は決まりません。

そして、毎年秋ごろにある入園の申込時に就業が確定していなければ、入園の優先順位は下がります。これは大いなる矛盾です。

働きたいママたちが働けない最大の理由。それはやはり、「保育園の入所が決まらないから」ではないでしょうか。

(2)子ども預けて働ければどこでもいいわけじゃない

さらに、先に挙げた待機児童数から省かれる要件に「他に入所可能な保育所がある者」があることも、首をかしげざるを得ません。

ママたちはただ子どもを預けて働ければそれでいいというわけではないからです。もちろん金銭的な問題もあります。

認可園以外の保育園では、一般的なパートでもらえる時給よりも保育料が高いことが多く、「お金を稼ぐために働く」という選択肢が現実的ではないケースが多いためです。

しかし、それ以上の問題があります。一定時間だけとはいえ、大切なわが子を他人に託すわけですから、当然勇気もいりますし、ある程度の覚悟も必要です

それだけにやはり吟味します。

見学に行ったとき、園内がアンモニア臭かったり、あまりに狭かったり、子どもたちや保育士さんたちの目が死んでいたり、テレビにくぎ付けになっているようでしたら、その時点で候補から外れるのではないでしょうか。

だからこそ、ある程度のクオリティが保証されている認可園に人気が集中するのです。

(3)女性の就業賃金が安く、働くメリットが少ない

なんだかんだいっても、特に正社員になると男性と女性の賃金差は大きいものです。

日本労働組合総連合会が2015年11月に発表したレポートによると、所定内賃金平均額を男女で単純比較すると、男性は33万4,500円、女性は23万9,600円で、金額差の要因として勤続年数などが挙げられています。

それでは純粋な比較にはならないため、より正確な比較ができる、学歴、年齢、勤続年数などの属性の相違をコントロールした“パーシェ式”による計測もレポートされています。

この結果、学歴別はもちろん、雇用形態別、事業規模別にみても、女性の賃金が安いという驚くべき結果が出たのです。

男性と同じ立場で働いていても、同じ学歴を持っていても、勤続年数や就業時間が変わらなくとも、女性よりも男性のほうが、一般的に就業賃金が高い、という事実が明確になっているのです。

子どもが生まれれば、産休を経て育児をしなければならないのはどの家庭でも同じです。

そのうえで生活もありますから、保育園の入園が難しい現状、仕事を休んでも家計的ダメージを少しでも抑えられる方、となれば、当然収入が少ないほうが休んだほうが効率的です。

同じように働いても賃金差があるのですから、子育て世代の女性が社会進出できないのも当然でしょう。

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働きたいママたちが働ける環境にする方法は?

まずは社会の意識を変えることが必要になるでしょう。男性が働き、女性が家を守るという構図は、とっくに崩壊しています。

これは働き手が十分な賃金を得られる社会であったために実現していたことです。

男女問わず賃金水準が下がり続けているにもかかわらず、大学費用をはじめとした子育て費用がどんどん上がっている今、団塊の世代で一世風靡したホームドラマを目指すことは現実的ではありません。

しかし、これはとても難しいことです。なぜなら、政策を考えたり話し合ったり予算を決めたりする政治家の多くが団塊の世代だからです。

それゆえに、かなり意識をしてもらわなければ、子育て世代の実情は「わからない」といっていいでしょう。

では、意識をしてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。

それは、私たち子育て世代が、ちゃんと選挙へ行くことです。

今の日本は、全体の投票率が大きく下がっています。特に子育て世代の投票率は絶望的です。

政治家になるためには、投票をしてもらわなければなりません。

政治家になるためには、国民に対して政策を考え、アピールする必要があるわけです。

そして今の投票率をみる限り、政治家が票を得るためのメインターゲットとなる年齢層は、人口が多く、投票に足を運んでくれる50代以上の国民です。

だからこそ政府は、選挙を直前にした今、65歳以上の低所得年金受給者に3万円支給するという高齢者対策を実施して、3,600億円もの予算を投じることを決定しました。

それに反して、子育て支援は口にするものの実行力が弱く、保育士の就労環境改善予算はまだ仮の状態である上、子育て世代臨時給付金に充てられていた600億円の予算は削減され、給付金がなくなりました

さらに掛け金だけが上がっていき、受給額が減ることが予想されている年金問題も先延ばしにしており、若い世代への負担が増えるという構造になっているように思います。

これもすべて、投票率の高い年代の支持さえ得られれば政治家になれる可能性が高いからです。

「投票しても変わらない」という思いがあり、投票に行かなくなったという方も多いかもしれません。

しかし、子育て世代の投票率が上がれば、政治家も無視はできなくなるはずです。

本腰を入れて対策するようになれば時代が変わり、本当の意味で女性の社会進出が実現するのではないかと思います。

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

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