学校で子どもが友達にモノを盗まれたら訴えられる? 弁護士が答えます。

【女性からのご相談】
最近、子どもが学校でモノをよくなくします。忘れぽい性格なのかなーと思っていたのですが、つい先日、近所に住む同じ学校の子が、自分の子どもと同じモノを持っていました。同じモノを持つことはよくあるとは思ったのですが、子どもがなくす全てのモノをその子が持っていたのです

それで確信しました。モノをなくしていたのではなく盗られていたのだと……。子どもの気持ちを考えると悔しくて仕方ありません。

大げさかもしれませんが、訴えることはできますか?


ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の島田さくらです。

『訴える』とは、穏やかじゃありませんね。

まぁ、しかし、実際やらないにしても、子どもだからといってなんでも許されるのか、という部分は気になるところかもしれません。

では、民事と刑事の2つの観点からご説明しますね。

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(1)民事

盗られたものを返してほしい、子どもが傷ついた分の慰謝料を支払ってほしい。というような場合、民事事件として、裁判所に訴えを提起することが考えられます。

「盗まれたものを返してください!」と請求する場合

自分のものを相手が持っていることを、証拠をもって証明しなければなりません。盗られたものにあらかじめ名前を書いていたりすれば、証明は容易でしょうが、そうでなければ、返還は認められないでしょうね。

慰謝料を請求する場合

この場合も、相手が本当に盗ったんだということを証明できなければ、慰謝料も認められません。

たとえ、相手が盗んだと言えたとしても、そのことのみをもって、裁判所に精神的な損害を認めてもらうのはなかなか難しいでしょうね。

さらにいえば、相手が小さな子どもで、自分の行った行為について責任を負う能力(責任能力)がないのであれば、慰謝料等の損害賠償を支払わなくてもよい、ということになります(民法712条)。

責任能力があるかは、年齢や環境、問題となった行為等により個別に判断されますが、平均すると11〜12歳が境界といわれています。

もっとも、子どもに責任能力がなければ、何をしてもよいということではありません。この場合でも、親の監督が不十分であれば、親に対して請求をすることができます(民法714条)。

(2)刑事

「相手を許せない! 罰を与えてほしい!」という場合

窃盗の被害にあったということを警察に告訴をすることが考えられます。

もちろん証拠により証明できることが前提ですが、窃盗罪が成立した場合、10年以下の懲役、または50万円以下の罰金(刑法235条)ということになります。

もっとも、14歳未満の子どもがやった行為は、犯罪になりません(刑法41条)。14歳未満の子どもが刑罰法令に触れる行為をした場合には、少年事件として家庭裁判所の審判に付される場合もあります(少年法3条1項)。

しかし、実際問題、小さな子ども同士がものを盗った、盗っていない等でもめて警察に行ったとしても、警察は動いてくれないでしょうね。


子どもがものを盗ったら、理屈の上では、以上のようになります。

ただ、どれも現実的な話ではないですよね。

子どもの気持ちを考えると悔しくてしかたがない、というのは当然です。

ただ、自分の気持ちだけが先走って周りが見えなくなり、結局、自分の子どもにとっても、誰にとってもプラスにならない選択をして、「モンスター」呼ばわりされる、なんてことにならないよう、落ち着いて対処しましょう。

●ライター/島田さくら(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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