精神栄養学から分析! うつ病予防につながる「食生活」のヒント

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

みなさんは、『精神栄養学』という言葉をご存じでしょうか?

私たちが日頃摂取しているさまざまな栄養素がメンタル・ヘルスに及ぼす影響について考察する学問研究の分野で、わが国では国立精神・神経医療研究センター神経研究所(東京都小平市)の医学博士・功刀(くぬぎ)浩・疾病研究第三部長が先駆者となって、いろいろな角度からマスメディアへの発信をつづけておられます。

この功刀博士が、2013年初頭ごろから、文部科学省の脳科学研究戦略推進プログラムの一環で、うつ病患者と健常者の比較研究として双方の食事の記録と血液検査結果を収集し、分析しました。すると、とても興味深い数々のことがわかってきたのです。

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うつ病患者はコーヒーを飲む量が少ない?

功刀博士の研究では、「うつ病患者はコーヒーを飲む量が少ない」ということがわかってきています。もちろん、この分析結果はあくまでも一つの制約条件化での結果例ですので、「だからコーヒーを飲むことはうつ病の予防に効く」という話には直接的には結びつきません。しかし、とても興味深い話ではないでしょうか。

実は、コーヒーが持つリラックス効果というのは、杏林大学医学部精神神経科学教室教授で医学博士の古賀良彦氏が非常に信頼性の高い実証研究で明らかにしています。特にグアテマラとブルーマウンテンの香りに高いリラックス効果があることは、精神医学の領域では既に立証されているようです。

その意味では功刀博士の言う「うつ病患者はコーヒーを飲む量が少ない」という分析結果も、「コーヒーを飲むことでうつ病が予防できる」と言い切る根拠にはならないものの、あながち無関係とは言い切れないかもしれません。

うつ病患者は肥満傾向がある!?

次に、功刀博士の研究では、「うつ病患者は肥満傾向がある」ということがわかっています。

これは、みなさんにも思い当たる身近な例がありませんでしょうか。筆者の知る、うつ病を患われた方たちは、ほぼ例外なくうつを発症してから太っていかれました。

その中には、職業上大きなデメリットになるにもかかわらず、コントロールできずに太っていってしまわれた、いわゆる“アイドル”業の女性もいます。また、とあるサービス業の接客業務担当者で、長身でスマートゆえにお客さんからの人気を得ていた男性は、職場の人間関係が原因でうつ病を患ってからはどんどん太り、まるで別人のような容姿になられたという例も知っています。

この「うつ病患者は肥満傾向がある」という調査結果に関して、功刀博士はうつ病患者が肥満に向かいがちな理由として次のような点を指摘しています。

1……うつ病を発症すると朝の気分が沈みがちになるため朝食を抜くようになる
2……また、人と接するのが嫌になるため“孤食”に向かう
3……そうしているうちに「もうどうでもいいや」という気になり、お菓子と飲み物だけの食事になっていってしまう傾向がある。飲み物を飲みながらお菓子ばかりを「バク食い」するようになる

いかがでしょうか。まさに“目からウロコが落ちる”といった感じの説明ですよね。

うつ病と食生活の関係にもっと注目することが必要

功刀博士は折に触れて『うつ病と食生活の関係にもっと注目する必要がある』と述べており、

・意識して青魚(サンマ、サバなど)を食べる
・ビタミンやミネラルが豊富なものも忘れずに食べる(イモ、海藻類、ほうれん草など)
・心の活力には、良質なたんぱく質が欠かせない
・朝は早く起きて光を浴び、朝食は必ずとる

といったような、“食生活習慣”の改善がうつ病の治療・予防につながることを認識してほしいとおっしゃっています。

【参考リンク】
うつ病と食生活の関係 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 功刀浩 | 一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会 はっ酵乳、乳酸菌飲料公正取引協議会(PDF)

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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