身体ナビゲーションVol.80「消化の効率がよくなる条件」

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回は、口から始まる消化と嚥下(えんげ。飲みこむこと)についてご紹介しました。消化についてはそのときの精神状態や自律神経などが深く関わっています。今回は、効率よく消化するための条件について解説したいと思います。

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食欲と消化の関係

食べたものを効率よく消化するための第一条件として挙げられるのが、おいしく、楽しく食べるということです。

食欲は食物の見た目や香り、食事をする雰囲気、さらには料理をする音などによって影響を受けます。あまり空腹感を感じていなくても焼肉屋さんやパン屋さんの前を通りかかって、その香りを嗅いだとたん空腹感を感じたり、食欲に駆られたりした経験があるのではないでしょうか。これは嗅覚が脳に直接働きかけるために起こる食欲です。

食事の際は味、色、香りなどの味覚、視覚、嗅覚などが統合されておいしいと判断されると視床下部にある摂食中枢が刺激され、食欲がわいてきます。一方、まずい、食べたくないと判断されると満腹中枢が刺激されて食欲が起こらなくなります。食欲がない状態で食べると、体内では消化の準備ができていないため、うまく分解されず、胃もたれのような症状が起こることもあります。

自律神経と消化

自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、リラックスすると優位になるのが副交感神経です。

副交感神経が優位になると消化器官の働きが活発になり、消化酵素の多く含まれる漿液性(しょうえきせい。さらさらしていること)唾液が多く分泌されますが、緊張した状態で食事をすると交感神経の方が優位になってしまい、消化器官がうまく働かず、粘液性の唾液が少量しか分泌されなくなるため、食事が喉を通りにくくなります。

咀嚼(そしゃく)と満腹感

消化器官に負担をかけてしまう原因の一つに、よくかまずに短時間で食事をしてしまうことが挙げられます。

満腹感は、胃が膨らんだ感覚よりも血糖値が上がることによって“十分な食物が入った”という情報が摂食中枢へ伝わり、食欲がコントロールされるものです。よくかむことで唾液が十分に分泌され、でんぷんの分解が進み血糖値が上昇することで食べ過ぎを抑制できます。

しかし、急激な血糖値の上昇はインスリンの分泌が過剰となり、すぐにまた血糖値が下がって空腹感や物足りなさを感じることがあります。食物繊維を最初に摂取するなどの注意が必要です。

また、唾液によって発がん性が消える食物もありますが、口に入って唾液と混ざりはじめてから約30秒の時間が必要だといわれています。そのためにもひと口30回という咀嚼回数を意識することが大切です。

減少の一途をたどる日本人の咀嚼回数

柔らかいパンやハンバーグ、パスタといった食事が好まれるようになった現代、問題となっているのが咀嚼回数の減少です。

日本人の咀嚼回数は、弥生時代には1回の食事で約4000回に達していたと言われていますが、徐々に減少し、1940年代(第二次世界大戦前)には約1500回。今では620回にまで減少してしまっています。食物の進化は食べることの楽しみを増やしてくれますが、咀嚼回数の減少によってさまざまな健康問題が起きていることも注意すべき点ではあります。

【参考文献】
・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

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「身体ナビゲーション」シリーズ一覧

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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