実は天才に多い? 「脳過敏症候群」の治療法&キケンな頭痛5例

【ママからのご相談】
40代。13歳の息子がいます。先日、『子どものころに落ち着きがなく寝言が多く寝相が悪かった子は、子ども時代に既に片頭痛を患っていて将来的には脳過敏症候群になってしまう恐れがある』という記事を読みました。

うちの息子はまさにそれで、小さいころから寝言が多くて寝相も悪く、今では頭痛もよく訴えています。脳過敏症候群というのは恐ろしい病気なのですか? どう見ても息子はそれになりそうで心配なのですが……。

a 脳過敏症候群は過敏な脳が引き起こす症状の総称。焦らず、まずは正しい知識を身につけましょう!

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

脳過敏症候群は東京女子医科大学客員教授である清水俊彦博士らが提唱している最新の概念であり、脳がわずかな刺激にも過剰反応し興奮しやすい状態に陥っている際に起こる、さまざまな不快症状の総称になります。頭痛以外の症状では、不眠・耳鳴り・抑うつ感・めまい・イライラ・頭鳴(ずめい)などがあります。

この状態を生み出すのは、“過去の片頭痛を放置していた結果”であると考えられており、片頭痛の延長線上にある症候群であって、“恐ろしい病気”というわけでは必ずしもありません。

しかし、患者さん本人にとってはうつ病や自律神経失調症、更年期障害といった病気とよく似たツラい症状に生涯にわたって継続的に悩まされるため、やはりどこかの時点で頭痛に精通した専門医の治療を受けた方がいいと、清水博士らは言っています。

そこで今回は、脳過敏症候群の治療法と危険な頭痛についてご紹介していきます。

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“トリプタン製剤”による治療とは

この脳過敏症候群ですが、実は専門医による診断が確定さえすれば確立された治療方法があります。そもそも片頭痛の延長線上にある症候群ですので、『トリプタン』という片頭痛の特効薬を使用することでセロトニンという物質の受容体(カギ穴のようなもの)に作用し血管の拡張と炎症を抑え、頭痛の水面下にある脳の異常な興奮を鎮めることができるのです。

ただ、清水博士によると、『脳過敏症候群の人は脳のセンサーが敏感。つまり、脳の働きが良過ぎるのです。度を過ぎると頭痛や不快症状につながりますが、能力や才能としてプラスに働く側面もある』とのこと。また、『治療の極意は生かさず殺さず』とも仰っています。

清水博士のこの言葉を筆者なりにかみ砕いて申し上げるならば、脳過敏症候群の不快な症状をトリプタン製剤を用いて鎮めることは可能ではあるけれど、脳の過敏性を薬を使って完全に抑え込むことは、その人が本来持っている能力や才能をも抑え込むことになってしまうため、ほどほどにしておかなければならない、ということだと思います。

夏目漱石も芥川龍之介も脳過敏症候群だった!?

実際、脳神経外科や神経内科の研究者たちの間では、歴史上“天才肌”と呼ばれたような優れた作家や芸術家には、脳過敏症候群を持っていたであろうと想定される人が数多く存在するということが指摘されています。日本では夏目漱石、芥川龍之介、樋口一葉。海外ではモーツァルト、ベートーベン、ゴッホ、ピカソ、バーナード・ショーなど。

こういった人たちはみな片頭痛を主症状とする脳過敏症候群を持っていたそうです。だとするならば、このような人たちの天才的な脳の働きを薬で完全に抑え込んでしまうことは、確かに人類全体にとっての損失ですよね。清水博士の言う、『治療の極意は生かさず殺さず』の意味がとてもよくわかるというものです。

注意を要する危険な頭痛

さて、今回のご相談について、一つの結論を述べましょう。ご相談者様、息子さんが最近訴えるようになったという頭痛が次のようなものでないのであれば、息子さんの脳の働きの良さを抑え過ぎないようにしてあげましょう。

(1)突然の激しい頭痛
(2)これまで経験したことがないような強い頭痛
(3)痛みが徐々にひどくなり、場合によってはしびれなどの神経症状を伴う頭痛
(4)後頭部が強く痛み、高熱を伴う頭痛
(5)圧迫感のある鈍痛が続き、吐き気やけいれんを伴う頭痛

などです。これらの頭痛は命にかかわる危険な病気のシグナルになっている場合がありますので、こういった頭痛を自覚したときはすぐに医療機関を受診してください。

こういった頭痛でないのであれば、息子さんの才能をもっともっと伸ばしてさしあげようではありませんか。もし息子さんの将来的な脳過敏症候群を心配して頭痛の専門医を受診される場合でも、担当の医師とよく相談しながら治療をなさっていただきたいと思います。

【参考文献】
・『季刊セルフドクター 2015年秋号』株式会社ジャパンライフデザインシステムズ・編

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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