飲酒だけじゃない!? “ガンマGTP”の数値が高い原因と対処法

【パパからのご相談】
小4の一人娘のパパです。30代の後半にさしかかったころから、健康診断を受けるといつも、「ガンマGTPの数値が高いので、お酒はなるべく控えましょう」と指摘されます。

ところが、私はお酒をほとんど飲みません。何が原因でガンマGTP値が高くなっているのでしょうか。

ちなみに、肝機能検査項目の中のGOT/GPTの値はいつも正常値の範囲内です。

a ガンマGTP値だけならあまり気にする必要はない

こんにちは。ソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

ガンマGTPの数値は、GOT(またはAST。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ酵素)/GPT(またはALT。アラニンアミノトランスフェラーゼ酵素)という肝臓の損傷度合いを判断する検査値が高い場合に、その原因を知るために参考とされる補助的な指標です。

ガンマGTPがアルコールに顕著に反応することから肝機能検査の一つの指標として用いられており、GOT/GPTが正常値の範囲内でガンマGTPだけが高いというのであれば、必要以上に気にすることはありません。

以下、都内で内科クリニックを開業する医師のお話を参考にしながら、お酒を飲まないのにガンマGTP値が高いことで考えられる、いくつかの原因を列挙してみましょう。

ガンマGTPとは

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ガンマGTPは、正式名称を『ガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ』と言い、肝臓や腎臓、すい臓などの解毒作用に関係する酵素のことです。

肝臓の細胞が破壊されると、血液中にガンマGTPが流れ出してしまうため、逸脱酵素と呼ばれることもあります。

ただし、ガンマGTPが血液中に多く流れ出たとしてもそれ自体が何か悪い影響を及ぼすということではなく、なぜ数値が上がったのかという原因に着目する指標として見られるものと言えるでしょう。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、肝機能障害などを発症しても症状がほとんど現れず、このガンマGTP検査によって初めて病気が発見されることがあるため、健康に自身がある人もぜひ受けたい検査です。

飲酒でガンマGTPが高くなるメカニズム

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アルコールは体内で分解されますが、これは肝臓にある酵素によって。

アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドは毒性があり肝臓に負担を掛けますが、日本人はこれを分解する酵素の活性が弱い人が多く、肝細胞がダメージを受けます。

このままアルコール摂取を続けてしまうと、肝細胞が破壊され死滅してしまいます。この際に放出されるのがガンマGTPなのです。

アルコールで肝臓が悪くなってしまうと、ほかの酵素よりも早く異常値を示すので、病気のスクリーニング(ふるいわけ)として使用されます。

ガンマGTPの正常値

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ガンマGTPの単位はIUで表されますが、成人男性では10〜50、成人女性では9〜32程度が正常値とされています。

アルコールの摂取で短期的にあがることがあり、100以下であれば禁酒等ですぐに正常な値へと戻すことができますが、検査などで100を超えるようなことがあると、なにかしらの疾患を抱えている可能性があると考えられます。

なお、正常値より低い場合でも特に問題はないようですが、飲酒の習慣がある人の数値が1桁の場合には、栄養不足などが疑われることもあります。

お酒を飲まないのにガンマGTP値が高い原因5つ

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都内在住内科医師(50代男性)によると、お酒を飲まないのにガンマGTP値が高いことで考えられる原因は次のようなことだそうです。

(1)無意識のアルコール摂取

「自分はお酒は飲まない」と思っていても、実はノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなどは飲んでいるような場合。

そのような飲料にもアルコールは含まれているのです。

また、栄養ドリンクにもアルコールが含まれているため、毎日飲む習慣がある人は一度それによる数値上昇を疑ってみてください。

(2)薬物性肝障害

・抗生物質
・解熱鎮痛薬
・中枢神経抑制剤(抗てんかん薬、強力精神安定剤など)
・中枢神経興奮剤(抗うつ剤など)
・ステロイド

など、いくつかの薬が薬物性肝障害の原因となる可能性があり、ガンマGTP値を上昇させることがわかっています。

また、漢方薬やサプリメントが原因となる場合もあります。

(3)脂肪肝

脂肪肝の中でも特にアルコール性肝障害とよく似た肝臓組織の変化を伴うのが、“非アルコール性脂肪肝(NASH)”です。

アメリカでは成人の3%が該当すると言われていますが、この状態だとやはりお酒を飲まないのにガンマGTPの数値が高くなります。

ただし、脂肪肝の場合はガンマGTPだけが高いわけではなくGOTとGPTも増え、しかもGPTがGOTよりも高いという特徴がありますので、(1)や(2)のケースとは違って一定の注意を要します。

この状態は肥満との関係が深いので、脂肪肝を指摘された場合は食生活を見直して改善するようにしましょう。

(4)胆道系の疾患

胆道系に対する分泌に障害があると、ガンマGTPが血液中に流れ出てしまいます。

胆石や閉塞性黄疸、胆汁鬱滞症などが原因で障害が起こってしまうのです。

(5)体調の変化

ガンマGTPの値は、その日の体調によっても変化し、人それぞれの体質によっても違いが出ます。

コレステロールや尿酸値などとは違い、数値が高いこと自体には何も問題はなく、高くなっている原因が好ましくないものだった場合にだけ問題となるため、それほど深刻になる必要はありません。

【ガンマGTP値別】考えられる病気

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正常値〜100

アルコール性肝障害、肝硬変、肝がん、薬物性肝障害、慢性肝炎、脂肪肝を発症した際に見られる数値です。

この数値であれば軽度と言えるでしょう。

100〜200

上記の疾患に加え、慢性活動性肝炎、胆道疾患の可能性があります。レベルは中程度です。

200〜500

上記の疾患に加え、閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ帯などの可能性も出てきます。

200を超えると病院へ行くことが必須と言われており、アルコール以外を原因とした問題が隠れている可能性が一気に上がるため、詳しい検査が必要になるでしょう。

500〜

500を超える数値は、急性アルコール性肝炎などで見られるものです。

超高度の増加とされ、早急な治療が必要になっている可能性があります。

ガンマGTPの高い値を下げる方法4つ

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(1)お酒を控える

ガンマGTPの値を急激に上げてしまう飲酒。検査前に数日お酒を飲まないようにするだけで、面白いほど数値を下げることができます。

ただし、一時的にやめただけでは体にとって何のメリットもありませんから、日常的に休肝日を設けるのがおすすめ。

できれば週に2日ほど、お酒を全く飲まない日を作りましょう。

量を減らして毎日飲むというよりは、肝臓をしっかりと休息させる日を作る方が効果的です。

(2)コーヒーを飲む

1日1合以上飲酒する人を対象に、1日あたりコーヒーを5杯以上飲む人とそうでない人を2つのグループに分けて行われた実験では、コーヒーを飲んだグループのガンマGTPの数値が大きく減少したという調査結果があります。

コーヒーはカフェインを含み摂取にはメリットデメリットがあるため、ただ飲めば良いというわけではありませんが、適量であれば健康に良い効果をもたらすと言えそうです。

(3)しじみを食べる

二日酔いに効くと言われているしじみですが、これはタウリンが豊富に含まれているため。

タウリンを肝臓に補うことで、アルコールが肝細胞を損傷するのを防ぐことができ、修復の手助けにもなります。

肝臓の回復に役立つ栄養素が多いことから「生きた肝臓薬」とも言われており、肝臓の機能を高めるメチオニンなどアミノ酸も豊富です。

(4)ツボを押す

足の親指の爪の生え際の人差し指側にある、『大敦(たいとん)』と呼ばれるツボは、弱まった肝機能を高める効果があると言われています。

親指を両側から押さえ、大敦と親指の外側を挟むようにしてください。1〜2分揉み込むことで、二日酔いの改善などにも効果があるでしょう。

日本人のアルコール適正量

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ガンマGTPの値だけが高い場合にはそれほど心配はいりませんが、それでもアルコールを飲み過ぎていることには違いありません。

日本人はアルコールの分解がうまくない人も多いため、飲酒量を意識することで無用な上昇を防ぐようにすることが大切です。

日本人の一般的な成人男性では、1日平均20gのアルコール量が適量と言われています。

これは、ビールであれば中ビン1本、日本酒なら1合、ワインだとグラス2杯が目安。

意外と少ないと思われるかもしれませんが、アルコールが体に及ぼすダメージはそれだけ大きいということです。

GOT/GPT数値も基準値外の場合は要検査

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非アルコール性脂肪肝であるとすると、放置した場合、肝硬変に移行するケースもあるので注意が必要です。

しかしそれ以外は、お酒を飲まないのにガンマGTP値が高くても、GOT/GPT値が基準値の範囲内であればいたずらに病気の心配をすることはないようです。

ただし、GOT/GPT数値も基準値外ということになってきた場合は話が違います。

『GOTが増えた場合は心筋梗塞などが疑われます。GOT、GPTともに非常に増えた場合は急性肝炎が疑われ、GOTとGPTがともに増え、しかもGOTよりGPTが高い場合は先ほどご説明したように脂肪肝や慢性肝炎が疑われます。

そして、GOTとGPTがともに増え、しかもGOTがGPTより高い場合は肝硬変や肝臓がんが疑われますので、医療機関を受診して詳しく調べてもらってください』(50代男性/都内内科クリニック院長・内科医師)

まとめ

「ガンマGTPの数値が上がるメカニズム」や「高くなった値を下げる方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

ガンマGTPの数値がすぐに病気につながるわけではありませんが、正常値から離れた状態が続くと良くないことは確かです。

特に肝臓は異常が起こっても初期症状がほとんどないため、定期的な検査が重要になります。

気づいたときには手遅れだったということがないよう、普段から規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●追記/パピマミ編集部
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