老化現象だけじゃない? 病気が疑われる“飛蚊症”の症例4パターン

【パパからのご相談】
結婚して家を出た娘と中学生の息子を持つ、50代の父親です。先日、白い壁をぼうっと見ていたら、目の前を蚊のようなものがゆっくりと飛んでいるのが見えました。糸くずのようでもありました。このような症状にはたしか呼び名がついていたような気がするのですが、何か怖い眼病なのでしょうか? 息子がこれから高校・大学なのでまだまだ頑張らねばならないため、やっかいな病気だと困ってしまいます……。

a 飛蚊症(ひぶんしょう)という症状で、ほとんどの場合は加齢によるもので心配ありません。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。


ご相談者様の症状は『飛蚊症(ひぶんしょう)』というものでしょう。空や白い壁を見たときに虫・ゴミ・ひものようなものが現われ、細かく揺れながら同じ方向に移動するため、文字通り“蚊が飛んでいる”ように感じる症状です。飛蚊症には治療をしないと視力が傷害される病的なものもありますが、ほとんどの場合は加齢などの生理的な変化によるもので特に治療は必要とせず、心配は要りません。

都内で眼科クリニックを開業する眼科医に、もう少し詳しく聞いてみましょう。

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心配の要らない“生理的な”飛蚊症

『眼球の中は空洞ではなく、硝子体(しょうしたい)という透明なゼリー状の物質が詰まっています。硝子体は99%以上が水分ですが、わずかに繊維を含んでいます。年齢を重ねてくると繊維が水分と分離し、それがさらに進むと、硝子体の繊維のかたまりが眼球の内側から離れてふわふわと浮いた状態になります。これによって蚊が飛んでいるかのように見えるのが、加齢による生理的な飛蚊症の“正体”です。

医学用語では『後部硝子体剥離(はくり)』と呼び、60歳で3割の人に、80歳でほぼ全員の人に発症する、シワや白髪などと同じ老化現象の一種と言うことができます。

ちなみに、ご相談者様のように“白い壁を見たとき”にゴミのようなものが浮遊して見えたという場合は、生まれた後も血管の名残りが硝子体の中に濁りとして残存したことによる“生まれつき”の飛蚊症であった可能性もあります。しかし、これもまた生理的なもので、健康な目にも起こることです。症状が進んだりしない限りあまり心配する必要はありません』(40代男性/都内眼科クリニック院長・眼科医師)

すぐに眼科へ行った方がいい“病気が原因の”飛蚊症の特徴

このように飛蚊症のほとんどは“加齢”や“生まれつき”による生理的なものであるため、心配する必要もないかわりに高齢者のシワといっしょで治療もできません。

前出の眼科医によれば、『人間の脳は異物を無視する方向に働くので、50代、60代になって飛蚊症を自覚したとしても、およそ半年もすればそれほど気にならなくなる』ということでした。

一方で前出の眼科医は、“すぐにでも眼科へ行った方がいい”飛蚊症の症例として、次のようなケースを挙げています。

1……黒い点やゴミのようなものの量や範囲が急に増えた
2……飛蚊症に加えて視力が低下した
3……暗い場所で突然稲妻のような光がピカリと走るのが見えた
4……視野の一部分が欠けている、あるいは見えにくくなった

『このような症状がみられる場合は、すぐにでも眼科へ行って診察を受けてください。網膜剥離や硝子体出血、リウマチなどからくる“ぶどう膜炎”、緑内障などの病気が原因となって飛蚊症を起こしている恐れがあるからです』(40代男性/前出・眼科医師)


ご相談者様の場合は飛蚊症とはいっても生理的な原因によるもので、特に心配を要するものではなさそうですね。ひとまず安心して、社会人になるまでまだまだ先の長い息子さんのためにも頑張ってください。

ただし、万が一“すぐに眼科へ行った方がいい”症状を自覚されたような場合には、迷わずお近くの眼科で受診されることをおすすめいたします。もちろん、現代の眼科分野の医学はすぐれた治療法が普及しており、たとえ網膜剥離などの病気が原因となっている場合でも悲観的になる必要はまったくありません。とはいえ、治療を始める時期が早いに越したことはないからです。

【参考リンク】
目の病気 飛蚊症 | 日本眼科学会

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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